みみずく医者の備忘録

名古屋市名東区の内科開業医です。日々の出来事や診察室でのエピソードなどを織り交ぜて綴ります。個人的なメモ代わりです。

新たながん治療 「エクソソーム」を利用

2023-11-03 07:01:25 | がん
奥深くのがん、治療難しく 細胞間の「宅配網」に活路 薬、隅々に行き渡る
人体には、飲食店から料理を取り寄せる宅配網のようなしくみがある。配達員は注文に応じて細
胞から細胞へ生体物質を達ぶ。この配達員のかばんに治療薬を詰めたところ、体の奥深くのがんに効き目があった。治療が難しいがんを治せる可能性が出てきた。

このかばんを「エクソソーム」という。直径100ナノ(ナノは10億分の1)メートル程度の微小なカプセルで、血液1ミリリットル中に約50億〜100億個ある。体の中のあらゆる細胞が放出し、料理の代わりに蛋白質や「マイクロRNA(リボ核酸)」と呼ぶ物質を運ぶ。この方法で、ウイルスに感染した際に仲間の細胞に免疫反応
を呼びかけるなどしている。

大阪大学では、約1割の卵巣がん患者で働いている遺伝子を抑え核酸医薬をエクソソームに詰め込んだ。卵巣がんを再現したマウスのおなかに入れると、30分後にはがん細胞が取り込み、正常な細胞には届かなかった。
 
エクソソームは血液に乗ってがん細胞に向かう。到着すると静かに薬を取り出す。薬が確実に効けば、がん細胞を内部から壊せる。
 
実験では、同じような方法で毎週2回のペースで3〜5週間投与したところ、マウス5匹でがん
が大幅に小さくなったという。

(コメント;「マウス5匹」といわれても何匹中の数字なのかを示さないと学術記事とはいえません)
 
卵巣がんは早い段階では自覚症状が少なく、気づかないうちに症状が進む。年間約1万3千人の
患者が見つかる。手術や化学療法もあるが、半数以上で再発してしまう。
 
遺伝子を狙って「がん」を治す核酸医薬は有効だが、血液中で分解しやすく、がん細胞までうまく届ける技術が必要だった。
 
これまでも、薬物を効率よく送り込む研究がなかったわけではない。
 
脂質の膜からできた「リポソーム」というカプセルや、「ミセル」と呼ぶナノ粒子がつくられ
てきた。ただ、人工の粒子は毒性を持っていたり、細胞にうまく取り込まれない懸念がある。
 
生体のエクソソームを使えば、壁を乗り越える可能性がある。細胞同士が情報をやり取りするし
くみに便乗しており、がん細胞に見破られにくい利点がある。
 
エクソソームは、免疫拒絶反応が起こりにくい。このため、ほかの種類のがんにも、薬を確実
に届ける足がかりとなると期待している。
 
東京医科大学では牛乳が含む工クソソームを研究する。牛乳は手に入りやすく、量産もしやすい。牛乳由来のエクソソームのカプセルに抗がん作用のある核酸医薬を詰める実験にも成功した。
マウスの体に入れて、毒性やアレルギー反応などの安全性も確認した。国内の企業と連携して免
疫細胞を活性化させる薬を配達するエクソソームの開発を進めている。 

1980年代ごろから着目され始めたエクソソームは、当初は細胞の老廃物を外へ運び出すゴミ袋と思われていた。
 
2000年代に入り、細胞同士の情報伝達に欠かせない物質を含んで体内を行き交う様子が明らかになった。
 
海外でも治療に使う動きが出てきた。体内の宅配網を生かし、がんや感染症など多くの病気の治療につながると研究者らは期待する。     
(日経新聞・朝 2020.11.16)
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膵臓がん発症時に働く遺伝子を確認 新治療薬開発に光

2016-06-09 05:40:01 | がん
膵臓がん発症時に働く遺伝子を確認 新治療薬開発に光
膵臓がんができる時に働く遺伝子を慶応大と米カリフォルニア大サンディエゴ校のグループがマウスの実験で確認した。
この遺伝子の働きを止めると、がんの増殖を抑えられた。
難治がんの代表といわれる膵臓がんに対する新たな治療薬の開発につながる可能性がある。

慶応大学の岡野栄之教授(生理学)が1990年代に見つけた遺伝子「Musashi(ムサシ)」で、他の遺伝子の働きを調節し、幹細胞では、増殖する時に重要な役割を果たすことが知られている。
この遺伝子が過剰に働くと、脳腫瘍などの発がんにつながることが指摘されてきた。
 
グループは、膵臓がんでこの遺伝子が過剰に働いていることをマウスの実験で確認し、抗がん剤の耐性にかかわっていることも見いだした。
ヒトの膵臓がん細胞を移植したマウスで、この遺伝子の働きを止めると、がんの増殖を抑えられることも確認した。
 
Musashiを標的とした抗がん剤の開発が期待される。

出典
朝日新聞 2016.6.7
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尿1滴で早期がんを診断

2016-04-01 22:14:28 | がん
尿1滴で短時間・安価・高精度に早期がんを診断!
がんは長年の間、日本人の死因第1位であり、医療費や早期死亡による経済的影響は数兆円(世界では100兆円)にも上ります。
がんの対策には早期発見が最も有効であり、手軽に安価に高精度に早期がんを診断できる技術が期待されています。
生物科学部門の広津崇亮助教らの研究グループは、線虫が尿によって高精度にがんの有無を識別できることをつきとめました。
本研究成果は、米国オンライン科学誌PLOS ONEに掲載されました。
http://news.sci.kyushu-u.ac.jp/biol/線虫で100円がん検査/

優秀すぎる虫のお医者さん。尿一滴でがん発見率95%!しかも費用は数百円!
http://grapee.jp/33601

がんと匂いの研究について
http://www.jichi.ac.jp/openlab/newsletter/letter98.pdf

"線虫でがんを早期発見"は、第2のSTAP細胞騒動にならないか!?
http://healthpress.jp/2015/03/post-1662.html

がんを尿の匂いで早期発見 尿1滴で高い精度でがんを発見
http://tokuteikenshin-hokensidou.jp/news/2015/004161.php
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大腸がん抑える食品成分を解明 パパイアの種など

2015-01-08 07:33:41 | がん
■パパイアの種などに含まれる成分に、大腸がんの増殖を抑えるタンパク質の働きを高める機能があることを岡山大と鹿児島大のチームが突き止めた。

■大腸がんは大腸の細胞にタンパク質が過剰に蓄積することで、細胞を増殖させる遺伝子の働きが活発化し、がんの増殖が進む。
研究チームは、大腸がんの増殖を抑制する中心的な役割を担うタンパク質に注目。

■パパイアの種やキャベツ、クレソンの一部に含まれる食品成分「ベンジルイソチオシアネート(BITC)」を人の大腸がん細胞に加えると、がん抑制タンパク質が、がんを増やす、過剰蓄積したタンパク質に結合し、がん増殖遺伝子の働きを邪魔した。
その結果、がんの増殖も抑えられた。

■BITCはすりつぶすことで効果が出るが、大量に摂取すると体に悪影響が出るという。

■「自然界の成分から安全性の高い抗がん剤を開発できる可能性がある。作用は弱いかもしれないが、安心して使用できる薬になることが期待できる」と研究チームはコメント。

出典
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG20H85_Q4A221C1000000/
日経新聞 2014.12.20


<私的コメント>
「パパイアの種」は食べ物としては現実的ではありません。
キャベツなら実際食べれそうですが「大量に摂取すると体に悪影響」ということなので心にブレーキがかかってしまいます。
大腸がんにだけ有効としたらこれもちょっと・・・。
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がん転移の仕組み解明

2014-04-22 22:18:29 | がん
がん転移の仕組み解明 京大、予防法開発に期待
■がんの転移は、さまざまな臓器の表面を覆う「上皮組織」で、隣り合う細胞同士の相互作用がうまく働かなくなると起こるとの研究結果を京都大などのチームが発表した。

■相互作用に関わっているとみられるのは、腎管から出るタンパク質「フィブロネクチン」で、細胞を下支えしている。

■高橋淑子京大教授は「このタンパク質を使い、副作用の少ないがんの転移予防法や治療法開発に役立つことが期待される」と話す。

■正常な上皮組織では、細胞は整然と並んでいるが、転移の初期段階では、刺激が加わると、上皮はもろくいびつな形になってバラバラになる。

http://www.47news.jp/CN/201404/CN2014042101002360.html




がん転移抑制の酵素確認 熊本大 新薬開発に期待
■熊本大大学院生命科学研究部(熊本市)の尾池雄一教授らの研究チームは、人体の細胞から分泌される特定の酵素にがんの転移を抑える効果があることを確認したと発表した。
尾池教授は「転移を防ぐ薬は少なく、新たな薬が開発できる可能性がある」と期待している。

■尾池教授らのこれまでの研究で、正常な細胞に比べ、がん細胞から多く分泌される「ANGPTL2」というタンパク質が、がん細胞の運動性を高め、転移を促進させる機能を持つことが分かっている。
http://www.47news.jp/CN/201401/CN2014012301001764.html



がんのもと、退治に成功 九州大、再発防ぐ可能性
■がん細胞を生み出すもとになるが、抗がん剤の効きにくい「がん幹細胞」を、薬が効くように変化させ死滅させることに九州大の中山敬一主幹教授(分子生物学)らのチームがマウスで成功した。
がんの再発を防ぐ、根本的な治療法開発につながる可能性があるという。

■がん幹細胞は、体内でほとんど増殖せず“休眠状態”で存在するとされる。
抗がん剤は、細胞が増えるのを抑える働きがあり、増殖しないがん幹細胞には効きにくい。
治療でがんが消えたように見えても、わずかながん幹細胞が残り、再発や転移につながる問題があった。
http://www.47news.jp/CN/201303/CN2013031801001888.html


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乳がん切らず電気使い治療

2014-04-21 06:12:52 | がん
京理科大学の牧野公子教授らの研究チームは、乳がんを切らずに治療する新手法を開発した。
乳腺にある腫瘍に、電気を流して薬剤の効果を高めて治療する。
動物実験で効果を確認した。

出典 日経新聞・朝刊 2014.3,4

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がんを防ぐための新12カ条

2014-02-18 15:23:19 | がん
がんを防ぐための新12カ条


1条  たばこを吸わない

2条  他人のたばこの煙をできるだけ避ける

3条  お酒はほどほどに

4条  バランスのとれた食生活を

5条  塩辛い食品は控えめに

6条  野菜や果物は豊富に

7条  適度に運動

8条  適切な体重維持

9条  ウイルスや細菌の感染予防と治療

10条 定期的ながん検診を

11条 身体の異常に気がついたら、すぐに受診を

12条 正しいがん情報でがんを知ることから

       (がん研究振興財団資料より)
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エクソソーム

2013-09-26 22:17:24 | がん
エクソソームは細胞から分泌された脂質二重膜で形成される直径40nm~100nm程度の小胞。
生体では唾液、血液、尿、羊水、悪性腹水等の体液中で観察され、培養細胞からも分泌される。
近年、エクソソームには様々なタンパク質やRNAが含まれている事が報告され、細胞間の情報を伝達する役割を担っている可能性が指摘されている。
また、がんの転移に重要な役割を果たしていることがわかり注目を集めている。


エクソソームは、癌細胞の「飛び道具」!
http://www.med.keio.ac.jp/gcoe-stemcell/treatise/2012/20130129_01.html

免疫ネットワーク
http://www.ifrec.osaka-u.ac.jp/jpn/laboratory/immunenetwork/outline.php

エクソソーム(画像)
http://www.google.co.jp/search?q=エクソソーム&sa=X&tbm=isch&tbo=u&source=univ&ei=ZjNEUoWyB8eVkwWc6YCoDg&ved=0CDUQsAQ&biw=1293&bih=808&dpr=1

癌転移に新たなタンパク質発見
http://www.medister.info/wordpress/newsblog/?p=1394
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G47Δ(G47デルタ)

2013-09-24 22:25:35 | がん
朝日新聞・朝刊2013.9.24に、「がんウイルス療法」の実用化に向けて研究と治療を続ける東大医科研・先端医療研究センタ-藤堂具紀教授(52)が紹介されていた。
遺伝子改変ウイルスによる治療法は、1990年代から世界で研究開発が進められているという。
G47Δは、米国で開発中のウイルスより効果が強く副作用はほとんどないとのこと。
早ければ3年後に製品化が出来るという。


G47Δ(G47デルタ)
https://sites.google.com/site/virustherapyofcancer/home/virus/g47delta

東大が再発した膠芽腫に対するウイルス療法の臨床試験を開始
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/search/cancer/news/200908/511867.html

がんのウイルス療法…がん細胞だけで増殖、破壊
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=81242
(読売新聞の一般読者が対象に新聞記事です。図が充実しています)

アンコール放送 ウイルスでがん消滅! - サイエンスZERO
http://www.nhk.or.jp/zero/contents/dsp312enc.html


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肺がん手術の切開部、ピンポイント投射

2013-09-20 21:11:32 | がん
肺がん手術の切開部、ピンポイント投射 高知大が技術開発

■切開位置をピンポイントで決め、画像を体に投射――。
肺がん手術の精度を向上できるこんな技術を高知大医学部(高知県南国市)が開発し、2013年9月19日に発表した。

■コンピューター断層撮影装置(CT)で把握した患者の病巣や骨などの場所から、最適な切開位置を割り出す仕組み。
患者の胸に小さな穴を開け、体への負担が少ない胸腔鏡手術と組み合わせ、既に30回実施したという。

■この技術は、CTで得た患者の体の断面図を使い、専用ソフトで作ったがん組織や骨の画像に切開位置の表示を加え、プロジェクター(投影機)により体に映し出す。

■胸腔鏡手術は、胸に開けた小さな穴から、カメラが付いた胸腔鏡や電気メスを入れる手法。

■これまで胸腔鏡手術で胸を切開する位置は、体を触り、肋骨との相対的な関係などから確認していた。
だが実際に切開すると、ずれが判明することもあった。
今回の技術なら誤差は3ミリ未満に抑えられるという。

 
出典 日経新聞 Web刊 2013.9.19
版権 日経新聞社
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針生検による乳がんの誤診

2013-08-20 07:04:18 | がん
岐阜県N市民病院昨年7月に、検査で左乳房の悪性のしこりが疑われた県内の女性=当時50代=に、針で細胞の一部を取り出す検査をし、乳がんと診断。
8月に左乳房の全摘手術をしたが、切除した病理組織の検査で、乳がんではなく乳房の中にある外分泌腺の良性腫瘍と判明。
病理医の誤診を認めた。
 以上 中日新聞・朝刊2013.820から抜粋



<私的コメント>
他紙によると、乳房エコー(超音波)とMRI検査で悪性腫瘍の疑いが出たため針生検を施行。
病理医(68)が悪性腫瘍と病理診断を行い2か月後に手術。
しかし、術後の摘出標本の検査では乳管内乳頭腫(乳腺に出来る良性腫瘍)と判明したとのこと。

院長は記者会見で「1人だけの病理医の診断で手術が行われてしまった。ほかの医療施設に手を借りるなど複数の病理医の検査を行い、慎重にすべきだった」と謝罪したという。
しかし、現実に「複数の病理医の診断」などが出来るのだろうか。
今回の病理医も年齢から、非常勤の可能性があり病理医の不足が根底にあるのではないだろうか。

私も身内に「針生検による乳がんの誤診」の経験がある。
某がんセンターで「乳がん」と診断され、他の医療機関に病理標本を見ていただいて「良性」だったのだ。

そもそも「針生検」による病理診断には限界があるのだが、多くの臨床現場ではこの手順を踏んでおり、今後もどこでも起こりうる医療ミスだと思う。

当然、「悪性」を「良性」と誤診する逆のケースもありうる。

昔だったら闇から闇への事例だったかも知れない。
今回誤診を公表したことは一定の評価がいるかも知れない。

今後、この病院がどういった改革に取り組むかを注目していきたい。


'''<参考>'''
動画で学ぶコアニードル生検
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/cancernavi/report/201209/526452.html

細胞診と針生検
http://hidechin-breastlifecare.blogspot.jp/2009/09/blog-post_19.html

生検: 乳がんの基礎知識
http://www.sutaa.net/nyugan/0003/0306/3601/24.php

穿刺吸引細胞診や針生検はどのようなときに必要な検査ですか
http://jbcsfpguideline.jp/category2/009.html

マンモトーム生検体験記 | 乳がん検診info
http://www.devicormedicaljapan.jp/mmt/voice/exp.html

乳がん精密検査・細胞診・組織診 | 乳がん検診info
http://www.devicormedicaljapan.jp/mmt/exam/kensa.html

乳癌の初期治療|生検の実際|Cancer Therapy.jp:コンセンサス癌治療
http://www.cancertherapy.jp/breast_initial/2010_spring/02.html
コメント (1)
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子宮頚がんワクチン

2013-05-15 21:54:01 | がん
「子宮頚がん」について
■年間約9800人の女性がかかり、約2700人が亡くなっている。
■30代が発病のピーク
■死亡者数は加齢とともに増加傾向

「子宮頚がんワクチン」について
■子宮頚がんを起こすウイルスは約15種類ある。
ワクチンが効くのはそのうちの2種類。(子宮頚がん全体の5~7割)
■副作用は1万人に1人程度。
注射の痛みや恐怖が原因とされる失神は他のワクチンより多い。
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がんを防ぐ物質

2013-05-01 00:49:01 | がん
がん防ぐ物質発見 マウスで効果、神戸大

多くのがんの発症に関与するたんぱく質「Ras」の働きを阻害する化合物を、神戸大大学院の片岡徹教授らのグループが発見した。化合物をマウスに投与し、がん増殖を抑えており、新たな抗がん剤開発につながると期待される。

■Rasを作り出す遺伝子が突然変異している場合、Rasは他のたんぱく質とくっつき、細胞をがん化させる信号を伝達するようになる。

■グループは、大型放射光施設SPring―8(兵庫県)でRasを解析し、2005年、表面に化合物が結合できるポケット構造を発見した。

■ポケットに結合する化合物があれば、他のたんぱく質とくっつくのを邪魔して信号伝達を阻み、がん化を防げる。
コンピューターのシミュレーションや作用実験を進め、約4万の候補物質から3つを選び出し「Kobeファミリー化合物」と名付けた。

■ヒトの大腸がんを移植したマウスに化合物を投与すると、投与していない場合と比べ、がんの増殖が約5割抑えられた。

出典  日経新聞 Web刊 2013.4.30
版権  日経新聞社


<私的コメント>
「Ras」が、がん増殖のメカニズムのすべてではない限り、がん予防には自ずから限界があるようです。
しかし、がんの増殖が約5割抑制されるというのなら臨床応用が期待されます。
問題は、どのようながんに効果があるのか、またどのステージで有効なのかということではないでしょうか。


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がん患者の多くは、受診時は自覚症状なし

2013-03-06 00:58:05 | がん
がん患者の4割、受診時は自覚症状なし
病院でがんと診断された外来患者の約4割は、受診の時点で自覚症状がなかったことが、厚生労働省の調査で分かった。

■健康診断や人間ドックをきっかけに受診、がんが見つかったケースが多く、同省の担当者は「自主的に健康診断を受けることの重要性を示すデータ」としている。
同省がこうしたデータを公表するのは初。

■全国500病院を対象に平成23年10月に実施した「受療行動調査」の結果のうち、がん以外も含めた病名が分かる外来患者約3万1千人の回答を分析した。

■がんと診断された外来患者のうち41・5%が「自覚症状がなかった」と回答。
自覚症状がないのに受診した理由(複数回答)は「健康診断や人間ドックで(詳しい検査を受けるよう)指摘された」が最多。

■がんの部位別で自覚症状がなかった人の割合は、気管・気管支・肺がん54・9%、前立腺がん53・8%、胃がん49・9%、乳がん37・2%。

http://www.sankeibiz.jp/econome/news/130227/ecb1302271058000-n1.htm

出典 Sankei Biz
版権 産経新聞社


<私的コメント>
厚生労働省が「がん検診の有用性」を国民に啓蒙しようという意図が垣間見えます。
がん検診といっても部位によっては有用性の評価が定まっていません。
また完治可能な早期がんと治癒不能で徒に莫大な医療費のかかる、つまり治療効果対医療費の低い進行がんに分けた検討も必要です。

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がん死亡者、年760万人に WHOが警告

2013-02-09 00:03:47 | がん
■WHOは2月2日までに、世界中で新たながん患者は毎年1400万人に上り、死亡者は年間760万人との統計を発表した。
対策を強化しなければ、今後20年で新たな患者は倍増する恐れがあるという。
 
■WHOは「早期の発見、治療や生活習慣の改善により死亡例の3分の1は防げた可能性がある」としており、感染症だけではなく、慢性疾患の対策強化も呼び掛けている。

■がんの死亡例で一番多いのは肺がんで、うち8割は喫煙によるもの。
次いで多いのは女性の乳がん。
運動不足やアルコール飲料もがんの原因になり得るとしている。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG0106M_S3A200C1CR8000/


出典  日経新聞 Web刊 2013.2.2
版権  日経新聞社


<私的コメント>
私はこの「運動不足」と「アルコール」の2つの危険因子をしっかり持っています。
諸先生はいかがですか?
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