乳がんに「国民性」? 日本人と欧米人の違い
がん発症のリスクなどを調べることができる遺伝子検査。
がんと遺伝子の関係が明らかになりつつあるなか、乳がんにも「国民性」があることがわかってきたという。
* * *
■日本人と欧米人では、乳がんの発症年齢の分布が全然違い、欧米人は閉経後に発症するホルモン陽性タイプの乳がんが多く、発症年齢のピークが60代後半。
45歳未満は乳がん全体の3~4割だが、日本人は45歳未満が5割近くに達する。
■異常があると乳がんや卵巣がんに罹患しやすくなる遺伝子BRCA1、2は、原因遺伝子の7割近くを占めると推定されているが、P53、PTENといった、他の原因遺伝子も見つかっている。
最近は、ゲノム情報を一度に調べられる「次世代シーケンサー」も登場し、個人についても、ゲノムをまるごと読む「ホールゲノム」時代が訪れようとしている。
将来乳がんを起こす確率が高い変異なのか、そうでないのかという塩基の配列ごとの対応表がそれぞれできれば、1人の人を次世代シーケンサーにかけて、1度の検査で複数の代表的な原因遺伝子を同時にチェックすることも可能になってくる。
■国ごとの傾向がわかるようになれば、より精度の高い予測のもとに、予防や治療、検診などのプログラムを組み立てられる。
日本でも厚生労働省が研究を重ねた結果、BRCA2の人の方が多いとされていた実態が、最近ではBRCA1の人の比率が増えるなどデータは更新されている。
■自国のデータベースの作成は重要。
韓国では1千人以上の陽性者のデータを集めていて、独自のリスク解析ソフトも作っている。
日本はまだ260人を対象にした検査で、陽性の人が80人というデータを出している段階。
一人ひとりにふさわしい予防や治療法の選択を手助けするためにも、日本人独自のデータベースを作る必要がある。
海外のデータに頼らざるを得ない状況を打破する必要がある。
※AERA 2013年7月15日号
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130715-00000006-sasahi-hlth
<私的コメント>
「日本は医療先進国」というのが幻想であることがわかります。
医療技術はあるが、プログラム構築にスピード感とスケール感がないのが日本の医療面での国家戦略の特徴です。
関連医学会も、組織が硬直してしまって同様な状態に陥っています。
国が動くのを待つのではなく、関連医学会が旗幟(きし)を鮮明にすべきではないのでしょうか。
専門である関連医学会が動き始めて国を動かす。
そうでなければ国は重い腰を上げません。
関連医学会の怠慢といわれても仕方がありません。
がん発症のリスクなどを調べることができる遺伝子検査。
がんと遺伝子の関係が明らかになりつつあるなか、乳がんにも「国民性」があることがわかってきたという。
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■日本人と欧米人では、乳がんの発症年齢の分布が全然違い、欧米人は閉経後に発症するホルモン陽性タイプの乳がんが多く、発症年齢のピークが60代後半。
45歳未満は乳がん全体の3~4割だが、日本人は45歳未満が5割近くに達する。
■異常があると乳がんや卵巣がんに罹患しやすくなる遺伝子BRCA1、2は、原因遺伝子の7割近くを占めると推定されているが、P53、PTENといった、他の原因遺伝子も見つかっている。
最近は、ゲノム情報を一度に調べられる「次世代シーケンサー」も登場し、個人についても、ゲノムをまるごと読む「ホールゲノム」時代が訪れようとしている。
将来乳がんを起こす確率が高い変異なのか、そうでないのかという塩基の配列ごとの対応表がそれぞれできれば、1人の人を次世代シーケンサーにかけて、1度の検査で複数の代表的な原因遺伝子を同時にチェックすることも可能になってくる。
■国ごとの傾向がわかるようになれば、より精度の高い予測のもとに、予防や治療、検診などのプログラムを組み立てられる。
日本でも厚生労働省が研究を重ねた結果、BRCA2の人の方が多いとされていた実態が、最近ではBRCA1の人の比率が増えるなどデータは更新されている。
■自国のデータベースの作成は重要。
韓国では1千人以上の陽性者のデータを集めていて、独自のリスク解析ソフトも作っている。
日本はまだ260人を対象にした検査で、陽性の人が80人というデータを出している段階。
一人ひとりにふさわしい予防や治療法の選択を手助けするためにも、日本人独自のデータベースを作る必要がある。
海外のデータに頼らざるを得ない状況を打破する必要がある。
※AERA 2013年7月15日号
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130715-00000006-sasahi-hlth
<私的コメント>
「日本は医療先進国」というのが幻想であることがわかります。
医療技術はあるが、プログラム構築にスピード感とスケール感がないのが日本の医療面での国家戦略の特徴です。
関連医学会も、組織が硬直してしまって同様な状態に陥っています。
国が動くのを待つのではなく、関連医学会が旗幟(きし)を鮮明にすべきではないのでしょうか。
専門である関連医学会が動き始めて国を動かす。
そうでなければ国は重い腰を上げません。
関連医学会の怠慢といわれても仕方がありません。