みみずく医者の備忘録

名古屋市名東区の内科開業医です。日々の出来事や診察室でのエピソードなどを織り交ぜて綴ります。個人的なメモ代わりです。

心筋梗塞の合併症は高血糖で発症しやすい

2014-05-30 23:35:30 | 循環器科
心筋梗塞の合併症、高血糖で発症しやすく 循環器病センター
国立循環器病研究センターは2014年5月29日、急性の心筋梗塞を発症した際、血糖値が高いほど合併症である急性腎障害にかかる割合が高いという研究成果を発表した。
血糖値が最も高いグループは、最も低いグループに比べて合併症の発症頻度が4倍ほど高かった。
心筋梗塞を治療した後、患者が重症化するのを防ぐのに役立ちそうだ。

■心筋梗塞を起こすと糖尿病でないにもかかわらず高血糖になる人がいるため、血糖値の値を4グループに分けて、急性腎障害の発生頻度と比較した。
その結果、健常な人と同じ値の患者は発生率が7%だったが、血糖値が高まるにつれて発生率が高くなり、最も高いグループは28%だった。

■心筋梗塞の合併症で急性腎障害を起こすと、死亡率は8倍近く高まることも分かった。
合併症がない患者が入院中に死亡する割合は3%だったが、急性腎障害が出ると25%になった。

出典 日経新聞・朝刊 2014.5.30
版権 日経新聞社

<私的コメント>
高血糖=糖尿病ではありません。
心筋梗塞による胸痛などのストレスで一過性に血糖が上昇することがあるからです。
手術などで同様のことが起こることは有名な話です。
この過程にはカテコラミンの関与が考えられます。
今回の研究で糖尿病(つまり、入院前かた糖尿病の診断を受けていた場合)と非糖尿病を分けているかは記事を読んだかぎりでは分かりません。
従来の報告では心筋梗塞の重症度との関係が検討されることが多かったのですが、急性腎障害(AKI)に注目したところがユニークです。
しかし、心筋梗塞の合併症の合併症としての急性腎障害の合併頻度はあまり多いとは(少なくとも私には)思えません。

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ディオバン事件

2013-08-27 07:02:51 | 循環器科
そのうち過去のことになってしまうから日経・朝刊(2013.8.26)の記事を転載しておきたい。

大学名、対象患者数、ノ社からの奨学寄付金 (データ操作の有無)

京都府立大学  3031人、3億8170万円 (論文の一部の解析用データを操作)
東京慈恵医大  3081人、1億8770万円 (一部の血圧データを操作)
千葉大     1021人、2億4600万円 (調査中。一部の血圧データがカルテと相違)
滋賀医大     150人、  6550万円 (調査中。データ処理でミス確認)
名古屋大 1150人、2億5200万円(調査中)
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飛行機の窓際の席は要注意

2013-05-07 07:20:45 | 循環器科
窓際の席、エコノミー症候群のリスク高い 米研究 

飛行機の長距離フライトの際に窓際の席に座ると、エコノミークラス症候群に代表される静脈血栓症のリスクが高くなると、専門医らが2012年2月7日の医学誌「Chest」で警告した。

■深部静脈血栓症(deep vein thrombosis、DVT)は足の痛みや腫れ、肺塞栓が生じ、死に至ることもある深刻な血栓症だ。
「Chest」に掲載された米胸部医師学会 (American College of Chest Physicians)によるガイドラインには、飛行機に搭乗した際に起こるDVTのリスク要因が挙げられている。

■これまではシートの狭いエコノミークラスに搭乗したり、フライト中にアルコール飲料を飲むとリスクが高くなると考えられてきたが、今回の報告によれば、そうした要因を決定付ける確証はなかった。
英国民健康保険(National Health Service、NHS)は先に、脱水症状もリスクを上げる恐れがあると警鐘を鳴らしたが、これについても確証は見つからなかった。

■しかし、体を動かさないことのリスクは過去に警告されてきた通りで、特に8時間以上の長時間フライトで座ったままの乗客におけるリスクが最も高いことが強調されている。

■長距離フライトで窓際の席に座る乗客は、体を動かす機会が限られがちで、DVTリスクが高くなる。
他の要因が重なると、リスクはさらに上がると考えられている。

■DVTリスクが増える他の要因には、DVTの病歴があることや高齢、妊娠中、経口避妊薬の服用、肥満、手術を受けて間がないことなどが指摘されている。
これらのリスク要因がある人は、6時間以上のフライトの際には通路側の席を選び、できるだけ客室内を歩き、ふくらはぎの筋肉をストレッチ運動でほぐし、膝下丈の弾性ストッキングをはくなどの対策を取るよう、ガイドラインは勧めている。

http://ceron.jp/url/www.afpbb.com/article/life-culture/health/2857174/8447770
(一部改変)


<私的コメント>
2013年4月25日の朝日新聞・朝刊に同様の発表(国内)がありました。
成田赤十字病院の調査結果では以下のことが判明したとのことです。
①窓際の席や女性に多い
②4割の人は持病がなかった

窓際の席に多いのは、トイレを我慢して席を立たないことが影響しているという考察です。
海外の報告では男女差はないとのこと。

最近アフリカへ旅行した人からこんな話を聞きました。
当然のことながらロングフライトです。
中国人の団体客が一定の時間になると航行中の客室内で、一斉に立ち上がって体操を始めたそうです。
これを繰り返されてどうにも気になって、帰りの便はビジネスクラスに切り替えてもらったとのこと。
ビジネスクラスは、当然のことながらガラガラだったようです。








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太っても禁煙が大切

2013-05-02 07:50:52 | 循環器科
禁煙太りでも健康効果大 心血管疾患のリスクが半減に

「禁煙しても太るから、逆に病気のリスクが大きくなる」。
そんな喫煙者の苦しい言い訳が通じない研究論文が出た。
禁煙で体重が増えても、心筋梗塞や脳卒中などの発症リスクは喫煙し続けるより約半分も減るという。
米マサチューセッツ総合病院などの研究チームが米医師会雑誌(JAMA)に発表した。

■1984~2011年に米マサチューセッツ州フラミンガムの3251人を対象に、
喫煙者
禁煙して4年以内の人
禁煙して4年超の人
非喫煙者
のいずれかを4年ごとに自己申告してもらい平均で25年を追跡。
その結果、631人が心筋梗塞や脳卒中などの心血管疾患を発症していた。

■糖尿病患者を除くと、禁煙して4年以内の人は、4年平均で3キロ増え、喫煙者より1・8キロ多かった。
一方、心血管疾患の発症リスクは喫煙者の0・47倍だった。同様に、禁煙して4年超の人は喫煙者の0・46倍、非喫煙者は喫煙者の0・30倍だった。

出典  朝日新聞・デジタル 2013.5.1
版権  朝日新聞社




<この研究から得られた結論>
禁煙で体重が増えても、心血管への健康上の影響は全体としては利益が大きい。


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食品からとる塩分減らすには?

2013-04-22 23:46:42 | 循環器科
働く世代の食生活で、カロリーに比べて意識が薄いのが、料理に含まれる塩分。
ラーメンスープは飲み干せば、あっという間に塩分適量ゾーンを突破していく。

■国が掲げる食塩摂取の目標は、成人男性で1日9グラム未満、女性で7・5グラム未満。

■スナック菓子やあられの「うす塩味」とは、「カレー味」などと同じ、味つけの呼び名で、必ずしも塩分が少ないという意味ではない。

■野菜に含まれるカリウムには、ナトリウムを体外に排泄する効果もある。

            



<私的コメント>
将来の高血圧やがんのリスクを減らすため、には減塩がとても重要となります。
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ペースメーカー利用者はEV充電器に注意を

2013-03-25 14:55:33 | 循環器科
ペースメーカー利用者、EV充電器に注意 誤作動の恐れ

■電気自動車の充電器が出す電磁波が心臓ペースメーカーの作動を乱す恐れがあるとして、厚生労働省は、患者が充電器に近づかないことなどを医師向け説明書に記入するようペースメーカーの製造販売業者に指示した。
種類によっては、53センチまで近づくと、どうきやめまいが起きる恐れがあるという。

■電気自動車の充電器は、自宅で使う普通充電器と、高速道路のサービスエリアなどに設置され短時間で充電できる急速充電器がある。
業界団体の調べでは、急速充電器で53センチまで、普通充電器では12・5センチまで近づくと、電磁波の影響が出ることが確認された。

■厚労省は患者は
急速充電器は使用せず、
設置場所にもできる限り近づかない、
普通充電器は密着して使わない、
ことを説明書に記入するよう指示。

■心臓ペースメーカーの体内埋め込み数は、新規・交換あわせて年間約6万件。
急速充電器は2013年2月現在、全国1672カ所に設置されている。

http://www.asahi.com/national/update/0321/TKY201303210291.html
出典 朝日新聞・朝刊 2013.3.22
版権 朝日新聞社


<私的コメント>
愛知万博の際のリニアモーターカー(リニア)の際にも少し問題となりました。
今後開通が予想されるリニア新幹線(品川・名古屋間)はどうなんでしょうか。




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動物性脂肪分、ほどほど摂取が低リスク 脳卒中と心筋梗塞

2013-03-12 00:07:59 | 循環器科
動物性脂肪分、ほどほど摂取が低リスク 脳卒中と心筋梗塞

肉や乳製品などの動物性脂肪分は多すぎても少なすぎても循環器疾患にはよくないという調査結果を、国立がん研究センターなどのチームがまとめ11日、発表した。
脳卒中と心筋梗塞のリスクを摂取量とともに調べ、「ほどほどに食べるのがよい」と結論付けた。
ほかの調査結果と合わせ、1日20グラム程度を取っている人が一番リスクが低いとみている。

45~74歳の男女約8万人を11年程度追跡調査し、動物性脂肪分に含まれる飽和脂肪酸の摂取量に応じて5グループに分けてリスクを調べた。

■脳卒中は、1日に食べる飽和脂肪酸の量が多いほど発症リスクが低く、最多のグループは最少グループよりもリスクが23%低かった。
一方、心筋梗塞の場合は多く食べるほど発症率が高まる傾向にあり、最多グループは最少グループに比べ39%高かった。

■日米などでの過去の調査と合わせて、1日20グラム程度の摂取が循環器系疾患のリスクを最も下げられるとみている。
牛乳を毎日コップ1杯200グラム、肉を2日に1回150グラムほど食べるような生活に相当するという。

■飽和脂肪酸は血管を強くするが、多すぎると血管を詰まらせる原因になると考えられている。
動脈硬化につながることから控えた方がいいという見方がある一方、無害で制限する必要がないという知見もある。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG1101N_R10C13A3CR0000/

出典  日経新聞 Web刊 2013.3.11
版権  日経新聞社



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見逃し高血圧

2013-01-10 07:40:26 | 循環器科
血圧が高くなると脳卒中や心臓病の危険が増すのは周知のこと。
血圧を把握するのに重要なのが「家庭の血圧計」。
ところが、「測り方の“誤解”」が問題となることがあります。
血圧測定と言えば・・・
「血圧計のカフを腕に巻く」、「腕を心臓の高さに合わせる」、などなど、それほど難しい注意点があるようには思えません。
毎日きちんと測っていても、さらには正常血圧であっても、脳卒中や心臓病を引き起こす可能性があるのです。


見逃し高血圧で脳卒中!血圧に潜む落とし穴

血圧差の原因となる「末しょう動脈疾患」を見極めるポイントは?
①両腕の血圧に10%以上の開きがある
通常、健康な人は左右の血圧差がほとんどない。
ところが10%以上の開きがある人(例えば、高い方の腕の血圧150(mmHg)なら、もう片方と15以上の差がある など)は、動脈の“つまり”によって、片方の血圧が下がっている可能性がある。

②それぞれの腕を測定する前に1~2分リラックス
リラックスしないまま両腕の血圧を連続して測ると、先に測った方が高く出がち。
また、片腕を測った後、その結果に心理的な影響を受けたまま、すぐにもう片方の腕を測定すると、そちらが高く出ることがある。
そのため、正確に測るには、それぞれの腕を測定する前に1~2分のリラックスが必要。

③65才以上の高齢者、または喫煙者・糖尿病の方は要注意
末しょう動脈疾患になりやすいタイプは、65才以上の高齢者。
動脈硬化は加齢とともに進行するため、血管の“つまり”が起きる可能性も高く、血圧差が出やすくなる。
喫煙者・糖尿病の方も動脈が傷つきやすくなっているため、注意が必要。

http://www9.nhk.or.jp/gatten/archives/P20130109.html

出典 NHK総合テレビ「ためしてガッテン」2013.1.9
版権 日本放送協会
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心臓病は苦しい

2012-12-15 00:02:46 | 循環器科
病気の苦しみ、心臓病がトップ WHOなど指標化で比較

・世界保健機関(WHO)や東京大学などの国際研究グループの2010年調査で、世界の人々が死亡や長期の闘病で苦しむ原因のトップが心筋梗塞などの心臓病とわかった。
脳卒中やうつ病も20年前の調査に比べて順位が上昇。
グループの渋谷健司東大教授は「感染症などでの子どもの死亡は減ったが、途上国でも慢性疾患や精神疾患が増え世界の疾病構造は激変した」と話している。
・研究グループには米ハーバード大学、英インペリアル・カレッジなども参加。
7機関で07年から世界187カ国の死亡や病気の統計などを集め、苦しみの大きさを表す独自の指標を、闘病期間や死亡した年齢などから計算し比較した。
・苦しむ原因の1位は心筋梗塞などの心臓病(虚血性心疾患)。
3位には脳卒中が入り、それぞれ20年前の前回調査の4位と5位から上昇。
世界各国で生活習慣の変化が進み、慢性疾患を患う人が増えたという。
・うつ病が前回15位から11位、交通事故が12位から10位に上がった。
経済成長した途上国で、うつ病患者が増加したほか交通事故が多発している結果だと分析している。
・ほかにエイズが33位から5位に急上昇。死亡率は低下したものの薬の進歩で治療中の患者が急増したのを反映した。
一方、20年前1位だった肺炎は2位に、2位だった下痢は4位に下がった。
途上国を中心に5歳未満の子どもの主な死因だったが、一部地域を除き減ったという。

http://www.nikkei.com/article/DGXNZO49537130U2A211C1CR8000/


出典  日経新聞 Web刊 2012.12.12
版権  日経新聞社
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「老け顔」は心臓病の予兆?

2012-11-09 07:17:51 | 循環器科
「老け顔」は心臓病の予兆? 米学会報告

見た目が実年齢より老けている人は、心臓病を発症するリスクが高いというデンマークの研究結果が、米ロサンゼルス(Los Angeles)で5日開かれた米アメリカ心臓協会(American Heart Association、AHA)の年次総会で発表された。
抜け毛や目の周りに脂肪がつくなど複数の加齢の兆候がはっきり現れている人は、若く見える同年齢の人に比べて心臓病を患う可能性が高いという。


研究チームは、40歳以上の約1万1000人を35年間にわたって追跡調査した。
このうち心臓病を発症したのは3401人で、心臓発作を起こしたのは1708人だった。

対象者は性別にかかわらず、加齢の兆候が1つ増えるごとに心臓発作や心臓病のリスクが高まっていたが、中でも3~4つの兆候があった人は全くない人に比べて発作を起こすリスクが57%、心臓病になる可能性は39%高かったという。

心臓発作と心臓病の両方を最も強く予見した加齢の兆候は、目の周りの脂肪の蓄積だった。こめかみ部分の生え際後退、頭頂部の抜け毛、耳たぶのしわなども加齢の兆候として挙げられている。

「目に見える加齢の兆候は生理学的または生物学的な年齢を示し、実年齢とは独立している。
医師は診察の際、こうした兆候を必ず確認するべきだ」と研究者は忠告している。

AFP=時事 11月8日(木)18時45分配信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121108-00000034-jij_afp-int



関連記事
米国の歴代大統領、早く老けるが平均より長生き 米研究
http://www.afpbb.com/article/life-culture/life/2844518/8173593?utm_source=yahoo&utm_medium=news&utm_campaign=txt_link_Thu_p1

■米国の大統領たちの多くは、就任するとすぐに白髪やしわに悩まされるようになるが、引退後は富と手厚い医療のおかげで、平均的な男性よりも長生きするという研究結果が、2011年12月7日のJAMAに発表された。


<私的コメント>
一般的に政治家は長生きのような気がします。
政治に生き甲斐を見出しているかどうかは知りませんが、ストレスそのものをどう解釈すればよいのか難しいところです。
神経の図太い人達であることは間違いありませんが。


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動脈硬化の基準値見直し

2012-10-22 06:15:26 | 循環器科
動脈硬化、しっかり見張る 基準値見直し、心筋梗塞・狭心症を予防

日本人の4人に1人は心筋梗塞や狭心症、脳梗塞で亡くなる。
これらの病気を引き起こすのが動脈硬化だ。
どうしたら兆候を早く見つけ、病気を防げるのか。
日本動脈硬化学会は5年ぶりに予防指針を改めた。
動脈硬化の原因となる悪玉コレステロールなどの基準値を、よりきめ細かにリスクに応じたものにした。

●リスク高い人を発見
動脈硬化が進むと心筋梗塞や狭心症、脳梗塞など「動脈硬化性疾患」が起こりやすくなり、糖尿病などの合併症が加わるとさらにリスクは高まるからだ。

日本動脈硬化学会は6月に動脈硬化性疾患の予防指針を改訂。
日本人1万人を約20年間追跡した疫学調査結果などをもとに、LDLなどの基準値を、個人のリスクに応じて設定した。

心筋梗塞や狭心症の経験者は、最も高リスク。
薬による治療を検討し、LDLコレステロールを100未満に下げることを目指す。

糖尿病や慢性腎臓病、末梢血管の動脈硬化がある人や脳卒中経験者は次に高リスク。
生活習慣を改善し、必要なら薬も使い、LDLコレステロールを120未満にする。
慢性腎臓病は新たにリスクに加わった。

指針の改訂では、将来、病気になる可能性の高い人をいかに早く見つけて病気を防ぐか、という点に重点が置かれた。

私的コメント
「日本動脈硬化学会」は各方面から動脈硬化のメカニズムに迫る研究が発表されています。
しかし、ことガイドラインに関してはコレステロールに偏った内容となっており、しかも大部分が心筋梗塞や狭心症などの虚血性心臓病について記述された偏った内容になっています。
脳血管障害についてはほとんど触れられていません。
それは脳梗塞や脳出血などの脳血管障害の主たる原因がコレステロールではなく高血圧であるということとも関係があります。


●性別、生活習慣も考慮
指針の改定では、悪玉、善玉を含めた総コレステロール値と血圧がわかれば、10年以内に心筋梗塞などで死亡するリスクが自分でわかるフローチャートもできた。
遺伝性の家族性高コレステロール血症の人は当てはまらず、専門医への相談が必要だ。
ホルモンの働きなどで女性は男性よりリスクが低い。
年齢や喫煙習慣でもリスクは異なる。
これらを考慮し、個人のリスクをより正確に評価できるようになっている。

この結果、60歳未満の女性は持病などがない限り、LDLコレステロール目標値は160と緩やかに。
薬よりも生活習慣の改善を優先させる。
男性も、高血圧や高脂血症の傾向がなく、60歳以下なら同様だ。

生活習慣は改善するにはまずは禁煙。
運動は、ウオーキングなど有酸素運動がいい。
話はできるが、歌を歌うのは、息が上がって難しいぐらいの速さで歩くのがちょうどいい。

食事は、油脂分の多いものや鶏卵やたらこなどの卵類を控える。
たんぱく質は豆腐や魚を中心に。
野菜も十分、食べよう。
ブロッコリーや小松菜、ホウレンソウはビタミンCやA、Eが豊富なのでお薦めだ。

https://aspara.asahi.com/blog/mediblog/entry/aRbvfkhP7E
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‘ジャンクフード’で脳卒中 健康障害の時限爆弾”

2012-10-18 07:17:22 | 循環器科
‘ジャンクフード’で脳卒中リスクが増大
■脂肪、塩分、糖分の多い食事を食べる人は、脳卒中または早期死亡のリスクが明らかに高いことが、カナダでのラットを用いた研究でわかった。

■ジャンクフードの食事が原因で、30代、40代になると脳卒中や認知症が見られ始める。
若者は長い人生のごく早期から大きな問題を抱えることになる。

■メタボリックシンドロームの予防には定期的な運動とバランスの良い食事が必要である。

出典
http://www.carenet.com/news/general/hdn/31721


<私的コメント>
動物研究の結果が必ずしもヒトには当てはまらないと指摘する意見もあるようです。


<番外編>
日本脳炎予防接種直後に小5死亡 岐阜のクリニック

■岐阜県美濃市の小児科で17日夕、日本脳炎の予防接種を受けた小学5年の男児(10)が約5分後に意識不明、心肺停止状態となり、約2時間半後に死亡が確認された。
岐阜県警関署が死因を調べている。

<私的コメント>
一体何が起こったのでしょうか。


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高血圧における減塩の予防効果

2012-09-25 12:37:31 | 循環器科
高血圧における減塩の予防効果と薬物治療の最新事情

男性50歳以上、女性60歳以上の2人に1人が高血圧といわれ、4,000万人と推定されている。
生活習慣病の中では代表的な疾患で、減塩などの食事療法や運動療法により血圧のコントロールが期待される。

■現在、肥満、糖尿病、高脂血症などを伴うメタボリックシンドローム型の高血圧が増加している。
その7割が食塩感受性高血圧で、脳卒中や心筋梗塞などの危険因子を併せ持った人が多く、統合的・複合的な生活習慣病の管理が求められている。
特に高血圧は、心血管系疾患最大のリスク要因であり、血圧管理が非常に重要といえる。

ナトリウム870mgと表示されている場合の食塩換算式

ナトリウム(Na)0.87g×2.54 = 食塩(NaCl)2.2g


■減塩を意識しないグループと減塩を意識するグループでも平均1g程度の差しかなく、減塩の意識が実際の食塩摂取量の低下には結びついていないことを示す研究がある。

■現在、降圧薬はカルシウム拮抗薬とアンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)の2剤が主流である。
両者とも降圧効果・忍容性が高く、非常に有効であるが、ガイドラインの目標値が引き下げられたため、目標値に到達しにくくなっている。
そこで、以前は降圧薬の主流で有効性が高いといわれた利尿薬が、第3の薬として注目を集めている。
現在はARBとの併用により、安全かつ有効な降圧が得られるようになっている。

http://www.asahi.com/health/sodium_reduction/medical_asahi201110.html

出典 メディカル朝日 2011.10
版権 朝日新聞社


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極悪脂肪

2012-08-23 00:24:48 | 循環器科
「緊急警告!謎の心臓病 極悪○○で血管破裂」

■沖縄で、10年でおよそ40%も死亡者数が増加している心臓病関連の病死。その増加の原因のひとつと見られている「謎の犯人」に襲われた患者さんに聞くと、「心臓に直接かみつき、内側から食い破る…まるで映画に登場する怪物、エイリアンのようだ…」とのコメントが。
その犯人に襲われると、検査しても異常がなかったはずの心臓の血管が突然つまり、心筋梗塞を起こすというのです。

■脂肪が心臓にかみついたり、内側から食い破ったりするとは、どういうことなのでしょう?
スタジオの模型から飛び出したのは、心臓の血管に突き刺さる鋭いツメ!
実はツメの正体は、脂肪から心臓の冠動脈にのびた毛細血管。
この毛細血管を通じて「猛毒」を送り込み、血管内部を破裂させ、心筋梗塞を起こしていたのです。
ではその猛毒の正体は一体?
それは、脂肪内部に集まったマクロファージ(白血球の一種)の仕業でした。
マクロファージはいわば体内の掃除屋。
巨大化した脂肪細胞を異物とみなして攻撃。脂肪細胞を溶かそうとして出す「毒」が、毛細血管を通って心臓に流れ込み、血管を破壊すると考えられているのです。

■脂肪と言えば、肥満の人に多いと思いがち。
でも、実際にガッテンが調査を行ったところ、実験に参加した 体重120kgの人より、体重56kgの人の方が2倍も厚い脂肪があることが判明したのです。一体どうしてなのでしょう?
ここには、もともと持っている脂肪細胞の数が深く関係しています。
太った人は、やせている人より脂肪細胞の数が多い傾向があります。

■摂取カロリーが多すぎると、脂肪細胞一つ一つが膨張し、貯蔵タンクのようにして、余分なカロリーを脂肪として蓄えます。
この時、脂肪細胞の数が少ないやせ型の人は、太った人よりも少ない量で脂肪タンクがいっぱいになり、心臓をはじめとする、本来つくはずのない場所に脂肪が蓄積することになるのです。
つまり、若い頃やせていたのに、最近急に太ってしまったという人が、知らないうちに心臓に脂肪をため込んでいる可能性があるのです。
もちろん、太っている人は安心、ということでは決してありません。
要は、やせている人も、太っている人も、体重増加は心臓脂肪を増やす危険があるのです。

■心臓脂肪の特徴は「増えやすいが、減りやすい」こと。

出典 NHK総合テレビ「ためしてガッテン」2012.7.18
版権 日本放送協会

http://www9.nhk.or.jp/gatten/archives/P20120718.html
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カテーテルで高血圧治療

2012-08-17 06:48:46 | 循環器科
カテーテルで高血圧治療 自治医大などで治験始まる

■カテーテルと呼ばれる細い管を血管に差し込んで腎臓の交感神経を遮断する新しい高血圧治療の治験が、自治医大病院などで始まった。

■海外では重い高血圧症患者でも最高血圧が半年後に平均約30も下がったとの報告があり、画期的な治療法になる可能性があるとして注目されている。

■新しい手法は「腎デナベーション(除神経)」。
活動している時に働く交感神経は、腎動脈の表面を通り、脳と腎臓の間で血圧を調整する信号を伝えている。
新手法はカテーテルを太ももの動脈から腎動脈まで通し、先端から高周波電流を流して外側の交感神経を数カ所、加熱して遮断する。

■所要時間は約40分。
治験は、利尿剤を含めて3種類以上の降圧薬を飲んでも最高血圧が160以上の重症者を対象にしている。

■海外の過去3年の実績では副作用はほとんどなく、効果が続いているという。
約10%の患者には効かず、その理由が分からないことや、効果があった場合でも薬を完全にはやめられないといった課題がある。


http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG1700R_X10C12A8CR0000/


出典 日経新聞・Web刊 2012.8.17
版権 日経新聞社





八ヶ岳倶楽部にて 2012.8.13撮影



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