みみずく医者の備忘録

名古屋市名東区の内科開業医です。日々の出来事や診察室でのエピソードなどを織り交ぜて綴ります。個人的なメモ代わりです。

ディオバン事件

2013-08-27 07:02:51 | 循環器科
そのうち過去のことになってしまうから日経・朝刊(2013.8.26)の記事を転載しておきたい。

大学名、対象患者数、ノ社からの奨学寄付金 (データ操作の有無)

京都府立大学  3031人、3億8170万円 (論文の一部の解析用データを操作)
東京慈恵医大  3081人、1億8770万円 (一部の血圧データを操作)
千葉大     1021人、2億4600万円 (調査中。一部の血圧データがカルテと相違)
滋賀医大     150人、  6550万円 (調査中。データ処理でミス確認)
名古屋大 1150人、2億5200万円(調査中)
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コーヒーを毎日平均して4杯以上飲み続けると早死

2013-08-26 06:25:25 | 喫煙
メイヨー・クリニックの論文誌Mayo Clinic Proceedingsによると、55歳以下で毎日4杯以上のコーヒーを飲んでいる人は、早死にするリスクが高いという。

55歳以下の人で毎週28杯以上(毎日4杯以上)コーヒーを飲んでいる人は、早死にする確率が高いという。

あまり飲まない人に比べて、女性は約2倍、男性は56%多く亡くなっている。

これまで、コーヒー業界関係者やコーヒー愛飲者の要望に応えてか、コーヒーを飲めば糖尿病、肝臓病、さらには癌にもなりにくいと、元気づけるレポートが多かった。




参考サイト
http://blogos.com/article/68333/



私的コメント
WHOの国際がん研究機関は1991年、膀胱がんについてコーヒーを「発がん性の可能性がある」物質に分類。
一方でNIHなどは昨年、50~71歳の男女40万人対象の疫学調査で、コーヒーを1日3杯以上飲む人の死亡率が1割ほど低いとの結果を発表している。
コーヒーに含まれる抗酸化物質が健康にいいとする研究もある。
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英語学ぶと右脳が大きくなる 

2013-08-22 07:22:07 | その他
英語学ぶと右脳が大きく やめてしまうと…  国立精神・神経センターなどが解明

英語を学ぶと脳の右前頭葉の容積が増えることを国立精神・神経医療研究センターの花川隆部長と国際電気通信基礎技術研究所(ATR)の細田千尋研究員らが突きとめた。
英語学習によって脳が変化することを裏付ける成果だという。

■言語習得のメカニズムの解明や失語症のリハビリなどに役立つ可能性がある。

■日本人の大学生24人に4カ月間、英語学習プログラムを受けてもらい、前後で脳がどのように変化するのかを、磁気共鳴画像装置(MRI)を使って比較した。

■プログラムを受けた人は受けていない人に比べ、右前頭葉の一部の容積が平均約6%増えた。
ただ学習をやめると、1年後には容積がほぼ元に戻った。別の137人の脳を調べたところ、
英語力の高い人ほど、右前頭葉の容積が大きいこともわかった。

■従来、言語能力は主に左脳がかかわっており、右脳の関与は低いとされていた。

出典 日経新聞・夕刊 2012.8.21
版権 日経新聞社



<私的コメント>
だからどうなの
右脳が発達する本人や他人にどんないいことがあるの?
そんなことは常識なのかなあ。
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バックビルディング現象

2013-08-21 21:29:49 | その他
次々と積乱雲が発生する現象。

湿った風が上昇気流に乗ると積乱雲が発生する。
通常、積乱雲は雨を降らせると消えるが、風上側の同じ場所で次々と積乱雲が発生して風に流されると、積乱雲が1列に並び、風下では雨が降り続ける。
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自家膵島移植

2013-08-21 20:36:35 | 消化器科
「自家膵島移植」に成功 遺伝性膵炎で…阪大

希少な難病「遺伝性膵炎」の患者から膵臓を摘出し、インスリンを分泌する膵島だけを分離して患者の体内に戻す「自家膵島移植」に成功したと、大阪大病院(大阪府吹田市)の伊藤寿記・消化器外科兼任教授らのチームが発表した。
手術は0歳代の女性患者に実施、経過は良好という。

■遺伝性膵炎は、遺伝子の異常が原因で、脂肪などを消化する膵液の働きが強くなり過ぎて膵炎を繰り返し発症、激しい腹痛を引き起こす。
家族内で遺伝し、国内で数家系、計数十人の患者がいるという。

■患者女性は5歳の時から腹痛に悩み、膵臓の一部を摘出する手術や投薬を受けてきたが改善せず、食事ができないため静脈に栄養液を注入していた。

■手術では、膵炎の再発を防ぐため、女性の膵臓全体を摘出。
そのままでは、インスリンの分泌ができず、糖尿病のように血糖値が乱れるため、特殊な薬剤で膵臓中に散在する膵島だけを分離し、肝臓につながる血管に膵島を注入した。
その結果、膵島は肝臓内の細い血管に定着し、インスリンを分泌し始めた。
自家膵島移植の実施例は国内で数例しかなく、遺伝性膵炎に対する治療は初めてという。


膵島 
膵臓の中にあり、血糖値を下げるホルモン「インスリン」を分泌する細胞の塊。
直径0・3ミリ・メートルの球状で、通常は膵臓全体に100万個程度が散在する。
ランゲルハンス島とも呼ばれる。

出典 読売新聞 2013.8.21
版権 読売新聞社


<私的コメント>
この記事からは手技の難しさがよく伝わって来ない。

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バックビルディング現象

2013-08-21 06:54:48 | インポート
次々と積乱雲が発生する現象。

湿った風が上昇気流に乗ると積乱雲が発生する。
通常、積乱雲は雨を降らせると消えるが、風上側の同じ場所で次々と積乱雲が発生して風に流されると、積乱雲が1列に並び、風下では雨が降り続ける。




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針生検による乳がんの誤診

2013-08-20 07:04:18 | がん
岐阜県N市民病院昨年7月に、検査で左乳房の悪性のしこりが疑われた県内の女性=当時50代=に、針で細胞の一部を取り出す検査をし、乳がんと診断。
8月に左乳房の全摘手術をしたが、切除した病理組織の検査で、乳がんではなく乳房の中にある外分泌腺の良性腫瘍と判明。
病理医の誤診を認めた。
 以上 中日新聞・朝刊2013.820から抜粋



<私的コメント>
他紙によると、乳房エコー(超音波)とMRI検査で悪性腫瘍の疑いが出たため針生検を施行。
病理医(68)が悪性腫瘍と病理診断を行い2か月後に手術。
しかし、術後の摘出標本の検査では乳管内乳頭腫(乳腺に出来る良性腫瘍)と判明したとのこと。

院長は記者会見で「1人だけの病理医の診断で手術が行われてしまった。ほかの医療施設に手を借りるなど複数の病理医の検査を行い、慎重にすべきだった」と謝罪したという。
しかし、現実に「複数の病理医の診断」などが出来るのだろうか。
今回の病理医も年齢から、非常勤の可能性があり病理医の不足が根底にあるのではないだろうか。

私も身内に「針生検による乳がんの誤診」の経験がある。
某がんセンターで「乳がん」と診断され、他の医療機関に病理標本を見ていただいて「良性」だったのだ。

そもそも「針生検」による病理診断には限界があるのだが、多くの臨床現場ではこの手順を踏んでおり、今後もどこでも起こりうる医療ミスだと思う。

当然、「悪性」を「良性」と誤診する逆のケースもありうる。

昔だったら闇から闇への事例だったかも知れない。
今回誤診を公表したことは一定の評価がいるかも知れない。

今後、この病院がどういった改革に取り組むかを注目していきたい。


'''<参考>'''
動画で学ぶコアニードル生検
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/cancernavi/report/201209/526452.html

細胞診と針生検
http://hidechin-breastlifecare.blogspot.jp/2009/09/blog-post_19.html

生検: 乳がんの基礎知識
http://www.sutaa.net/nyugan/0003/0306/3601/24.php

穿刺吸引細胞診や針生検はどのようなときに必要な検査ですか
http://jbcsfpguideline.jp/category2/009.html

マンモトーム生検体験記 | 乳がん検診info
http://www.devicormedicaljapan.jp/mmt/voice/exp.html

乳がん精密検査・細胞診・組織診 | 乳がん検診info
http://www.devicormedicaljapan.jp/mmt/exam/kensa.html

乳癌の初期治療|生検の実際|Cancer Therapy.jp:コンセンサス癌治療
http://www.cancertherapy.jp/breast_initial/2010_spring/02.html
コメント (1)
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胃がん検診、内視鏡推奨せず 厚労省 現場から異論も

2013-08-19 23:16:36 | 医療一般
胃がん検診で内視鏡(胃カメラ)を使うことが増えているが、8年ぶりに改訂される厚生労働省の指針で、これまで同様、バリウムを飲むX線検査が従来通り公費検診で推奨され、内視鏡は推奨されないことがわかった。
「死亡の減少が明らかでない」という理由だが、現場の医師から疑問の声も出ている。

■厚労省研究班(主任研究者=斎藤博・国立がん研究センター検診研究部長)が、2005年以降の医学論文の質を評価して指針の改訂作業をした。複数の論文で、内視鏡検査により胃がん死亡が減少する効果が示唆されたが、論文の対象人数が少ないなどとして、05年の指針と同様、科学的根拠が不十分と判断。
公費で行う検診としては「推奨しない」と結論づけた。
 
■X線検査では、バリウムをお年寄りが誤嚥する問題も起きている。
胃がん発見の精度は内視鏡の方が高いが、治療の必要がない早期がんを見つけてしまう可能性もあると指摘されている。
 
■指針案の公開フォーラムでは、消化器内科医らから「論文の評価が厳しすぎる」「内視鏡の方が精度が高い」などの声が出た。
同省研究班は「公費で実施する以上、科学的根拠が必要だ」と反論する一方、「科学的根拠はあと一歩だ」とした。
 
■胃がんは、新たにがんと診断される患者の中で最も多く、08年には約12万3千人に見つかったと推計されている。
死亡では肺がんに次いで2番目に多い。

'''<参考>'''
朝日新聞・朝刊 2013.8.19


'''<私的コメント>'''
「治療の必要がない早期がん」とは一体どのような早期がんd何でしょう
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チンパンジー:右脳使い顔認識

2013-08-18 11:35:31 | インポート
チンパンジー:右脳使い顔認識 「人間と同じ」京大霊長研
京都大霊長類研究所の足立幾磨助教(比較認知科学)の研究グループは、チンパンジー10+件が相手の顔を認識する際、人間と同様に右脳を使っていることを実験で確認したと発表した。
顔を認識する仕組みが人間と極めて近いことが分かり、顔の認識の進化過程を探る手がかりになるという。

■一般に、向かって左側半分で合成された写真の方が右半分のものより元の人物に近い印象を受ける。映像を認識する右脳には左側の視野の情報が先に入るため、左半分の情報が印象に残ることが原因と考えられている。

出典
http://mainichi.jp/select/news/20130814k0000e040191000c.html

<私的コメント>
これが国費を使って行った研究とも思ったが、それなりの意味があるんだ。多分。

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飼い主のあくび、犬にも伝染

2013-08-16 20:44:00 | インポート
飼い主のあくび、絆深いなら犬もつられ… 東大など研究
あくびをする人が、飼い主など犬と絆が強いと、伝染が起きやすいことが東京大などのグループの研究でわかった。

■犬は、ストレスを感じたときにあくびをする傾向があるとされるが、見知らぬ人のあくびを前にしても心拍数に変化はなかった。このことから、犬はストレスからあくびをしているのではなく、飼い主ら関係が深い人に「感情移入」してあくびをしている可能性があるという。

■チームの京都大野生動物研究センター研究員は「犬と人はほかの動物よりもお互いの感情を理解しやすく、コミュニケーションを取りやすい間柄なのかもしれない」と分析している。
今回の成果は、盲導犬や警察犬などの適性判断に役立つ可能性があるという。
 
■仲間同士のあくびの伝染は、チンパンジーやヒヒなどでも起きることが知られている。

出典
http://digital.asahi.com/articles/TKY201308140049.html?ref=comkiji_txt_end_kjid_TKY201308140049

<私的コメント> 東大と京大の共同研究のようです。
何じゃ、こんな研究と誰もが思いますが「盲導犬や警察犬などの適性判断に役立つ可能性がある」と言われると納得してしまいます。でも何だかなあ・・・

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人物 ラダ・ビノード・パール

2013-08-07 07:06:00 | インポート
日本では主に、極東国際軍事裁判(東京裁判)において判事を務め、被告人全員の無罪を主張した「意見書」(通称「パール判決書」で知られる。

パールは「裁判の方向性が予め決定づけられており、判決ありきの茶番劇である」との主旨でこの裁判そのものを批判し、被告の全員無罪を主張した。
“裁判憲章の平和に対する罪、人道に対する罪は事後法であり、国際法上、日本を有罪であるとする根拠自体が成立しない”という判断によるものである。

<参考>
http://ja.wikipedia.org/wiki/ラダ・ビノード・パール

http://www6.plala.or.jp/mwmw/kotoba.html

http://d.hatena.ne.jp/jjtaro_maru/20130219/1361200153

http://www.marino.ne.jp/~rendaico/daitoasenso/tainitisenryaku_kyokutosaiban_paaruhakase.htm

http://www.asahi-net.or.jp/~un3k-mn/0815-pal.htm

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製薬メーカーの資金提供

2013-08-02 13:03:41 | インポート
資金提供400億円 武田薬品、医療機関などに

■武田薬品工業は(2013年7月)31日、2012年度の医療機関や医療関係者に対する研究費や寄付金などの資金提供が合計約400億円だったと発表した。
 
■主な内訳は、臨床試験などの研究開発費が265億円、大学への寄付などの学術研究助成費が28億円、原稿執筆料などが15億円、講演会開催といった情報提供関連費が83億円だった。
 
■業界団体の日本製薬工業協会(東京)が資金提供の透明性を確保するために11年に作成したガイドラインに基づく情報公開。
7月から外資系を含む会員企業が順次公開している。 

出典
共同通信社 2013.8.1

<私的コメント>
厚労省科研費の総額が年間400~500億円。
これは医学以外の研究費も当然含む総額。
武田製薬(400億)とノバルティス(236億)の2社が提供した資金の合計だけでそれをはるかに上回る。
如何に国からの研究費が少ないか」が浮き彫りにされる。
「産官学連携の推進」が国策になっているわけだから、あながちこういった資金提供が悪いわけではない。


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