みみずく医者の備忘録

名古屋市名東区の内科開業医です。日々の出来事や診察室でのエピソードなどを織り交ぜて綴ります。個人的なメモ代わりです。

ワクチンが「効く」とはどういうことか

2023-01-16 07:33:26 | COVID-19
<ワクチンが「効く」とはどういうことか ①>
新型コロナの場合のワクチン効果は主に、
①感染の予防
②重症化リスク・死亡リスクの低減
③他者への感染させやすさの防止
という3点に集約される。
(③は、①の達成で当然得られる)

<ワクチンが「効く」とはどういうことか ②>
①では中和抗体が特に重要になる。
抗体がウイルスの細胞への侵入をブロックし、感染の成立を妨げる。
液性免疫依存な属性ともいえる。mRNAワクチンの弱点は、この中和抗体の持続時間が短いことにある。(ブースター接種が必要)

<ワクチンが「効く」とはどういうことか ③>
一方②の「重症化リスク・死亡リスクの低減」は、主に細胞性免疫に依存する属性で、細胞内で感染が成立したウイルスを、感染細胞ごと細胞傷害性T細胞などで攻撃する。こちらもブースターが効果的だが、免疫の持続時間は長い。

<ワクチンが「効く」とはどういうことか ④>
このことが、新型コロナにおける感染者当たりの死亡者を減らした一番大きな理由だ(2番目は変異株による弱毒化)。しかし、オミクロン以降、感染者数が激増してしまったので、致死率の低下にもかかわらず死亡者数は増加した。

<ワクチンが「効く」とはどういうことか ⑤>
①〜③以外に「ワクチンによるlong COVIDの予防効果の有無」が挙げられる。
https://medical-tribune.co.jp/rensai/2023/0101548587/index.html
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