岐阜県N市民病院昨年7月に、検査で左乳房の悪性のしこりが疑われた県内の女性=当時50代=に、針で細胞の一部を取り出す検査をし、乳がんと診断。
8月に左乳房の全摘手術をしたが、切除した病理組織の検査で、乳がんではなく乳房の中にある外分泌腺の良性腫瘍と判明。
病理医の誤診を認めた。
以上 中日新聞・朝刊2013.820から抜粋
<私的コメント>
他紙によると、乳房エコー(超音波)とMRI検査で悪性腫瘍の疑いが出たため針生検を施行。
病理医(68)が悪性腫瘍と病理診断を行い2か月後に手術。
しかし、術後の摘出標本の検査では乳管内乳頭腫(乳腺に出来る良性腫瘍)と判明したとのこと。
院長は記者会見で「1人だけの病理医の診断で手術が行われてしまった。ほかの医療施設に手を借りるなど複数の病理医の検査を行い、慎重にすべきだった」と謝罪したという。
しかし、現実に「複数の病理医の診断」などが出来るのだろうか。
今回の病理医も年齢から、非常勤の可能性があり病理医の不足が根底にあるのではないだろうか。
私も身内に「針生検による乳がんの誤診」の経験がある。
某がんセンターで「乳がん」と診断され、他の医療機関に病理標本を見ていただいて「良性」だったのだ。
そもそも「針生検」による病理診断には限界があるのだが、多くの臨床現場ではこの手順を踏んでおり、今後もどこでも起こりうる医療ミスだと思う。
当然、「悪性」を「良性」と誤診する逆のケースもありうる。
昔だったら闇から闇への事例だったかも知れない。
今回誤診を公表したことは一定の評価がいるかも知れない。
今後、この病院がどういった改革に取り組むかを注目していきたい。
'''<参考>'''
動画で学ぶコアニードル生検
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/cancernavi/report/201209/526452.html
細胞診と針生検
http://hidechin-breastlifecare.blogspot.jp/2009/09/blog-post_19.html
生検: 乳がんの基礎知識
http://www.sutaa.net/nyugan/0003/0306/3601/24.php
穿刺吸引細胞診や針生検はどのようなときに必要な検査ですか
http://jbcsfpguideline.jp/category2/009.html
マンモトーム生検体験記 | 乳がん検診info
http://www.devicormedicaljapan.jp/mmt/voice/exp.html
乳がん精密検査・細胞診・組織診 | 乳がん検診info
http://www.devicormedicaljapan.jp/mmt/exam/kensa.html
乳癌の初期治療|生検の実際|Cancer Therapy.jp:コンセンサス癌治療
http://www.cancertherapy.jp/breast_initial/2010_spring/02.html