犬養万葉今昔―犬養孝先生著「万葉の旅」を訪ねて

犬養孝先生名著「万葉の旅」記載の万葉故地309箇所を訪ね、先生が撮られれたのと同じ場所に立った写真撮影を目指す紀行。

■日めくり万葉集Vol・2(187)やすみしし

2013年03月23日 | 日めくり万葉集
NHK教育TVで「日めくり万葉集」第2弾が始まりました。
平日の午前中ということで 勤めの方は 見る機会に恵まれません。
また 見落とされた方も 居られるやも知れません。
そこで ここで取り上げて 訳し・「みじかものがたり」を 掲載したく思います。
ご覧下さい。

【十二月十四日】放映分

やすみしし 我ご大君の あしたには とりでたまひ ゆふへには いり立たしし らしの あづさの弓の 中弭なかはずの 音すなり
とうさんが 朝の早よから でさすり ゆうおそうに 引き寄せる ご自慢弓の つるの音》
朝狩りに 今立たすらし 夕狩りに 今立たすらし らしの 梓の弓の なかはずの 音すなり
《朝狩り行くに 響いてる 夕狩り出るに 聞こえくる ご自慢弓の つるの音》
                         ―中皇命なかつすめらみこと―(巻一・三)

【万葉歌みじかものがたり】 智の大野に》

間人皇女はしひとのひめみこは 目を覚ました
 ビン ビン ビィーン・・・」
 ああ 父上の弓だわ
 今日 も 狩りに お出掛けなさる
 力強い響き たくましいおとうさま)

大王おおきみ 皇女ひめさまから 歌が」
一息入れた 舒明じょめい大王だいおうに 間人連はしひとのむらじおゆが 差し出す

やすみしし 我ご大君の あしたには とりでたまひ ゆふへには いり立たしし らしの あづさの弓の 中弭なかはずの 音すなり
とうさんが 朝の早よから でさすり ゆうおそうに 引き寄せる ご自慢弓の つるの音》
朝狩りに 今立たすらし 夕狩りに 今立たすらし らしの 梓の弓の なかはずの 音すなり
《朝狩り行くに 響いてる 夕狩り出るに 聞こえくる ご自慢弓の つるの音》
                         ―中皇命なかつすめらみこと―(巻一・三)

(どんな ご様子での 狩りかしら 朝霞あさがすみのなか 馬を並べて・・・)
たまきはる 宇智うちの大野に 馬めて 朝ますらむ その草深野くさふかの
《草茂る 宇智の大野で 馬って 狩りしてはるか 朝露あさつゆ踏んで》
                         ―中皇命なかつすめらみこと―(巻一・四)

「さすが わしの皇女ひめじゃ」
「わしの 狩りを見ていたようではないか のうおゆ
間人連はしひとのむらじおゆは 平伏したまま 申しあげる
「はい まことに 殿の雄々おおしい姿 そのままなお歌」
大王だいおうは 大きくうなずくと 命じた
 さあ 仕上げの 追い狩りだ ゆくぞ!」

朝霧あさぎりも晴れ 草深野に 夏の日差し




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