みみずく医者の備忘録

名古屋市名東区の内科開業医です。日々の出来事や診察室でのエピソードなどを織り交ぜて綴ります。個人的なメモ代わりです。

日本のクスリ、実はほぼ「中国製」だった

2024-07-25 21:49:34 | ツイッター
日本のクスリ、実はほぼ「中国製」だった…! 患者が知らない「ヤバすぎる実態」
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(2024.7.12)

「日本製」でも実は・・・
・日本のクスリも製造工程の上流へとたどっていけば、「中国製」と言える。慶應義塾大学名誉教授で、医療経済研究機構の副所長を務める印南一路氏が解説する。
「そもそもクスリを製造するには、原料となる化学物質が必要です。実はその大部分を製造しているのが、中国のメーカーなのです」

・「日本の製薬会社の医薬品だから安心」と考えている読者も多いかもしれないが、実は製薬会社は原料から直接クスリを作っているわけではない。クスリは「原料→中間体→原薬→医薬品」という4つのステップを経て、私たちの手元に届く。ほとんどのケースにおいて製薬会社が担っているのは、「原薬」から医薬品を作る最後の過程だけだ。

1から作っていない
・原薬とは、クスリのパッケージに記載されている有効成分のこと。たとえばよく使われる解熱鎮痛剤のロキソニンであれば、「ロキソプロフェンナトリウム水和物」が原薬にあたる。製薬会社はそこに添加剤などを加えて、カプセルや錠剤に加工して販売しているのだ。なお原薬を作る際には、原料となる化学物質をさまざまに反応させる必要があるが、1回反応させただけで効果の高い原薬ができるとは限らない。場合によっては原薬になるまで、10回以上も化学反応を繰り返す必要がある。その途中でできた化合物のことを「中間体」と呼ぶ。

・「日本の製薬会社で、原薬を1から自社で製造しているところは一社もありません。中国やインド、イタリア、韓国などのメーカーから購入したものを使って医薬品を製造しています」(印南氏、以下「 」内は同)

・仮に原薬の輸入元であるどこか一国との関係が悪化し輸入が断たれたとしても、別の国から調達することができるだろう。また厚生労働省も国内に原薬工場を作ったり備蓄を進めたりして、安定供給を目指している。

・日本政府もこの問題を認識し対応に努めているものの、打開するのは簡単ではない。それどころか、すでに中国の影響を受けて「クスリを作れなくなる事態」まで起こっている
(「週刊現代」2024年7月13日号より)


<コメント>
厚労省が薬価改定の都度、薬価を下げ続けてきました。この執拗なまでの薬価下げにより、当然のことながら製薬メーカーの体力低下を招きました。薬品の原料を安価に入手出来る海外に求めたのは当然の帰結ともいえます。
もう一つ深刻な問題があります。抗生剤や気管支拡張剤などの生命に関わる重要な薬品を、医療機関が入手出来ない状態が、ここ数年にわたって起きているのです(医療崩壊)。
さらには、同じ成分でも市販薬の場合には10倍もする場合(当然メーカーの利益も10倍)があり、医療機関にはなく薬局には山積みされているという奇異な現象さえ起きています。
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