みみずく医者の備忘録

名古屋市名東区の内科開業医です。日々の出来事や診察室でのエピソードなどを織り交ぜて綴ります。個人的なメモ代わりです。

乳がんに「国民性」? 

2013-07-16 05:48:26 | 医療一般
乳がんに「国民性」? 日本人と欧米人の違い

がん発症のリスクなどを調べることができる遺伝子検査。
がんと遺伝子の関係が明らかになりつつあるなか、乳がんにも「国民性」があることがわかってきたという。

*  *  *

■日本人と欧米人では、乳がんの発症年齢の分布が全然違い、欧米人は閉経後に発症するホルモン陽性タイプの乳がんが多く、発症年齢のピークが60代後半。
45歳未満は乳がん全体の3~4割だが、日本人は45歳未満が5割近くに達する。

■異常があると乳がんや卵巣がんに罹患しやすくなる遺伝子BRCA1、2は、原因遺伝子の7割近くを占めると推定されているが、P53、PTENといった、他の原因遺伝子も見つかっている。
最近は、ゲノム情報を一度に調べられる「次世代シーケンサー」も登場し、個人についても、ゲノムをまるごと読む「ホールゲノム」時代が訪れようとしている。
将来乳がんを起こす確率が高い変異なのか、そうでないのかという塩基の配列ごとの対応表がそれぞれできれば、1人の人を次世代シーケンサーにかけて、1度の検査で複数の代表的な原因遺伝子を同時にチェックすることも可能になってくる。

■国ごとの傾向がわかるようになれば、より精度の高い予測のもとに、予防や治療、検診などのプログラムを組み立てられる。
日本でも厚生労働省が研究を重ねた結果、BRCA2の人の方が多いとされていた実態が、最近ではBRCA1の人の比率が増えるなどデータは更新されている。

■自国のデータベースの作成は重要。
韓国では1千人以上の陽性者のデータを集めていて、独自のリスク解析ソフトも作っている。
日本はまだ260人を対象にした検査で、陽性の人が80人というデータを出している段階。
一人ひとりにふさわしい予防や治療法の選択を手助けするためにも、日本人独自のデータベースを作る必要がある。
海外のデータに頼らざるを得ない状況を打破する必要がある。

※AERA 2013年7月15日号

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130715-00000006-sasahi-hlth


<私的コメント>
「日本は医療先進国」というのが幻想であることがわかります。
医療技術はあるが、プログラム構築にスピード感とスケール感がないのが日本の医療面での国家戦略の特徴です。
関連医学会も、組織が硬直してしまって同様な状態に陥っています。
国が動くのを待つのではなく、関連医学会が旗幟(きし)を鮮明にすべきではないのでしょうか。
専門である関連医学会が動き始めて国を動かす。
そうでなければ国は重い腰を上げません。
関連医学会の怠慢といわれても仕方がありません。



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ベーゼンドルファー

2013-07-06 21:27:18 | その他
・1828年、オーストリア・ウィーンにてイグナーツ・ベーゼンドルファーにより創業。

・2007年経営難に陥り、2008年にヤマハの子会社となった。

・フランツ・リストの激しい演奏に耐え抜いたことで多くのピアニストや作曲家の支持を得て、数々の歴史あるピアノブランドが衰退していく中、その人気を長らくスタインウェイと二分してきた。

・愛用したピアニスト
ヴィルヘルム・バックハウス
オスカー・ピーターソン
アンドラーシュ・シフ
パウル・バドゥラ=スコダ
イェルク・デームス
フリードリヒ・グルダ
スビャトスラフ・リヒテルも

・かつてベーゼンドルファーのピアノは国際ピアノコンクールでは最高峰のものと言えるショパン国際ピアノコンクールの公式ピアノの一つであったが、のちに公式ピアノから除外されている。

出典
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%BC%E3%82%BC%E3%83%B3%E3%83%89%
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ベーゼンドルファー

2013-07-06 07:53:31 | インポート

・1828年、オーストリア・ウィーンにてイグナーツ・ベーゼンドルファーにより創業。

・2007年経営難に陥り、2008年にヤマハの子会社となった。

・フランツ・リストの激しい演奏に耐え抜いたことで多くのピアニストや作曲家の支持を得て、数々の歴史あるピアノブランドが衰退していく中、その人気を長らくスタインウェイと二分してきた。

・愛用したピアニスト
ヴィルヘルム・バックハウス
オスカー・ピーターソン
アンドラーシュ・シフ
パウル・バドゥラ=スコダ
イェルク・デームス
フリードリヒ・グルダ
スビャトスラフ・リヒテルも

・かつてベーゼンドルファーのピアノは国際ピアノコンクールでは最高峰のものと言えるショパン国際ピアノコンクールの公式ピアノの一つであったが、のちに公式ピアノから除外されている。

出典
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%BC%E3%82%BC%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AB%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%BC

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ヒトiPS細胞で肝臓作製 マウス移植、世界初

2013-07-05 07:31:04 | その他
ヒトiPS細胞で肝臓作製 マウス移植、生存率大幅向上 横浜市大、世界初

■ヒトのiPS細胞(人工多能性幹細胞)を使って小さな肝臓を作り、肝不全のマウスに移植して生存率を大幅に向上させることに横浜市立大の谷口英樹教授らのチームが成功し、3日付の英科学誌ネイチャーに発表した。
ヒトのiPS細胞から機能的な臓器を作製したのは世界初。
10年以内の臨床応用を目指しており、肝臓移植を代替する新たな再生医療として実用化が期待される。

■iPS細胞から肝臓の細胞はすでに作られていたが、臓器として機能する立体的な構造を作るのは難しかった。

■肝臓移植は臓器提供者(ドナー)の不足などの課題を抱えており、この技術を使って治療できれば意義は大きい。大人と比べて細胞が少なくてすむ子供の治療に向けた研究から取り組み、大人の治療にも応用を目指す。

■チームはヒトのiPS細胞から、肝細胞に変わる手前の前駆細胞を作った後、細胞同士をつなぐ働きを持つ「間葉系細胞」や血管のもとになる「血管内皮細胞」と一緒に培養。
すると数日後、細胞が自然に球状に集まり、直径5ミリほどの肝臓の“種”ができた。

■これをマウスの腹部に移植すると、血管がつながって血流も生まれ、タンパク質の合成や薬剤の代謝などの働きを持つ小さな肝臓に成長することが分かった。

■この肝臓の種を肝不全マウスに移植したところ、1カ月後でも9割以上が生存。
移植しない場合の生存率3割と比べて高いことから、体内で肝臓として機能して治療効果を発揮したとみられる。


(画像をクリックすると拡大します)

出典 msn産経ニュース 2013.7.4
版権 産経新聞社


<私的コメント>
患者の治療に使う場合は、均質な種を大量に作って肝臓の血管から注入する方法を想定しているようです。
今回は構造を作る間葉系細胞と血管を作り出す細胞を混ぜれば、細胞が勝手に組織を作るということを示した点で注目されています。
研究陣は昨年4月にネイチャーに論文を提出し、ネイチャーは1年余りにわたりこれを検証した上で論文掲載を決めたということでいかに画期的な研究かが分かります。

臨床応用については「加齢黄斑(おうはん)変性」という目の難病を対象に、来年夏にも世界初となるiPS細胞による治療が始まる見通しになっています。
網膜細胞はがんになりにくく、がん化した場合でも正常な組織との区別が容易で、レーザー治療で対処できるという点から臨床応用に白羽の矢が当てられました。
iPS細胞による再生医療研究では熾烈な国際競争が展開されています。
政府は再生医療を成長分野の一つとして、今後10年間で1100億円を投じる方針を打ち出し、平成42年には1兆円規模の市場創出という目標も掲げています。
(これは「獲らぬ狸の・・・」)

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