はぎわら_m の部屋
社会・時事批評、オピニオン、初等物理の気まぐれ考究、物理教育放談

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昨今では、調べ事は、インターネットに頼るのが当たり前となった。大学で授業をする方の立場から言えば、学生がネット上の情報を見ていることを常々意識しておかねばならない。
―  ということで、、先日、急に気になって、Wikipedia(日本版)の中の「ニュートン力学」の項目の記述を眺めたところ、一番大事なところが誤解されているように見受けられたので、これは教育的にまずかろうと思い、(先行の執筆者にはやや申し訳なく思いつつも)ほぼ全面的に加筆・改訂させてもらった。
あらためて数種の書籍と受業ノートを読み直しながら記載し、そこそこ本質を反映した(辞典的な)まとめにはなったと思う。何日もつかは分からないが、、一区切りとしたので、、一応、本ブログに報告メモ。

※2013-09-04時点で、どこかの人が予想しないところをに編集を加えていた(特に、「質点に関する運動の法則」のあたり)。はっきり言って改悪であるが、、まあ、、放っておくことにしよう。
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せっかくなので、少し補足させてもらう。

ニュートンが獲得した理解の最も卓越したところは、月の周回軌道運動と、地上の(例えばリンゴの)落下運動が、本質的に同じ現象であって、そのことを整然と説明するためには、運動学的に決まる(つまり目で見て測れる)加速度と直結させた量として「力」というパラメータを導入すべきことに気づいたこと、、そしてその際、「力」が、どこかに宿るとか、何かによって伝えられるとかいう仮説を設けない方針が必要だと気づいたこと、にあるのだ。これは、全く驚嘆に値する高度な思考であって、同時代までの自然哲学者とは明らかに一線を隔す境地にあったと思う。(私は、物理学史に詳しくはないので、反証材料があれば素直に吸収します.是非教えて下さい.)

そしてさらに、運動の3法則の設定は、慣性系、質量、力を同時無矛盾的に定義する唯一とも言える方策であって、ニュートンは(本人は必ずしも明確にはその論理構造の価値を認識していなかったようながら)直感的に結果として正しく必要十分な原理を置くことに成功した。

ただし、時間の定義づけは掘り下げ不十分であったし、エネルギーの概念にたどり着くことはなかった。これらは、ニュートンの限界と言えるが、スタートラインを与えた価値は微動だにしないだろう。

ニュートン力学と、本ブログを理解すると、、自然科学という人間の思考活動が一体何であるかが見えてくる、、となればいいのだが、、。

〔PS.〕
なお、'継承と発展'の中の'解析力学'という見出しのつけられた部分は手つかずです。
遠隔作用としての逆2乗則のことも、どこかにちゃんと記述した方がいいと思います。
どなたか、自信のある方、是非、加筆・改良して下さい。



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