みみずく医者の備忘録

名古屋市名東区の内科開業医です。日々の出来事や診察室でのエピソードなどを織り交ぜて綴ります。個人的なメモ代わりです。

入浴中の死亡事故

2012-12-20 06:29:07 | 医療一般
入浴中の死亡例、実態調査へ 厚労省、対策本格化

■お風呂場での死亡を防ごうと、厚生労働省が対策に乗り出した。入浴による事故や死亡は冬に多く報告され、多くは高齢者だ。
浴槽につかる習慣のある日本独特の「生活習慣病」ととらえ、実態を把握するための調査をしたうえで予防策を検討する。

■厚労省の人口動態調査では、「浴槽内での溺死(できし)」は2001年に3001人だったが、昨年は4554人に増えた。
高齢化が進んだことが背景にあると考えられ、昨年は65歳以上が9割近くを占めた。

■ただ、この数字は「事故死」に分類されたもののみ。
入浴が引き金になって脳卒中や心筋梗塞(こうそく)などになっても、「病死」として扱われると数字にはあがってこない。このため、実際の死亡者はもっと多い可能性があるという。

■季節もひとつの焦点だ。
東京消防庁によると、06~10年の5年間で、入浴中におぼれたことによる救急搬送数は1931件。最多は12月で、次いで1、2月と冬季に集中していた。

■死亡の原因ははっきりしていない。
ただ、医療関係者の間では、室温と水温の寒暖差の激しさなどから血圧の急激な変化が起きていることや、熱い湯に長く入っていることで起きる熱中症などの可能性が指摘されている。
湯船の温度をおさえたり、家族が定期的に声がけをしたりすることで防げるとの指摘もある。

http://digital.asahi.com/articles/TKY201212180622.html?ref=comkiji_txt_end_s_kjid_TKY201212180622
(ログインが必要)

出典  朝日新聞・デジタル 2012.12.19
版権  朝日新聞社
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インフルエンザ治療薬・イナビル

2012-12-19 07:38:33 | 医療一般
2010年10月現在、インフルエンザ治療薬は、4種類になりました(A型に効果のあるアマンタジンを除く)。当院でも今シーズンからイナビルを新規採用しラピアクタを除く3種類の抗インフルエンザ薬がそろいました。今後ラピアクタも採用予定です。

■タミフル
成人はカプセル、小児は粉薬(体重により量が変わります)。1日2回、5日間内服する飲み薬です。
成人の5日分の薬価(薬剤のみの費用)は3,091円。

■リレンザ
成人、小児ともに、1日2回 10mg(5mgを2回)、5日間吸入して使う薬。
呼吸器に入って効果を示す薬で、吸入薬が使える年齢である5歳以上が適応になります。
口の中に残ったものは、消化液で分解されてしまうので効果はありません。
5日分の薬価は3,374円。

■ラピアクタ
成人は、1回300mg(小児は体重で変わります)を、医療機関でインフルエンザと診断を受けた際に、約15分間かけて点滴していきます。
1回だけの点滴による投与なので、飲み忘れを防ぐことができます。
点滴用パック1回分の薬価は、5,634円。

■イナビル
成人及び10歳以上の小児は40mg(20mgを2本)、10歳未満の小児は20mg(20mgを1本)を1回、吸入して使います。
最初の1回だけ吸入すればいいので、こちらも飲み忘れを防ぐことができます。薬価は、成人の40mgで、4,161円。


引用サイト
インフル新薬!吸入粉末薬イナビルの使い方・副作用
http://allabout.co.jp/gm/gc/324908/

イナビル関連サイト
イナビル吸入方法
http://www.influ-news.info/inhalation/usage.html
(吸入方法についての動画もあります)

インフルエンザ関連のサイト
インフルエンザ流行マップ
http://www.influ-news.info/epidemicmap/index.html
(各地方のインフルエンザ流行の状況をしることが出来ます)

インフルエンザ・リンク集
http://www.influ-news.info/links/index.html

手荒い・うがいをしよう
http://www.influ-news.info/prevention/index.html


<番外編>
今シーズンのインフルエンザワクチンは例年になく痛いようです。
近隣の医療機関でもそのような噂を聞きます。
しかし、こういったことはニュース性がないのかネガティブキャンペーンとなってしまうのか一切確認する手段がありません。

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ノロウイルス感染の疑いがある人は「病院に行ってはいけない」?

2012-12-18 06:43:56 | 感染症
ノロウイルス感染の疑いが出た場合に 「病院に行ってはいけない」は本当か?

■予防するには石鹸を付け流水でよく手を洗うことと、食器は塩素系漂白剤で消毒するか、85度以上のお湯で1分以上の加熱が必要。

■「ノロウイルスかどうか診断してもらって来い、という学校や職場があるけれども意味が無い。ノロと診断されること自体にもほとんど意味は無い」・・・これは民放の某ワイドショーで産婦人科医のコメンテーターの番組内でのコメント。大体、産婦人科医がこういった患者さんを診療した体験もない筈。この手のタレントドクター(なんちゃって医者)がTVで堂々と門外漢の分野の発言をすることには忌々しい気持を抱いていた。
案の定専門家からは「とんでもない」といった反響が。

「ノロウイルスに感染したのか、それともインフルエンザなのか、単なる胃腸炎なのかはご自身では判断できませんから、病院で診断を受けるのは当然です。また、ノロウイルスの場合は、感染経路を知る必要もありますので、『病院に行くな』はありえません」等々。

厚生労働省のサイトにも「最寄りの保健所やかかりつけの医師にご相談下さい」と掲載されている。
厚生労働省の言っていることが正しいとも言えないし、この産婦人科医の言っていることも全部が間違いではない。要するに言葉足らずといったところ。
最初からノロウイルス感染症という診断を自分でつけれる患者さんは多くない。
診断はもちろんだが、補液を含めた脱水の対策や感染拡大の予防対策にこそ医師の出番があるのだ。
医療機関受診が不要という結論はあまりにも短絡的だ。

ノロウイルス感染の疑いが出た場合に 「病院に行ってはいけない」は本当か?
http://www.j-cast.com/2012/12/18158699.html
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冬に手が荒れる理由

2012-12-17 06:23:46 | 皮膚科
かさつき、ひび割れ、かゆみ… 冬に手が荒れる理由

■気温が下がり、空気が乾燥することで手の水分が蒸発しやすくなるため。
手指が冷えて血液循環や新陳代謝が鈍くなり、角層が硬くなるのも手荒れの原因。

■冬は、お湯を使う、カゼ予防で手洗いや消毒の回数が増えるなど、バリアが再生しかかると落とされるという繰り返しで、いっそう手荒れリスクが高まる

■手荒れがひどくなると、進行性指掌角皮症という症状を招くこともある。
指先のかさつきや指紋の消失に始まり、手のひら全体の乾燥・角化、そして手湿疹へと進行していく。
夏に良くなって、冬にひどくなるのが特徴。
水仕事や指先に刺激が加わる作業の多い主婦、美容師、飲食店員、銀行員などに多いといわれている。

■手荒れを防ぐには、手洗いや水仕事のあとはハンドクリームで潤いバリアを補い、外出時には手袋をするなど乾燥から守ることも大切。

~冬に手荒を招くいろいろな要因~
お湯をよく使う
お湯は食器の油汚れを落とすように、潤いバリアの油分も奪ってしまう。
バリアの保護がなくなった角層から水分が蒸発することがカサカサの原因になる。

空気が乾燥している
冬の外気はもちろん、室内も暖房のせいで乾燥気味。
空気が乾燥すると、体の水分が蒸発しやすく、潤いバリアのもとになる汗もかきにくくなる。
暖房を入れたら加湿も忘れずに。

大掃除で水を使う機会が増える
ほこりがついたり、掃除のためにいろいろな場所を手で触れること自体が手荒れのもと。らに換気扇やレンジまわりなどの掃除に、強力な汚れ落とし洗剤を使うことも手には悪影響。

カゼ予防で手を洗う回数が増える
カゼ対策で、手洗いや消毒剤で手を殺菌する機会が増える薬用石けんや消毒の殺菌成分にはアルコールが含まれていることもあり、手の水分、油分を奪う原因になる。

手や指が冷える
冬は、末端の血液循環が悪くなり、手指が冷えやすく、新陳代謝も鈍くなる。
そのため角層のターンオーバーもうまくいかず、角層が硬くなり、ひび割れの原因に。
外出時には手袋を。


http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK1400L_U2A211C1000000/


出典  日経新聞 Web刊 2012.412.16
版権  日経新聞社
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心臓病は苦しい

2012-12-15 00:02:46 | 循環器科
病気の苦しみ、心臓病がトップ WHOなど指標化で比較

・世界保健機関(WHO)や東京大学などの国際研究グループの2010年調査で、世界の人々が死亡や長期の闘病で苦しむ原因のトップが心筋梗塞などの心臓病とわかった。
脳卒中やうつ病も20年前の調査に比べて順位が上昇。
グループの渋谷健司東大教授は「感染症などでの子どもの死亡は減ったが、途上国でも慢性疾患や精神疾患が増え世界の疾病構造は激変した」と話している。
・研究グループには米ハーバード大学、英インペリアル・カレッジなども参加。
7機関で07年から世界187カ国の死亡や病気の統計などを集め、苦しみの大きさを表す独自の指標を、闘病期間や死亡した年齢などから計算し比較した。
・苦しむ原因の1位は心筋梗塞などの心臓病(虚血性心疾患)。
3位には脳卒中が入り、それぞれ20年前の前回調査の4位と5位から上昇。
世界各国で生活習慣の変化が進み、慢性疾患を患う人が増えたという。
・うつ病が前回15位から11位、交通事故が12位から10位に上がった。
経済成長した途上国で、うつ病患者が増加したほか交通事故が多発している結果だと分析している。
・ほかにエイズが33位から5位に急上昇。死亡率は低下したものの薬の進歩で治療中の患者が急増したのを反映した。
一方、20年前1位だった肺炎は2位に、2位だった下痢は4位に下がった。
途上国を中心に5歳未満の子どもの主な死因だったが、一部地域を除き減ったという。

http://www.nikkei.com/article/DGXNZO49537130U2A211C1CR8000/


出典  日経新聞 Web刊 2012.12.12
版権  日経新聞社
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進歩するリウマチ治療

2012-12-14 12:33:56 | リハビリテーション科
関節が痛む人必見!知らぬ間にリウマチ治療が大進化

関節リウマチってどんな病気?
関節を激痛が襲い、放っておくと骨が破壊されてしまう病気です。
原因は不明ですが、免疫が異常をきたし、炎症や骨破壊を促進する「サイトカイン」という免疫に関わる物質が急増することがわかってきました。

早期の関節リウマチを見分けるには?

関節に腫れがある

腫れを押すとブヨブヨしている

朝起きた時、痛みがある/動かしにくい

症状が気になったら…<診断について>
リウマチ科、または、整形外科、内科で診療を受けることができます。
【新しい診断方法】関節リウマチの早期診断は、問診・触診・血液検査などの結果をもとに総合的に判断しますが、骨破壊に至る前の段階である滑膜炎を見つけることができる「超音波(エコー)」による画像診断が、ここ数年、注目を集めています。

新しい治療薬について教えて!
新しい治療薬として「生物学的製剤」があります。
病気を進めるサイトカインの働きを抑えるもので、月に1~2回程度、点滴や皮下注射で投与します。
病気が進むとサイトカインの量・種類が急増してしまうため、その前(発症から6か月までが目安)に投薬を始めることが大切です。
投薬は続ける場合が多いですが、症状がよくなれば休止することもあります。副作用として、ウイルスや細菌に対する免疫機能が低下する場合があります。市販はされていないので、投与には医師の処方箋が必要です。

関節を動かす「らくらくストレッチ」のやり方を教えて!
関節が動かないからといって、必ずしも骨破壊が起こっているわけではありません。
痛いからと動かさないことで、血流が悪くなり、筋肉が硬くなって、ますます動かしにくくなるという悪循環が起きている場合もあります。
そこで、関節を気持ちよく動くようにするストレッチをご紹介します。

腕を伸ばし、手のひらをパーに!(痛くならない程度に最大限にひらく)
ひらいた状態で10秒キープ!
ゆっくりグーに閉じる(親指は外側に出す)

・腕を伸ばす方が手のひらの筋肉が収縮しやすくなりますが、痛い場合は
   腕を曲げて行ってもOKです。
・1セット3~5回、回数は少なくてもいいので、毎日続けてみてくださ
   い。
・炎症・骨破壊・痛みのある人は医師やリハビリの専門家の指示に従って
   ください。


http://www9.nhk.or.jp/gatten/archives/P20121212.html

出典 NHK総合テレビ「ためしてガッテン」2012.12.12
版権 日本放送協会
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ARDS

2012-12-06 07:54:02 | 医療一般
著明な歌舞伎役者(57)が2012年12月5日に肺炎による呼吸不全、 ARDS(急性呼吸窮迫症候群)により亡くなられたというニュースがあった。
まだ60歳前の若さということでご冥福をお祈りします。

さて一医師としてどうしても気になるARDS(急性呼吸窮迫症候群)。
普通は何らかの原因がある筈。
食道がんの手術、それに伴う化学療法そのものによる間質性肺炎、免疫力低下に伴う肺炎の合併など。
個人情報の保護ということもあるのでしょうが、突然起こる怖い病気というイメージだけが一人歩きしないことを祈るばかりです。


社団法人日本呼吸器学会 - 急性呼吸不全・ARDS
http://www.jrs.or.jp/home/modules/citizen/index.php?content_id=36
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