犬養万葉今昔―犬養孝先生著「万葉の旅」を訪ねて

犬養孝先生名著「万葉の旅」記載の万葉故地309箇所を訪ね、先生が撮られれたのと同じ場所に立った写真撮影を目指す紀行。

■日めくり万葉集Vol・2(113)秋風は

2012年06月06日 | 日めくり万葉集
NHK教育TVで「日めくり万葉集」第2弾が始まりました。
平日の午前中ということで 勤めの方は 見る機会に恵まれません。
また 見落とされた方も 居られるやも知れません。
そこで ここで取り上げて 訳し・「みじかものがたり」を 掲載したく思います。
ご覧下さい。

【九月一日】放映分

秋風は 涼しくなりぬ 馬めて いざ野に行かな 萩の花見に
《秋の風 涼しに吹くで 馬つらね さあ野に行こや はぎはな見ぃに》
                           ―作者未詳―(巻十・二一〇三)

【万葉歌みじかものがたり】《しゑやあたらし》

 花(萩)】
 吹く風が 秋呼び来ると
おどって 落ち着き出
伸びた花枝 穂先が赤紫あか
すぐそこ来てる あきはぎ季節

我がやどの 萩のうれ長し 秋風の 吹きなむ時に 咲かむと思ひて
《庭先の はぎが枝先 伸ばしてる 秋風かぜ吹く時に こ思て》
                           ―作者未詳―(巻十・二一〇九)
  
が待ちし 秋はたりぬ しかれども 萩の花ぞも いまだ咲かずける
《待ち兼ねた 秋来たのんに なんでやろ 萩花はな一向いっこうに 咲きよらんがな》
                           ―作者未詳―(巻十・二一二三)
  
娘子をとめらに ひの早稲わせを 刈る時に なりにけらしも 萩の花咲く
《夏秋の 行き会う時分 刈る早稲わせの 時期が来たがな 秋萩あきはぎ咲くで》
                           ―作者未詳―(巻十・二一一七)
                           (娘子らに=逢いに行く→行き逢う)

このゆふへ 秋風吹きぬ 白露に 争ふ萩の 明日あす咲かむ見む
秋風かぜ吹いた 白露つゆが咲かせる はぎの花 明日あした咲くやろ 見に行こかいな》
                           ―作者未詳―(巻十・二一〇二)
  
秋風は 涼しくなりぬ 馬めて いざ野に行かな 萩の花見に
《秋の風 涼しに吹くで 馬つらね さあ野に行こや はぎはな見ぃに》
                           ―作者未詳―(巻十・二一〇三)
  
手もすまに 植ゑしもしるく で見れば やどの初萩はつはぎ 咲きにけるかも
丹精たんせして 植えた成果かいやで 庭出たら 家の初萩はつはぎ 咲いとおるがな》
                           ―作者未詳―(巻十・二一一三)

恋しくは 形見にせよと 我が背子せこが 植ゑし秋萩あきはぎ 花咲きにけり
《恋し時 しのよすがと あの人が 植えた秋萩あきはぎ 綺麗きれえ咲いてる》
                           ―作者未詳―(巻十・二一一九)
  
見まくり が待ち恋ひし 秋萩は 枝もしみみに 花咲きにけり
《見てみとて 待ちがれてた 秋萩あきはぎは 枝う枝に 咲きちとるで》
                           ―作者未詳―(巻十・二一二四)



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