みみずく医者の備忘録

名古屋市名東区の内科開業医です。日々の出来事や診察室でのエピソードなどを織り交ぜて綴ります。個人的なメモ代わりです。

胃がんにも分子標的薬

2012-09-11 00:01:22 | 医療一般
胃がんにも分子標的薬 ハーセプチン、「効くタイプ」なら延命・根治に望み

要約
がん細胞をねらって攻撃する新しいタイプの抗がん剤、分子標的薬が、胃がん患者でも治療効果を上げつつある。
手術できないほど進行したり、再発したりした患者が対象だ。
がんのタイプを調べて、効果的な治療法を選べるようになってきている



■トラスツズマブは、がんの成長を促すHER2というたんぱく質と結合し、がんが大きくなるのを抑える。HER2が多いがんに有効だ。
このタイプは、胃がんの2割弱という。

■日本人も参加した国際共同臨床試験で、以前からある抗がん剤、カペシタビンとシスプラチンの2剤の治療と、トラスツズマブを加えた3剤による治療を比べた。HER2が多い患者の全生存期間の中央値は、2剤の治療では11・8カ月だったが、3剤では16カ月と、生存期間が延びていた。
以前は、打つ手がなかったような人でも、生活の質を保ったまま過ごせる例も出ている。

■トラスツズマブはここ5年で、唯一、胃がんの生存期間を延ばした薬だ、という声も多い。

■この薬が効くタイプの胃がんか、治療前に判定できる。検査や手術でとったがん組織のHER2たんぱく量やたんぱくを作るもとになる遺伝子の量を調べる。
ただ、アレルギーのような症状や、息切れや脈が速くなるなどの副作用がある。
併用する抗がん剤の副作用に吐き気や腎機能の低下などがあり、腎臓病患者には使いにくい。

https://aspara.asahi.com/blog/mediblog/entry/HmLPSyu876

出典 朝日新聞 apital  2012.8.30
版権 朝日新聞社


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