【掲載日:平成22年7月20日】
朝に日に 見まく欲りする その玉を
いかにせばかも 手ゆ離れざらむ
佐保の地から 竹田の庄へ
家持の通い 日に日を重ね
溢れる歓喜
初めて得た恋さながら
逢う喜び
逢うての別れは 甘く辛い
待つ辛さ
辛さ故の 喜び
世のすべてが 二人のために在る
思ひ絶え わびにしものを なかなかに 何か苦しく 相見そめけむ
《諦めて 一人侘しゅう してたのに なんで逢うこと なったんやろか》
―大伴家持―〈巻四・七五〇〉
相見ては 幾日も経ぬを ここだくも 狂ひに狂ひ 思ほゆるかも
《逢うてから 日も経たんのに なんでまた 気ィ狂うほど 思うんやろか》
―大伴家持―〈巻四・七五一〉
相見ては しましも恋は 和ぎむかと 思へどいよよ 恋ひまさりけり
《逢えたんで 恋の苦しさ 和らぐと 思おたけども 募るばかりや》
―大伴家持―〈巻四・七五三〉
竹田へ通えぬ日
それでもの 逢う手立てはとの 思案
暮さらば 屋戸開け設けて われ待たむ 夢に相見に 来むといふ人を
《夜来たら 家の戸開けて 待つとしょう 夢で逢お言う お前来るのん》
―大伴家持―〈巻四・七四四〉
朝に日に 見まく欲りする その玉を いかにせばかも 手ゆ離れざらむ
《朝昼と 見てたい玉を この手から 離さんとくん どしたら良んや》
―大伴家持―〈巻三・四〇三〉
手にした 珠玉
愛おし 愛おし 自分だけの珠玉
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