NHK教育TVで「日めくり万葉集」第2弾が始まりました。
平日の午前中ということで 勤めの方は 見る機会に恵まれません。
また 見落とされた方も 居られるやも知れません。
そこで ここで取り上げて 訳し・「みじかものがたり」を 掲載したく思います。
ご覧下さい。
【十二月十六日】放映分
味飯を 水に醸みなし 我が待ちし 甲斐はさねなし 直にしあらねば
《美味い飯 醸し酒に為 待ってるに 自身来んやて 甲斐あらへんで》
―作者未詳―(巻十六・三八一〇)
【万葉歌みじかものがたり】《隠らばともに》
《楽し厭わし 隠れの恋は》
昔男と 美女が居た
共に両親 内緒して 深い恋仲 成って仕舞た
その内女 思たんや このまま親に 知らせんと
居ったあかんと 考えて これを男に 送ったと
隠りのみ 恋ふれば苦し 山の端ゆ 出でくる月の 顕さばいかに
《隠してて 焦がれん苦し もう不要で 出る月みたい 表に出そや》
―娘子―(巻十六・三八〇三)
ここに一人の 女居た 両親内緒 男出来
逢瀬重ねて おる内に 相手男の 心中
親の叱責を 怖がって 躊躇い心 生まれたを
知った女が 歌作り 男嗾け 贈る歌
事しあらば 小泊瀬山の 石城にも 隠らばともに な思ひそ我が背
《何言んや もしもの時は 二人して 墓の中でも 隠れよあんた》
―娘子―(巻十六・三八〇六)
《悲し懐かし 未練の心》
昔ひとりの 娘子居た
愛夫訪れ 遠退いて 焦がれ思いで 年越した
やがて男は 別妻娶り 訪ね来ん日ィ 続いたが
(今日はこのうち 生まれの日 もしや来んかの 望み抱き)
酒を造って 待つ許に 思い掛けない 贈り物
やれ嬉しやの 気もしたが 心尽くしの 酒悲し
味飯を 水に醸みなし 我が待ちし 甲斐はさねなし 直にしあらねば
《美味い飯 醸し酒に為 待ってるに 自身来んやて 甲斐あらへんで》
―作者未詳―(巻十六・三八一〇)
《任に割かれし 恋仲夫婦》
昔男が ひとり居た 婚を結びて 間なしやに
駅馬任務 下り来て 遠い任地に 行かされた
任務休み無 次々で 妻に逢う日の 無いままに
嘆き悲しみ 暮らす内 妻は病で 床に臥す
年を重ねた 任果てて 帰る旅路は 雪頻り
官に報告 終えた後 妻の元へと 赴くに
花の顔 窶れ果て 痩せ衰えし その姿
驚き嘆き 如何ばかり 涙咽びて 声も出ず
かくのみに ありけるものを 猪名川の 奥を深めて 我が思へりける
《いつまでも 元気で居ると 思てたに こんな窶れて 可哀想したな》
―作者未詳―(巻十六・三八〇四)
夫の声聞き 臥す妻は 頭擡げて 歌返す
ぬばたまの 黒髪濡れて 沫雪の 降るにや来ます 幾許恋ふれば
《許してね うちが焦がれて 思うから 雪降る中を 髪ずぶ濡れで》
―娘子―(巻十六・三八〇五)
――――――――――――――――――――
【古事記ものがたり】への誘い
古事記編纂1300年を期し 一大叙事詩を作ってみました
こちらを ご覧下さい。
【古事記ものがたり】へ
【万葉歌みじか物語】はこちら
<万葉歌みじかものがたり>へ
■リンク先
平日の午前中ということで 勤めの方は 見る機会に恵まれません。
また 見落とされた方も 居られるやも知れません。
そこで ここで取り上げて 訳し・「みじかものがたり」を 掲載したく思います。
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【十二月十六日】放映分
味飯を 水に醸みなし 我が待ちし 甲斐はさねなし 直にしあらねば
《美味い飯 醸し酒に為 待ってるに 自身来んやて 甲斐あらへんで》
―作者未詳―(巻十六・三八一〇)
【万葉歌みじかものがたり】《隠らばともに》
《楽し厭わし 隠れの恋は》
昔男と 美女が居た
共に両親 内緒して 深い恋仲 成って仕舞た
その内女 思たんや このまま親に 知らせんと
居ったあかんと 考えて これを男に 送ったと
隠りのみ 恋ふれば苦し 山の端ゆ 出でくる月の 顕さばいかに
《隠してて 焦がれん苦し もう不要で 出る月みたい 表に出そや》
―娘子―(巻十六・三八〇三)
ここに一人の 女居た 両親内緒 男出来
逢瀬重ねて おる内に 相手男の 心中
親の叱責を 怖がって 躊躇い心 生まれたを
知った女が 歌作り 男嗾け 贈る歌
事しあらば 小泊瀬山の 石城にも 隠らばともに な思ひそ我が背
《何言んや もしもの時は 二人して 墓の中でも 隠れよあんた》
―娘子―(巻十六・三八〇六)
《悲し懐かし 未練の心》
昔ひとりの 娘子居た
愛夫訪れ 遠退いて 焦がれ思いで 年越した
やがて男は 別妻娶り 訪ね来ん日ィ 続いたが
(今日はこのうち 生まれの日 もしや来んかの 望み抱き)
酒を造って 待つ許に 思い掛けない 贈り物
やれ嬉しやの 気もしたが 心尽くしの 酒悲し
味飯を 水に醸みなし 我が待ちし 甲斐はさねなし 直にしあらねば
《美味い飯 醸し酒に為 待ってるに 自身来んやて 甲斐あらへんで》
―作者未詳―(巻十六・三八一〇)
《任に割かれし 恋仲夫婦》
昔男が ひとり居た 婚を結びて 間なしやに
駅馬任務 下り来て 遠い任地に 行かされた
任務休み無 次々で 妻に逢う日の 無いままに
嘆き悲しみ 暮らす内 妻は病で 床に臥す
年を重ねた 任果てて 帰る旅路は 雪頻り
官に報告 終えた後 妻の元へと 赴くに
花の顔 窶れ果て 痩せ衰えし その姿
驚き嘆き 如何ばかり 涙咽びて 声も出ず
かくのみに ありけるものを 猪名川の 奥を深めて 我が思へりける
《いつまでも 元気で居ると 思てたに こんな窶れて 可哀想したな》
―作者未詳―(巻十六・三八〇四)
夫の声聞き 臥す妻は 頭擡げて 歌返す
ぬばたまの 黒髪濡れて 沫雪の 降るにや来ます 幾許恋ふれば
《許してね うちが焦がれて 思うから 雪降る中を 髪ずぶ濡れで》
―娘子―(巻十六・三八〇五)
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【古事記ものがたり】への誘い
古事記編纂1300年を期し 一大叙事詩を作ってみました
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