あの耳キーンが要注意 急増!謎の耳づまり病
謎の耳づまり病」=耳管開放症
耳がつまった感じ(水が入った感じ)がするが、実際には何もつまっていない。
悪化すると「自分の声が大きく耳に響く」「呼吸音が聞こえる」などのつらい症状になる。
軽症の人を含めると推定患者数は600万人。
およそ20人に1人の割合。
耳の“気圧の調節係”=「耳管」
「耳管」は、鼓膜の内側(中耳)と、鼻の奥をつなぐ、長さ3.5センチほどの細い管。
普段は閉じており、つばをのんだり、あくびをしたりすると一時的に開き、気圧を調整する。
「耳管」が開きっぱなしになると、「耳管開放症」の症状が出る。
耳管開放症の原因
急激な体重減少で発症することが多い。
無理なダイエットは要注意。
このほか、ホルモンバランスや、脱水症状、血行不良なども原因になりうる。
ちょっとしたきっかけで、誰もが発症する可能性のある病気である。
耳管開放症の人は絶対にやってはいけない「鼻すすり」
耳管が開いている時に鼻をすすると、耳管を閉じることができるが、絶対にやってはいけない。
鼻すすりを長期間続けると、「巨大耳あか」が発生(真珠腫性中耳炎)し、聴力を完全に失ったり、耳あかが脳に達して命にかかわるケースもある。
「鼻をつまんで息を吸う」のも「鼻すすり」と同じ結果になるため、やってはいけない。
※健康な人が鼻すすりをしても「巨大耳あか」(真珠腫性中耳炎)にはならない。
症状改善法 「血行改善」「水分補給」「リラックス」
頭を下げる、ネクタイをやや強めにしめるなどで、耳管の周囲の血流を増やすと症状が良くなる。
病院での治療は、主に対症療法が行われている。
根本的な治療として、手術も研究中。
診断が難しい「耳管開放症」
耳管は、1日中開いているわけではなく、閉じたり開いたりを繰り返すことが多い。
閉じている時に病院に行っても診断が難しい。
「異常なし」と言われることも多い。
症状が出ているときに、「自己チェック」をしておくと、診断がスムーズになる。
「耳管開放症」 自己チェック法
次の1、2が両方当てはまる場合耳管開放症の可能性が高いといえます。
1. 耳がつまった感じがする
(水が入った感じ、膜がはった感じ、ボワーンとした感じなど)
2. 「深くおじぎをする」「しばらく横になる」など頭を下げた姿勢で1の症状がなくなる。
※別の病気が原因で耳づまりを感じる場合もあります。
http://www9.nhk.or.jp/gatten/archives/P20120912.html
出典 NHK総合テレビ「ためしてガッテン」2012.9.12
版権 日本放送協会
<私的コメント>
耳管開放症:
一般的には鼻の奥の耳管開口部(耳管咽頭孔)の処置で耳管を収縮させたり、ルゴールなどの通気度を下げる薬を耳管に注入します。
症状が強い場合には、鼓膜の振動を押さえるためのテープを鼓膜に張る鼓膜テーピングも行います。
加味帰脾湯という漢方薬が有効な場合もあります。
コラーゲン組織や自分の脂肪組織を注入して耳管咽頭孔を収縮させる手術や、耳管を鼓膜側(耳管鼓室孔)から塞ぐ耳管ピンという器具の挿入治療も試みられています。
逆に「耳管狭窄症」という病気もありますが、意外と「耳管開放症」との鑑別(診断による区別)が難しいのです。
耳管狭窄症では軽度難聴、滲出性中耳炎を起こすことがありますが、耳管開放症では自分の声が響いて聞こえたり、自分の呼吸音(ゴーゴー)に悩まされたりするのが特徴といわれています。
診断
耳管狭窄症;
ティンパノメトリーという検査や耳管通気で実際に狭窄を確認することが出来る。
耳管開放症;
体重の急減の有無や、体位で症状が変化するか(横に寝ると症状は軽快)、鼻すすりで一時的に軽快するか。
鼓膜が呼吸によって動揺するのを確認する(確定診断)。
ティンパノメトリー:鼓膜の響きと中耳内の空気圧を測定する検査
A型:圧0付近でなだらかな山型を示す正常な状態
C型:圧 -50以下 耳管狭窄 特に-200以下では陰圧が強く、滲出液のしみ
出しやすい状態
B型:山型の波形が出来す鼓膜の響かない状態で、多くはうみが充満
参考サイト
耳管狭窄症、耳管開放症 - goo ヘルスケア
http://health.goo.ne.jp/medical/search/10B30600.html
耳管狭窄症 耳管開放症
http://home.e-catv.ne.jp/jibika/naze14.htm