【掲載日:平成25年4月2日】
葛城の 襲津彦真弓 荒木にも 頼めや君が 我が名告りけむ
二人名前は 内緒の秘密
他に知れたら 噂が立って
神に知れたら 災い被る
滅多なことで 言うんやないで
妹が名も 我が名も立たば 惜しみこそ 富士の高嶺の 燃えつつ渡れ
《お前名も わし名も出たら 悔しから 思い押さえて 燻らしとき》【寄物陳思】
―作者未詳―(巻十一・二六九七)
君が名も 我が名も立たば 惜しみこそ 富士の高嶺の 燃えつつも居れ
《あんたの名 うちの名出たら 悔しよて じっと思いを 燻らしとき》【寄物陳思】
―作者未詳―(巻十一・二六九七 或る本)
犬上の 鳥籠の山なる 不知哉川 いさとを聞こせ 我が名告らすな
《あれこれと 聞かれたかても 惚けとき さあネ言といて うちの名言いな》【寄物陳思】
―作者未詳―(巻十一・二七一〇)
(不知哉川→いさ=さあ知らん)
玉かぎる 岩垣淵の 隠りには 伏して死ぬとも 汝が名は告らじ
《隠れ淵 隠れ逢えんで 恋苦しいて 病死んでも あんた名言わん》【寄物陳思】
―作者未詳―(巻十一・二七〇〇)
我が背子が その名告らじと たまきはる 命は捨てつ 忘れ給ふな
《あんたの名 言うもんかいと 命懸け 誓たうちやで 覚えといてや》【正述心緒】
―作者未詳―(巻十一・二五三一)
葛城の 襲津彦真弓 荒木にも 頼めや君が 我が名告りけむ
《荒々し 襲津彦弓の 荒木神でも 信じたんかい うちの名言うて》
(軽々に うちの名前を 言うなんて 余っ程あんた どないかしてる)【寄物陳思】
―作者未詳―(巻十一・二六三九)
あぢかまの 塩津を指して 漕ぐ船の 名は告りてしを 逢はざらめやも
《塩津漕ぐ 船名知れてる うち名前 知らした云うに 逢わへんのんか》【寄物陳思】
―作者未詳―(巻十一・二七四七)
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