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日本の安全保障は航空・宇宙技術を基本にせよ
社会・時事批評
/
2006-10-18 04:53:02
北朝鮮の核実験に関する分析結果が増えてきた。
・
Yahoo!ニュース - 毎日新聞 - <北朝鮮核実験>広島型原爆の数分の一以下 東大地震研分析
・
Technobahn - 軍事技術: 北朝鮮の核実験、米核実験の専門家が分析「実験は失敗した可能性が高い」
・
[北朝鮮の核実験確認 米当局が公式発表 爆発1キロトン未満 「失敗」強まる] / アジア・世界 / 西日本新聞
・
Technobahn - 軍事技術: 米国科学者連盟、「北朝鮮の核実験」次は成功する可能性がある
・
政治記事本文:AOLニュース
・
放射性物質検出できず CTBT機構の観測網(共同通信) - goo ニュース
(10/23 上記最後の2サイト追加)
プルトニウム爆縮型原爆をつくろうとしたが失敗した、とする見方が大方のようだ。ただし、アメリカの一回の報告以外に放射性元素が検出されておらず、核分裂が少しでも起こったのかどうか、、依然はっきりしない。
そんな中、早速にパトリオットミサイルが沖縄に運び込まれたり(
コラム・パトリオットの装備、第1陣が那覇軍港に陸揚げ
)、日本の核保有などという言葉を持ち出す政治家が現れたり(
中川政調会長、核保有議論の必要性また強調 : 政治 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
)、全く腰のすわらぬ軽薄な対応ばかりが伝えられる。情けない限りである。
断言できることであるが、原爆の基本実験に成功するのしないのという段階と、核弾頭を積んだミサイルを実際に配備し管理・運用できる段階との間には、技術レベルに天と地ほどの開きがある。この技術の落差が、今配備するパトリオットの耐用年数が来るまでに、埋まることはあり得ない。パトリオットがアメリカ軍需産業の販売戦略商品であることを忘れてはならない。
-----
私は、戦争完全否定論に立つ。しかし、犯罪的攻撃者が現れたときに、無防備のまま死を待つということは容認しない(家族をもつ身である今の私には、無防備の美学は許されないと認識している)。
憲法を変える必要などはさらさらないのだ。最も本質的かつ有効なのは、あらゆる敵(我が国以外の全ての国・集団)の軍事技術の弱点を研究しておくことなのだ。相手の機器の中身を知って、その弱点を効果的について、相手機器の制御を妨害する技術を獲得しておく、、これこそが、「戦力を保持しない」我が国がなす最高の防衛技術だ。例えばミサイルに対しては、(撃ち落すのではなく)到達経路途中のなるべく早い段階で誘導を妨害し墜落させる独自の技術開発を目指すべきなのだ。
しかし、そのための情報を収集するにせよ、分析するにせよ、対抗技術を研究するにせよ、実現に向かうには、航空機やロケットや人工衛星、そして、関連する遠隔操作、自律・自動制御、高度高信頼システム構築、などについての世界一級レベルの技術を持っていなくては話にならない。つまり、国産の航空・宇宙技術の推進を国家の最優先プロジェクトにしなければならないということだ。防衛予算の多くは、宇宙技術の予算に転じたほうが良い。そのために現在の様態の自衛隊は大幅に縮小してもいいとさえ思う。このように考えると、アメリカが売り込むパトリオットの導入だの、日本の核武装だのというのが、とてつもなく的外れで、マヌケな発想に見えてくる。
我が国の航空技術開発は、(恐らく)戦後のGHQ統治政策の一環で沈滞を余儀なくされた経緯がある。ジェットエンジンの研究の初期段階からは日本は事実上外れてしまったために、関する独自技術や特許の蓄積が乏しい(*)。また、人工衛星用ロケットの発射地として本来相応しいはずの沖縄に、何故か宇宙開発の本拠地を置くことができていない。こうした状況を打開しないことには、自衛権だ何だと言ったって、ほとんどお笑いぐさに近いと思う。
安倍氏が偉そうに言う「戦後レジームからの新たな船出」を本当に為すとすれば、それは、憲法改正などという言葉のお遊びではなく、アメリカと肩を並べ得るレベルの、独自の航空宇宙研究を実現する環境と体制を築くことのはずなのだ。
===
[*]日本のジェットエンジン開発に関する時代背景等
日本ジェットエンジン - Wikipedia
===
〔付記〕
日本の宇宙開発を担う組織は2003年10月より
宇宙航空研究開発機構(JAXA)
に統合されている。もっともっと一般国民や世界からの関心を集めてほしい。米国
Kennedy Space Center
の様な、大規模でオープンな施設を持てばとよいと思うし、いずれは「専守防衛研究」というセクションを掲げてもよいと思う。
日本の宇宙開発事業の課題(対訳付)
/ジャパンタイムズウィークリー
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