みみずく医者の備忘録

名古屋市名東区の内科開業医です。日々の出来事や診察室でのエピソードなどを織り交ぜて綴ります。個人的なメモ代わりです。

アトピー緩和物質の発見

2013-09-17 21:44:55 | アレルギー科
アトピー緩和の物質 京大チーム発見、治療薬開発に期待

■外部から体を守る皮膚表面のバリアー機能を高めることでアトピー性皮膚炎をやわらげる化合物を、京都大(皮膚科学)の研究者らが初めて発見した。

■ヒトの皮膚細胞で効果を確かめ、マウスに飲ませて症状を治すことにも成功した。
副作用の少ない新しい治療薬の開発につながると期待される。

■この化合物は、試薬として販売されているJTC801という有機化合物。
培養したヒトの皮膚細胞に加えると、皮膚表面で作られバリアー機能を支えるたんぱく質「フィラグリン」の量が約10倍に増えた。
 
■さらに、遺伝的にアトピー性皮膚炎になる特殊な家系のマウスに、発病する生後6週間ごろから、この化合物を体重1キロあたり30ミリグラムずつ毎日飲ませると、4週間で皮膚の症状がはっきりよくなった。
 
■患者の皮膚ではフィラグリンの量が通常の数分の1に減っていることが知られている。
バリアー機能を高める治療薬探しは世界中で競争になっている。



出典 朝日新聞・朝刊 2013.9.17
版権 朝日新聞社
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点鼻投与でアトピー改善

2013-09-02 06:21:22 | アレルギー科
ワクチン点鼻投与でアトピー改善 三重大、マウスで効果確認

三重大大学院医学系研究科の研究チームは、病原性の低いウイルスに免疫機能を調整する遺伝子を組み込んだワクチンを点鼻投与することでアトピー性皮膚炎の症状が改善することをマウスを使った実験で突き止めた。

■免疫が過剰反応して起こるアトピーは、免疫機能を抑えるステロイド剤を塗る治療が一般的だが、対症療法に近く、長期投与で色素沈着するなど副作用もある。

■チームによると、ワクチンを鼻の粘膜から取り込むこの方法は、ストレスや副作用が少なく、体質そのものの改善にもつながるという。

■人為的にアトピー性皮膚炎を発症させたマウスを用意。
免疫調整作用のある遺伝子を組み込んだワクチンを作製し、点鼻したところ、疾患部に注射で投与したマウスよりも症状の回復が見られたという。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG2501D_V20C13A8CR8000/

出典 日経新聞 Web刊 2013.8.25
版権 日経新聞社
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点鼻投与でアトピー改善

2013-09-02 06:21:22 | アレルギー科
ワクチン点鼻投与でアトピー改善 三重大、マウスで効果確認

三重大大学院医学系研究科の研究チームは、病原性の低いウイルスに免疫機能を調整する遺伝子を組み込んだワクチンを点鼻投与することでアトピー性皮膚炎の症状が改善することをマウスを使った実験で突き止めた。

■免疫が過剰反応して起こるアトピーは、免疫機能を抑えるステロイド剤を塗る治療が一般的だが、対症療法に近く、長期投与で色素沈着するなど副作用もある。

■チームによると、ワクチンを鼻の粘膜から取り込むこの方法は、ストレスや副作用が少なく、体質そのものの改善にもつながるという。

■人為的にアトピー性皮膚炎を発症させたマウスを用意。
免疫調整作用のある遺伝子を組み込んだワクチンを作製し、点鼻したところ、疾患部に注射で投与したマウスよりも症状の回復が見られたという。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG2501D_V20C13A8CR8000/

出典 日経新聞 Web刊 2013.8.25
版権 日経新聞社
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金属原因のアトピー性皮膚炎

2013-04-26 15:06:51 | アレルギー科
金属原因のアトピー性皮膚炎、血中細胞が関与 京大

京都大の椛島健治准教授らは、金属や漆が原因で起きるアトピー性皮膚炎に、血中の細胞が関与していることを、遺伝子操作したマウスを使った実験で解明した。
現状では難しい根本治療に道を開く成果としている。

■アトピー性皮膚炎は皮膚の表面で異物の侵入を防ぐ働きが低下したり、免疫の機能に異常が起きたりして発症する。
免疫機能に異常を起こす原因には金属のほか、ダニやほこりがある。
今回解明したタイプは、数百万人いるとされるアトピー性皮膚炎の患者のうち2割程度を占める。

■研究グループは、血中に含まれ免疫に関係する「好塩基球」という細胞に注目。
遺伝子操作で好塩基球が血中にないマウスをつくり、アトピー性皮膚炎を発症するよう化学物質を耳に塗って観察した。

■その結果、通常よりも皮膚の炎症が小さくなり、好塩基球が病気の原因だと結論づけた。
好塩基球の働きを抑えれば、病気の発症が避けられる可能性があるという。



<私的コメント>
一般的に、アレルギーには好酸球が関与しています。
「好塩基球が関与」ということが目新しい点なのでしょうか。

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お好み焼き粉にダニ繁殖

2013-04-24 00:58:14 | アレルギー科
お好み焼き粉、ダニ繁殖注意 開封後の常温長期保存で

家庭で調理したお好み焼きを食べて起こるアレルギー症状は、ほとんどの原因がダニ――。
こんな報告が相次いでいる。
開封後に粉を常温で長期間保管すると、ダニが侵入し、大量発生するおそれがあるという。
小麦アレルギーと誤診される場合もある。
一方、低温状態ではほとんど増えないため、製粉会社などは、粉はできるだけ使い切るか、密閉して冷蔵庫に保管するよう注意を呼びかけている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130423-00000010-asahi-sci

朝日新聞デジタル 2013.4.23



<私的コメント>
お好み焼き粉を使った料理でアレルギーが起これば小麦アレルギーを疑いがちです。
そういった方の中にはダニが原因の場合もあるという教訓です。
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今年の花粉、終了は5月中旬

2013-04-18 22:43:32 | アレルギー科
今年の花粉、昨年より1週間程度早いペース 終了は5月中旬

気象情報会社「ウェザーニューズ」(東京)は、今春のスギ・ヒノキ花粉について、「全国平均で昨年より8日程度早く5月半ばまでに飛散が終わる」との予想をまとめた。
東・西日本は昨年より1週間から10日程度速いペースで飛散しているという。

予想によると、飛散が終わる時期は
▽九州は4月30日▽四国は5月1~5日
▽中国地方は同5日▽近畿、東海は同5~10日
▽関東甲信、北陸は同10日
▽東北は同10~15日
ごろとみられる。
北海道のシラカバ花粉は4月27日ごろに飛散が始まり、6月20日ごろ終わる見込み。

今春、3月末までに同社が観測した飛散量は全国的に昨年より多く、福島県約6・2倍、山梨県約6・1倍のように東日本や東北で多い県が目立った。

出典  日経新聞・朝刊 2013.4.18
版権  日経新聞社



<関連サイト>
「花粉症の人は恋をする」:そのメカニズムを解明
http://wired.jp/2013/04/01/season-of-love-april-fool-2013/



<私的コメント>
やっとスギ・ヒノキ花粉が幕引きとなりそうです。
安心するのも束の間。
これからは秋の終わりまでの長い長いイネ花粉が待ち構えています。
この花粉症は地球温暖化で欧米で増加傾向にあるそうです。
実はこれらの国では日本と同じように国民の約20%が花粉症なのです。
ついでながら米国では花粉症の最も大きな原因はキク科のブタクサ。
夏の終わりから初秋にかけてが花粉のピークだそうです。


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食物アレルギー 「食べて治す」は注意

2013-02-18 15:37:36 | アレルギー科
食物アレルギー 「食べて治す」は注意

食物アレルギーの原因となる食物を食べて治す「経口免疫療法」と呼ばれる治療法を受けても、治ったと言える患者は1~5割程度にとどまり、重い副作用を経験する例も多いことが、厚生労働省の研究でわかった。
研究班は診療指針を改定し、「現時点で一般診療として推奨しない」とした。

治癒1~5割、副作用も、厚労省研究班「推奨せず」
■摂取量を増やしながら症状が出ないようにする治療法は研究段階だが、研究班の調査では49施設が実施、1千人以上が受けていた。
 
■研究班は、卵や牛乳、小麦を摂取すると、じんましんや呼吸困難など複数の症状が出る子ども179人を治療した国立病院機構相模原病院の事例を分析。
原因となる食物の目標量(鶏卵1個、牛乳200ミリリットル、うどん200gを3ヵ月間取り続けても、アレルギー症状が出なかった患者に対し、2週間休止した後、食物をもう一度摂取して症状が出ないかどうかを確認した。
 
■治療開始後1年の時点で、7~8割の患者は食べ続けている間は症状が出ない状態に持ち込めたが、休止期間後も症状が出ず「治った」と診断されたのは、卵で38%、牛乳で10%、小麦で50%。
3~5割が重い副作用を経験した。
主任研究者は「この治療法への期待は高いが、全員が治るわけではない。副作用は重く慎重に行なう必要がある」と話す。

出典  朝日新聞 2012.1.24
版権  朝日新聞社
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