犬養万葉今昔―犬養孝先生著「万葉の旅」を訪ねて

犬養孝先生名著「万葉の旅」記載の万葉故地309箇所を訪ね、先生が撮られれたのと同じ場所に立った写真撮影を目指す紀行。

■日めくり万葉集Vol・2(115)伊香保ろの

2012年06月13日 | 日めくり万葉集
NHK教育TVで「日めくり万葉集」第2弾が始まりました。
平日の午前中ということで 勤めの方は 見る機会に恵まれません。
また 見落とされた方も 居られるやも知れません。
そこで ここで取り上げて 訳し・「みじかものがたり」を 掲載したく思います。
ご覧下さい。

【九月五日】放映分

伊香保いかほろの 八尺やさか堰塞ゐでに 立つのじの あらはろまでも さをさてば

【万葉歌みじかものがたり】八尺やさか堰塞ゐでに》

激しい恋は  火花散る
        抱きに抱いても  尽きはせん

東男あずまおとこに あずまの女
 の炎に 火がつきゃ激し
共寝ともねしとうて あの児の許へ
共寝 するため あんたを待つよ

空も飛んでく かどわかせ言い
春から秋まで 共寝たいと言うよ
挙句の果てに まだ共寝らんと
負けてなるかよ 恋敵こいかたきめが

しも 安蘇あその川原よ 石まず 空ゆとぬよ が心
いとうて の川原の 空の上 わし飛んで来た お前どやねん》
                           ―東 歌―(巻十四・三四二五)
足柄の 可鶏山かけやまの かづの木の かづさねも かづさかずとも
可鶏山かけやまの カズの木ちゃうが うちのこと かどわかしてや 門めてても》
                           ―東 歌―(巻十四・三四三二)
奥山の 真木まき板戸いたどを とどとして 我が開かむに 入りさね
《奥山の 丈夫な木の戸 ごとごとと うち開けるから はいり早よ共寝よ》
                           ―東 歌―(巻十四・三四六七)
伊香保いかほろの 八尺やさか堰塞ゐでに 立つのじの あらはろまでも さをさてば
《伊香保ある せきに立つ虹 くっきりや 表立つほど 寝続けたいで》
                           ―東 歌―(巻十四・三四一四)
子持山こもちやま 若鶏冠木わかかへるでの 黄葉もみつまで もとふ あど
かえでの葉 若葉黄葉いろづき するまでも ずっと共寝てたい どないやお前》
                           ―東 歌―(巻十四・三四九四)
かみ 安蘇あそ真麻群まそむら かきむだき 寝れど飽かぬを あどがせむ
麻束あさたばを かかえるように お前抱き 寝たけど足らん どしたらんや》
                           ―東 歌―(巻十四・三四〇四)
高麗錦こまにしき 紐解きけて るがに ろとかも あやにかなしき
綺麗きれえ帯 いて共寝といて その上に どないんや この可愛かわい児は》
                           ―東 歌―(巻十四・三四六五)
かないもを 弓束ゆづかべ巻き 如己男もころをの こととし言はば いや片増かたましに
《お前抱き 恋敵やつと変わらん うんなら もっと抱き締め ちからしたる》
                           ―東 歌―(巻十四・三四八六)



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