みみずく医者の備忘録

名古屋市名東区の内科開業医です。日々の出来事や診察室でのエピソードなどを織り交ぜて綴ります。個人的なメモ代わりです。

アルツハイマー病の早期発見法の開発

2013-03-29 07:28:28 | 医療一般
アルツハイマー病原因物質、血液から検出可能 島津の田中氏ら

島津製作所の田中耕一フェローの研究グループは、血液の中にわずかに含まれるアルツハイマー病の原因物質を検出する技術を開発した。
ノーベル化学賞を受けた質量分析技術を発展させ、ほかの成分があっても正確に見分ける。

■今後数年の研究で原因物質の量と発症の関係が明らかになれば、早期診断や新薬の効果を見極める有力な手立てとなる。治療研究が大きく前進する可能性が出てきた。

■認知能力を損なうアルツハイマー病の研究目的で血液を調べ、原因物質とされるたんぱく質「アミロイドベータ」の検出に成功した。
 
■アルツハイマー病は発症する10~15年前から脳にアミロイドベータが蓄積するという。
血液にもしみ出ていると考えられるが、ごく微量のために血液検査で詳細に測るのは事実上不可能だった。

■研究グループは特定のたんぱく質と結びつく微粒子を開発したほか、たんぱく質をふるい分ける質量分析技術の感度を高めた。
体内の膨大なたんぱく質から病気にかかわるたんぱく質を絞り込むのは、世界中からたった1人を探し出すくらい難しいといわれていた。

■現在、アミロイドベータを調べるには、がん診断に使う陽電子放射断層撮影装置(PET)を活用したり、背骨に注射をして脳髄液を採取(私的コメント;腰椎穿刺)したりする。
血液検査で簡単に分かれば、治療の手掛かりが見つかるとの期待が高まる。

出典  日経新聞 Web刊 2013.3.27
版権  日経新聞社


<私的コメント>
アルツハイマー病を簡単に早期に発見出来るようになる、というニュースです。
問題は費用と早期発見が、病気の進行を遅らせたり治癒させたり出来るかということです。
ノーベル賞受賞者が受賞後も地道に研究を続ける姿には深い感銘を覚えます。
山中伸弥先生も同様です。
さて、田中耕一先生がこういったツールを医学界にプレゼントしたわけですから、医学界に身を置く専門分野の先生方は一刻も早く情熱に答える必要があります。


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ネコは飼い主の声聞き分ける

2013-03-28 07:55:47 | その他
ネコは飼い主の声聞き分ける、東大研究グループ発表

ネコが飼い主の声を区別できることが科学的に証明された。

■知らない人に呼ばれても寝たふりをするネコ。
しかし、飼い主が呼ぶと・・・反応。

■これは東京大学の研究グループの実験で明らかになったもので、ネコに対し、知らない人間4人と飼い主が順に呼びかけたところ、知らない人間から次々に呼びかけられて反応しなくなったネコが、飼い主の呼びかけには再び頭や耳を動かすなど、はっきりした変化を示した。

■研究グループは、今後、自分の名前や飼い主の顔を見分けられるかなどについても実験したいとしている。

http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20130327-00000064-jnn-soci

出典 TBS系 2013.3.28


<私的コメント>
動画でみるニュースのアナウンサーの声は、まるで「天下の東大が国費(血税)を使ってこんな研究をしてんのか」と言っているみたいに聞こえます。
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ペースメーカー利用者はEV充電器に注意を

2013-03-25 14:55:33 | 循環器科
ペースメーカー利用者、EV充電器に注意 誤作動の恐れ

■電気自動車の充電器が出す電磁波が心臓ペースメーカーの作動を乱す恐れがあるとして、厚生労働省は、患者が充電器に近づかないことなどを医師向け説明書に記入するようペースメーカーの製造販売業者に指示した。
種類によっては、53センチまで近づくと、どうきやめまいが起きる恐れがあるという。

■電気自動車の充電器は、自宅で使う普通充電器と、高速道路のサービスエリアなどに設置され短時間で充電できる急速充電器がある。
業界団体の調べでは、急速充電器で53センチまで、普通充電器では12・5センチまで近づくと、電磁波の影響が出ることが確認された。

■厚労省は患者は
急速充電器は使用せず、
設置場所にもできる限り近づかない、
普通充電器は密着して使わない、
ことを説明書に記入するよう指示。

■心臓ペースメーカーの体内埋め込み数は、新規・交換あわせて年間約6万件。
急速充電器は2013年2月現在、全国1672カ所に設置されている。

http://www.asahi.com/national/update/0321/TKY201303210291.html
出典 朝日新聞・朝刊 2013.3.22
版権 朝日新聞社


<私的コメント>
愛知万博の際のリニアモーターカー(リニア)の際にも少し問題となりました。
今後開通が予想されるリニア新幹線(品川・名古屋間)はどうなんでしょうか。




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脂肪幹細胞による乳房再生

2013-03-22 07:50:42 | 医療一般
脂肪幹細胞:移植で乳房再生、5人が成功 鳥取大病院

■脂肪の組織になる能力がある「脂肪幹細胞」を本人の体から採り、乳がんの手術で乳房を部分的に切除した部位に移植し、乳房を再生する臨床研究を鳥取大病院が5人に実施し、成功した。
 
■鳥取大病院によると、移植手術は昨年9月~ことし1月、30~60代の女性に実施した。

■乳がんで、乳房をできるだけ残す温存手術を受けてから1年以上経過し、がんの再発や転移がない人が対象。

http://mainichi.jp/select/news/20130322k0000m040053000c.html

出典  毎日jp 2013.3.21
版権  毎日新聞社




<私的コメント>
iPSが話題になっていますがEPS領域でも地道な研究が行われているようです。
脂肪幹細胞による乳房再生は豊胸術ですでに応用されているようですが「乳房再生・再建」とは意味が違うのでしょうか。

セリューション豊胸術(脂肪組織由来幹細胞移植)
http://www.saisei-iryou.com/cell/
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50~60歳「ずっと健康」5割 

2013-03-16 00:06:19 | 医療一般
50~60歳「ずっと健康」5割 厚労省調査、運動や食事に関心

団塊の世代を含む56~65歳のうち、2005年から「ずっと健康状態が良い」と答えたのは5割超だったことが厚生労働省の「中高年者縦断調査」で分かった。
この6年間で健康状態が悪くなったと答えた人と比べて、健康維持のために運動や食事に関心の高い人の割合が高かった。
厚労省は「より多くのことを心がけている人が健康を保っている」とみている。

■調査は健康状態や就業状況などを聞き取り、05年11月に50~59歳を対象に初めて実施。
毎年同じ人を追跡調査している。今回は7回目で11年11月、56~65歳となった約2万3千人の回答を集計した。

■初回調査からの健康状態を尋ねたところ、「ずっと良い」と回答した人は55.6%。
「『良い』から『悪い』に変化」が5.9%、「『悪い』から『良い』に変化」が4.2%だった。

■「ずっと良い」と答えた人が健康維持のために心がけていること(複数回答)は「適度な運動をする」が19.0%で最も高く、「食事の量に注意する」(17.8%)、「バランスを考え多様な食品を取る」(17.2%)が続き、運動や食事に気を配る人が目立った。

■一方、「『良い』から『悪い』に変化」した人のうち、「適度な運動をする」と答えた人は10.7%、「食事の量に注意する」が13.7%で、「ずっと良い」よりも8.3ポイント、4.1ポイントそれぞれ低かった。

出典  日経新聞 Web刊 2013.3.15
版権  日経新聞社


<私的コメント>
こんな調査を血税を使って厚労省がする必要があるのでしょうか。
まず「健康」の定義があいまいです。
健康志向というのなら分かります。
健康状態を本人に答えさせることの問題点を指摘しておきたいと思います。
人間ドックや住民健診を受けているかいないかも分かりません。
「健康」と言っている人に、実は「がん」が潜んでいるということはいくらでもあることです。

予算がついたからやったみました、というやっつけ仕事ではないでしょうか。
「仕事を自分で作る」というのが役人の習性です。

国立大学法人の研究業績については文科省が厳しい評価をしています。
一方、こういった省庁自体の業績(?)を評価する機関はないのでしょうか?


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本当に「がん」で死ぬのがいいのか?

2013-03-15 00:56:30 | 医療一般
「例の」近藤誠氏が共著で上梓した「どうせ死ぬなら『がん』がいい」という出版物の新聞広告が目に入った。
(宝島社新書 定価770円)
こういった言い切り方はちょっとカチンと来る。
「かも知れない」なら許せるが余りにも大上段に構えた上目線のもの言いだ。
サブタイトルは「『治療をする選択』は、必ずしも正解ではありません」。これは正しい表現と思う。
以下
◎がんが痛むのではない。治療で痛む。
◎本物のがんと「がんもどき」
◎がんの9割に抗がん剤は無意味
◎胃を取っても治らないから”痛み損”
◎抗がん剤が「効く」とは、しこりが一時小さくなるだけ
◎手術は「人工的な大けが」。傷口が痛み、がんがはびこる
◎がんの9割は「末期発見・治療断念」「放置」がいちばん
◎本物のがんは、見つかった時点で転移している
と続く。

彼は某大学の定年間近の放射線科講師で内科医でも外科医でもない。
それだけにどちらにも偏らない理論の展開があって興味深い。
乳がんの温存療法の普及にも一定の業績を残している。
今回も購読したいと思う。

しかし、多くの問題を彼自身が持っている。

それは学界(学会)でこういった発表を一切しないことである。
そしていきなり一般の方に向けて語りかけている。
もし、こんれらの内容が間違っていたら彼はどういった責任を取るのだろう。
学界発表は一銭にもならない。
出版物には印税が入る。

さらに、裏付けの論文はあるのだろうがいわば自分の考えに都合のよいものを引用している可能性がある。
しかし、これはどの研究者にも大なり小なり当てはまることなので批判することは適切ではない。
放射線医師なら経験する患者に大きな偏りがあるはずである。
つまり末期がんであったり手術不能例であったり、もともと手術適応のない患者が放射線科に回って来ているだろう。
論文などのいわば机上の空論で語るのではなく自験例(自分が体験した実際の臨床経験)での話なら医師に対しても説得力があり洛陽の紙価を高めることと思う。

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4種ワクチン接種後に死亡 男児、他ワクチンも同時

2013-03-13 07:12:10 | 小児科
厚生労働省は11日、昨年11月に定期接種が始まった不活化ポリオ(小児まひ)、ジフテリア、百日ぜき、破傷風の4種混合ワクチンと他のワクチンの同時接種を受けた男児の死亡例が報告されたと明らかにした。
4種混合ワクチン接種後の死亡例としては初めて。
同省が詳しい経過など情報収集を進める。

■厚労省によると、死亡したのは生後6カ月未満の男児。
今月上旬に4種混合ワクチンと小児用肺炎球菌ワクチン、インフルエンザ菌b型ワクチン、ロタワクチンの同時接種を受けた後、死亡した。
医療機関から6日に報告があったという。

■4種混合ワクチンは従来のジフテリア、百日ぜき、破傷風の3種混合に不活化ポリオを加えたもので、標準で生後3カ月から1歳までに3回と、3回目の接種後1年~1年半の間にさらに1回追加接種する。

共同通信社 2013.3.12


<私的コメント>
当院では4種混合ワクチンもロタワクチンも接種の経験がありません。
予防接種で死亡したのでは悔やんでも悔やみ切れません。
今後の詳しい報道が待たれます。
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肝臓がん病巣の放射線治療開始

2013-03-13 01:09:08 | インポート
肝臓がん病巣の放射線治療開始 京大病院、世界初

京都大医学部付属病院(京都市左京区)は2013年3月11日、肝臓がんの患者を対象に、病巣だけを狙って放射線をピンポイントで照射する世界初の治療を始めたと発表した。
 
■京大や三菱重工業が共同開発した装置(Vero4DRT)を用いて、肝臓がんの男性患者へ同日までに計4回の照射を行った。
 
■呼吸などによって動く体内の病巣の位置を追尾して正確に狙うため、肝臓の正常な部分への照射量を従来法より16%少なくすることができるという。
 
■京大病院は同様の治療を肺がんの患者に行っている。
今回、肝臓がんの部位を捉えやすいタイプの部材(体内留置マーカー)にシステムを対応して治療対象を広げた。

出典 京都新聞 2013.3.12
版権 京都新聞社

<私的コメント>
タイトルだけでは何が世界初なのかよくわかりません。
内容を読んでもよくわからなかったのですが、どうやらピンポイント照射が世界初のようです。
そもそも肝臓がんは放射線感受性が良い、つまり効果が高いものなのでしょうか。



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メタンハイドレートの試験採取成功…愛知沖

2013-03-12 15:59:46 | インポート
経済産業省は平成25年3月12日、愛知県沖約80キロ・メートルの海底地層から天然ガスの一種「メタンハイドレート」の試験採取に成功したと発表した。

海底からのガス採取は世界で初めてという。
日本近海には、国内の天然ガス消費量の約100年分に当たるメタンハイドレートがあるとの推計もある。
政府は2018年度の商業化を目指しており、安定的な生産の道筋がつけば、豊富な国産エネルギーとして活用することが期待できる。

地球深部探査船「ちきゅう」が同日午前6時前、水深約1000メートルの海底までおろした掘削機を使って、固形状のメタンハイドレートを水と天然ガスに分解し、ガスを取り出して海上まで引き揚げる作業を開始。

2013031200000023asahi0009view


朝日新聞デジタル 3月12日(火)11時39分配信
渥美半島沖の海底にある「メタンハイドレート」から取り出したガスの炎=12日午前、JOGMEC提供

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130312-00000555-yom-bus_all

<私的コメント>
「ガスの産出を示す炎(フレア)!」
天然資源に乏しい日本にとっては久し振りの明るいニュース。
自国の天然資源がこういった形で産出することが石油産油国にも伝われば「言い値」で買わなくてもよくなる。
何よりも原発再稼働阻止にも弾みがつくのでは。



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動物性脂肪分、ほどほど摂取が低リスク 脳卒中と心筋梗塞

2013-03-12 00:07:59 | 循環器科
動物性脂肪分、ほどほど摂取が低リスク 脳卒中と心筋梗塞

肉や乳製品などの動物性脂肪分は多すぎても少なすぎても循環器疾患にはよくないという調査結果を、国立がん研究センターなどのチームがまとめ11日、発表した。
脳卒中と心筋梗塞のリスクを摂取量とともに調べ、「ほどほどに食べるのがよい」と結論付けた。
ほかの調査結果と合わせ、1日20グラム程度を取っている人が一番リスクが低いとみている。

45~74歳の男女約8万人を11年程度追跡調査し、動物性脂肪分に含まれる飽和脂肪酸の摂取量に応じて5グループに分けてリスクを調べた。

■脳卒中は、1日に食べる飽和脂肪酸の量が多いほど発症リスクが低く、最多のグループは最少グループよりもリスクが23%低かった。
一方、心筋梗塞の場合は多く食べるほど発症率が高まる傾向にあり、最多グループは最少グループに比べ39%高かった。

■日米などでの過去の調査と合わせて、1日20グラム程度の摂取が循環器系疾患のリスクを最も下げられるとみている。
牛乳を毎日コップ1杯200グラム、肉を2日に1回150グラムほど食べるような生活に相当するという。

■飽和脂肪酸は血管を強くするが、多すぎると血管を詰まらせる原因になると考えられている。
動脈硬化につながることから控えた方がいいという見方がある一方、無害で制限する必要がないという知見もある。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG1101N_R10C13A3CR0000/

出典  日経新聞 Web刊 2013.3.11
版権  日経新聞社



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「腹一杯食べる人はメタボになりやすい」

2013-03-11 23:49:58 | 生活習慣病
名古屋大医学部調査 「腹一杯食べる人はメタボになりやすい」

今や国民病となったメタボリック・シンドローム(以下メタボ)。
国民健康・栄養調査によると40歳から74歳の男性の2人に1人がメタボ、またはその予備群と考えられている。
 
■名古屋大学医学部の衛生学研究室では、1997年から愛知県の某自治体職員約1万人を5年間追跡調査し、新たにメタボと診断された男性1857人に対して食習慣とメタボの発症リスクの関連性を検討している。
「腹一杯食べる」男性に比べて「腹八分目に控えている」男性はメタボの発症リスクが約半分だった。
また、「脂っこいものが好きな」男性に比べて「あっさり系が好きな」男性も発症リスクが約半分。
 
■さらに、塩・しょうゆ・みそなど「濃い味付けを好む」男性に比べて、「薄味が好きな」男性はメタボの発症リスクが30%低く、「濃い味付けが好きだが控えている」男性は40%も発症リスクが低いことが分かった。

http://www.news-postseven.com/archives/20120223_89565.html

出典 週刊ポスト2012年3月2日号



<私的コメント>
以前に一つの論文を書くのにいくらかかっているかという記事を読んだことがある。
当然というか意外というか(金額は不確かだが確か)東大で1500万円くらいだった、と記憶している。
この記事に書かれている研究の内容には何ら目新しいことはないように思われる。
名古屋大学医学部から出されたこの論文。
はたして血税がどれだけ使われた結果なのだろうか(と思う)。
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インフルエンザをDHA成分が抑制

2013-03-09 07:42:19 | 医療一般
<インフルエンザ>DHA成分が抑制 重症者救命に期待

重症のインフルエンザで、魚油などに含まれるドコサヘキサエン酸(DHA)由来の脂質酸代謝物プロテクチンD1(PD1)がウイルス増殖を抑制することをマウス実験で解明したと、今井由美子・秋田大大学院医学系研究科教授と大阪大、東大の研究チームが発表した。
重症化したインフルに有効な治療薬の開発につながる可能性がある。

 
■タミフルなど既存の抗インフル薬は感染から48時間以内に投与しなければ効果がなく、重症者の救命は難しかった。
今井教授らによるマウス実験では、感染後48時間を過ぎても、PD1を既存薬(ペラミビル)と併用すれば生存率100%になった。
ペラミビルだけ投与したマウスの生存率は約25%だった。

■今井教授らは多数の脂質代謝物の中からインフルウイルスの増殖を抑える物質を特定し、PD1は従来の薬とは異なるメカニズムで増殖を抑えることも確認した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130308-00000010-mai-sctch
出典  毎日新聞  2013.2.3
版権  毎日新聞社



<参考>
ペラミビル
http://influenza.aozola.com/peramivir.html
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「悪夢の耐性菌」

2013-03-08 00:46:30 | 感染症
「悪夢の耐性菌」に米当局が警告、最も強い

抗生物質が効かない細菌「カルバペネム耐性腸内細菌(CRE)」の感染が広がっているとして、米疾病対策センター(CDC)が医療機関に対策を呼びかけている。
この細菌に感染すると、最大で半数が死に至るという。

■CREは過去10年で感染が広がり、強い抗生物質に対しても耐性を持つようになった。
2012年上半期だけで、約200の医療機関でCRE感染者が確認されたという。

■CDCの局長は、CREを「悪夢の細菌」と呼び、「最も強い抗生物質も効かず、感染に対する治療が不可能な状態に陥りかねない。『発見と予防』戦略を遂行し、感染の拡大を食い止めなければならない」と指摘した。

■手指衛生などの対策や、患者に対するCRE検査、感染者の隔離、外部との接触制限などの徹底を求めている。
ただ、米国の医療機関でCREはまだそれほど頻繁に見つかっているわけではなく、健康な人の間で感染が広がっている様子も見られない。

■米国では年間約170万人が院内感染し、9万9000人が死亡している。
CREに血流感染した患者の致死率は最大で50%に達し、似たような耐性菌の致死率約20%を大幅に上回る。

http://www.cnn.co.jp/usa/35029192.html?ref=yj



<追加>
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130307-00000431-wsj-int&pos=2  より
■犯人はenterobacteriaceae(腸内細菌科)として知られる細菌の一種で、消化器官に通常存在するが、ぼうこう、血液など本来存在していない器官に到達すると、感染症を引き起こす可能性がある。 

■カルバペネム系と呼ばれる強力な抗生物質(悪性感染症の治療の最終手段として使われることが多い)に耐性を持つ腸内細菌への感染の比率は、2011年時点で4.2%と10年前の1.2%から増えている。
それらの腸内細菌の中で最も厄介な部類とされるクレブシエラ(グラム陰性の桿菌)ではさらに顕著で、薬剤に耐性を持つ細菌の比率が10.4%と、10年前の1.6%を大きく上回っている。
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メタボ市販薬

2013-03-07 19:40:20 | その他
医療用医薬品から切り替えた「スイッチ薬」を活用し、メタボ予備軍を救い、医療費も抑制するという一石二鳥の作戦だったが、昨年末に承認された第1号は、医師会の反発で医師の診察なしには買えない異例の取り扱いに。今後の承認についてのルール作りも進んでおらず、生活習慣病薬の取り扱いは宙に浮いた形となっている。

■同省が昨年末、生活習慣病薬で初めてスイッチ薬として承認したのは、持田製薬の「エパデール」で、4月中旬から発売予定。
イワシに含まれるエイコサペンタエン酸(EPA)を精製した薬で、高脂血症や動脈硬化に効果があり、医療用医薬品としては昨年3月までの1年間で381億円を売り上げた。

■スイッチ薬は、花粉症や頭痛・生理痛など比較的軽い病気に対応する薬が多かったが、厚労省の専門家検討会は2002年、生活習慣病薬にも拡大する方針を決定。
よく効く薬を手軽に使えるようになれば、予備軍も含め国内に1400万人いるとされるメタボの人の健康管理に役立ち、医療費の抑制にもつながると考えたからだ。

■今回、初めて認められたものの、異例の「条件」が付いた。
通常のスイッチ薬は医師の診察なしで購入できるが、エパデールを買う際は、「医療機関を受診した方に限られます」と記されたチェックシートに、「診察で通院治療は不要と告げられた」「診断を受けた病院名」「診断日」などを記入させるというものだ。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130306-OYT1T00022.htm
出典 YOMIURI ONLINE yomi.Dr. 2013.3.6
版権 読売新聞社


<私的コメント>
諸外国ではリフィル(refill、詰め替える、補充する)処方せんが使用されています。
これは、一度医師が出した処方せんが、くり返して使える制度です。
患者さんは、このリフィル処方せんを一度薬局に預けると、その後は、薬局に電話で調剤を依頼し、後日受け取りに行きます。
薬局では、患者さんから依頼を受けると、主治医に電話で確認をとって処方薬を調剤します。
しかし、医療側からみれば結構心配な治療法です。

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がん患者の多くは、受診時は自覚症状なし

2013-03-06 00:58:05 | がん
がん患者の4割、受診時は自覚症状なし
病院でがんと診断された外来患者の約4割は、受診の時点で自覚症状がなかったことが、厚生労働省の調査で分かった。

■健康診断や人間ドックをきっかけに受診、がんが見つかったケースが多く、同省の担当者は「自主的に健康診断を受けることの重要性を示すデータ」としている。
同省がこうしたデータを公表するのは初。

■全国500病院を対象に平成23年10月に実施した「受療行動調査」の結果のうち、がん以外も含めた病名が分かる外来患者約3万1千人の回答を分析した。

■がんと診断された外来患者のうち41・5%が「自覚症状がなかった」と回答。
自覚症状がないのに受診した理由(複数回答)は「健康診断や人間ドックで(詳しい検査を受けるよう)指摘された」が最多。

■がんの部位別で自覚症状がなかった人の割合は、気管・気管支・肺がん54・9%、前立腺がん53・8%、胃がん49・9%、乳がん37・2%。

http://www.sankeibiz.jp/econome/news/130227/ecb1302271058000-n1.htm

出典 Sankei Biz
版権 産経新聞社


<私的コメント>
厚生労働省が「がん検診の有用性」を国民に啓蒙しようという意図が垣間見えます。
がん検診といっても部位によっては有用性の評価が定まっていません。
また完治可能な早期がんと治癒不能で徒に莫大な医療費のかかる、つまり治療効果対医療費の低い進行がんに分けた検討も必要です。

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