はぎわら_m の部屋
社会・時事批評、オピニオン、初等物理の気まぐれ考究、物理教育放談

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9月29日に、総務省から、家計調査の結果(8月分)が発表され、NIKKEI NET:景気ウオッチ のサイトなどで報告されている。

記事の一部を引用しよう。
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全世帯を対象にした消費支出は、実質で前年同月比4.3%減少し、前年同月を下回るのは8カ月連続。名目では3.3%減。
一方、サラリーマン世帯の消費支出については、実質で前年同月比4.4%減少し、前年同月を下回るのは8カ月連続。名目では3.4%減。
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また、消費支出(その他に百貨店の売上高等)の年次推移は、次のページにまとめられている。NIKKEI NET:景気ウォッチ ニュース


日銀短観の大企業業況判断(短観(要旨)(2006年9月))とは裏腹に、(ごくごく一部の人を除いて)大抵の私たち国民の生活は、貧しいところに留まり、あるいはさらに貧しくなりつつあると見なければならない。多くの人の実感もそうであろう。

こんな状況の中で、安倍総裁は、法人税減税の政策を描いている(減価償却拡大、法人税6000億減税へ…安倍氏意向 : 自民新総裁 : 特集 : YOMIURI ONLINE(読売新聞))。


消費不足の中で、企業資金が不必要に余剰することとなれば、それはすなわち、バブル再来の原動力になる。最悪の事態である。

安倍内閣が、この愚かさを避ける知恵を持っているのか、極めて不安である。

以前にも述べたが、経済とは、最終的には消費者が受ける恩恵によって意義が与えられるものだろう。「生活がよくなったとは思えない」と思う私たち個人の感覚を、政治家や経済政策に関わる者は本気で重大視すべきである。

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-「家計調査」の意味-
家計調査 - Wikipedia
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〔追記〕
さらに暗澹たるニュースが報じられている。
asahi.com:法人税07年度減税検討 安倍政権初の諮問会議 - 政治
日本は、国民主権ではなく、財界(特に輸出関係大企業経営者)主権の国家になってしまったかのように感じる。

-上記ニュースよりの引用-

 安倍政権のもとで初の経済財政諮問会議(議長・安倍首相)が13日開かれ、首相が掲げる「経済成長重視」の政策を進める路線を確認した。とくに今後2年間を成長のための「離陸期間」と位置づけ、税制や雇用制度、規制などの改革に大胆に取り組む方針を確認した。消費税増税問題にはまったく触れない一方で、経済界から要望が強い企業減税を検討する方向性を示した。
(中略)
 政府は現在も減価償却制度の見直しによる約6000億円の企業減税を検討しているが、経済界はさらに大規模な法人実効税率の引き下げを主張している。経済財政諮問会議は基本的にそれを受け入れた形だ。

 企業減税をする場合、問題となるのは財源だ。小泉政権での02~06年度の税制改正では、法人課税が1.4兆円減税となり、個人所得課税は3.9兆円の大増税になった。今後も企業減税で不足する財源は、消費税増税か個人所得増税でまかなわれる公算が大きい。




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