子どもの頃
朝起きて庭に降りると
芝生が濡れていて気持ちが悪かった
それでも進んでその中に降りたことがある
七夕の日芋の露で墨をすると
字が上達すると聞いて
近所にサツマイモを植えている人はいたけれど
わがやに芋はないからこれで代用と
庭の露で墨をすったことがある
でも大人になって
その芋はサツマイモではなく里芋だと知り
それならうちにもあったのに
と悔やんだ
勝手口の裏庭には母が捨てたかどうかの里芋の茎が一本あった
雨のたびに水滴がたまってコロコロと揺れた
あれだったのかあ
同じ誤解は芥川龍之介の芋粥でもあった
あの芋粥はサツマイモと思っていたら里芋だったと
雨でもない朝
土手の笹薮がキラキラして朝露に光っている
今なら分け入りたいほど
好ましく思う
朝起きて庭に降りると
芝生が濡れていて気持ちが悪かった
それでも進んでその中に降りたことがある
七夕の日芋の露で墨をすると
字が上達すると聞いて
近所にサツマイモを植えている人はいたけれど
わがやに芋はないからこれで代用と
庭の露で墨をすったことがある
でも大人になって
その芋はサツマイモではなく里芋だと知り
それならうちにもあったのに
と悔やんだ
勝手口の裏庭には母が捨てたかどうかの里芋の茎が一本あった
雨のたびに水滴がたまってコロコロと揺れた
あれだったのかあ
同じ誤解は芥川龍之介の芋粥でもあった
あの芋粥はサツマイモと思っていたら里芋だったと
雨でもない朝
土手の笹薮がキラキラして朝露に光っている
今なら分け入りたいほど
好ましく思う