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令和・古典オリンピック

令和改元を期して、『日本の著名古典』の現代語訳著書を、ここに一挙公開!! 『中村マジック ここにあり!!』

歴史編(4)宇智の大野に

2009年08月03日 | 歴史編
【掲載日:平成21年6月20日】


たまきはる 宇智うちの大野に 馬並 なめて
              朝踏 ふますらむ その草深野くさふかの


間人皇女はしひとのひめみこは 目を覚ました
「ビン ビン ビィーン・・・」 
(ああ 父上の弓だわ 
 今日も 狩りに お出かけなさる
 力強い響き たくましいお父さま) 

大王おおきみ 皇女ひめさまから 歌が届きました」
一息入れた 舒明大王じょめいだいおうに 間人連老はしひとのむらじおゆが 差し出した

やすみしし わご大君の 
あしたには とりでたまひ ゆふへには いせ立たしし 御執みとらしの あづさの弓の 中弭なかはずの 音すなり

とうさんが 朝の早よから でさすり 夕べ遅ゆう おそくに 引き寄せる ご自慢弓の つるの音》
朝猟あさかりに 今立たすらし 暮猟ゆふかりに 今立たすらし 御執みとらしの 梓の弓の 中弭なかはずの 音すなり
朝猟あさかり行くとき 響いてる 夕狩り出るとき 聞こえてる ご自慢弓の つるの音》
                              ―中皇命―(巻一・三)

(どんな ご様子での 狩りかしら 朝霞あさがすみのなか 馬を並べて・・・)
たまきはる 宇智うちの大野に 馬並 なめて 朝踏 ふますらむ その草深野くさふかの
とうさんが 宇智の大野で 狩してる 馬駆 かけさせて 朝露あさつゆ踏んで》
                              ―中皇命―(巻一・四)

【宇智の大野―荒坂峠付近、後方金剛山】
「さすが わしの皇女ひめじゃ」
「わしの 狩りを見ていたようではないか のうおゆ
間人連老はしひとのむらじおゆは 平伏したまま 申しあげる
「はい まことに 殿の雄々しい姿 そのままなお歌」 
大王は 大きくうなずくと 命じた
「さあ 仕上げの 追い狩りだ ゆくぞ!」 

朝霧あさぎりも晴れ 草深野に 夏の日差し



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