文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
執筆依頼、献本等歓迎。

今日の稲川

2021-12-11 20:53:23 | 旅行:山口県

これは、秋芳洞から流れ出している稲川。もうすっかり冬景色である。右側が黒くなっているのは、おそらく無意識に指がかかっていたんだろうと思う。まあ、ご愛敬ということで・・・。

 

 

 

 

 

 

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銭形平次捕物控 062 城の絵図面

2021-12-11 10:08:31 | 書評:小説(ミステリー・ホラー)

 

 ある日、平次の下を石津右門、大垣伊右衛門という二人の侍が訪ねてきた。右門は、奥州にある、さる大藩の国家老で、右衛門は、江戸の留守居役ということである。

 去年の大嵐で、城の石垣や天守などが大破したのでその修理をすることにしたのだが、そのためには絵図面を引いて公儀の許可を受けないと謀反とみなされるかもしれないという。

 この絵図面を引いたのが、江戸は神田末広町に住む柏木藤兵衛という有名な城大工の棟梁。城の修復を公儀に願い出ようとした前の日、藤兵衛が、自分の引いた絵図面の中に気に入らないところがあるからと、この図面を借りだしたという。

 ところがこの絵図面が、違う絵図面と入れ替わっており、おまけに城の修理を籠城の用意だとして、謀反の企てがあると公儀に訴えるとの投げ文があった。

 この事件で、藤兵衛は自害してしまい、困った侍たちは平次に知恵を借りに来たというわけだ。

 もちろん三輪の万七の誤認逮捕もあるし、平次が景気よく銭を投げる場面もある。

 結局は恋に狂ったバカな娘と妾狂いで参勤交代を行おうとしない殿様が悪いのだが、平次の心には寒々としたものが残ったようだ。

☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

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花二題

2021-12-10 17:43:14 | 旅行:山口県

 まだ年が明けてもないのに、実家の近くを歩いていると、道端にスミレが咲いているのに気付いた。これから本格的に寒くなるというのに、せっかちなことだ。

 もう少しあるくと、なんとシロバナタンポポが咲いていた。私が子供のころは、シロバナタンポポばかりで、タンポポの花の色は白いものと思っていたが、全国的にはタンポポは黄色い花と言う認識のようだ。だからごくまれに黄色いタンポポを見つけるとうれしくなった。ところが最近は、故郷でも黄色いタンポポが増えており、シロバナタンポポはだいぶ減った。まだ生き残っているのを見ると、本当にほっとする。

 

 

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孤道

2021-12-09 08:27:38 | 書評:小説(ミステリー・ホラー)

 

 本書は、内田さんが毎日新聞に連載していたものだが、執筆途中で脳梗塞で倒れて休載を余儀なくされ、執筆継続が困難になったため、解決編を公募したという作品である。残念ながら、内田さんはその後83歳で亡くなられたのは、ファンの一人として残念な限りである。

 さて、本書の内容だが、熊野古道にある牛馬童子が首を切られた事件に端を発する。そして首は行方不明。この事件は2008年に実際に会った事件だ。このように内田さんは、本当にあった事件をストーリーに絡めて展開していく。但し、この作品では、その事件以後の2回目と言う設定である。

 牛馬童子と言うのは、熊野古道の中辺路にある50cmくらいの石像で、花山法皇の旅姿を模したものといわれている。作られたのが明治時代だそうだから、歴史的な価値はあまりない。しかし、姿がかわいらしいので人気スポットになっているという。

 そして、田辺には、浅見の後輩の鳥羽映祐が大毎新聞田辺通信部特派員として赴任していた。その鳥羽が普段世話になっているのが田辺市役所の鈴木真代。その夫の義弘が大阪の八軒家で殺される。八軒家は、熊野古道の起点となるところだった。鈴木家は、昔の大地主だった。しかし、浅見が鳥羽に対して先輩風を付加しているような感じがするのが面白い。

 この鈴木というのも、熊野三山にゆかりのある名字らしい。俗に「佐藤、鈴木はなんとやら」というが、高校までは廻りにどちらの名字の人もいなかった。大学になってやっと、鈴木と言う名字と巡り合えたくらいである。

 それはさておき、解決編を公募した位だから、この巻は問題提起編という性質が強い。この巻で登場した真の継体天皇陵とされる今城塚古墳。京都大学の地震観測所を設置する際に見つかった藤原鎌足の墓とみられる阿武山古墳と、それを巡る地震観測所と考古学研究室との争いなど、色々と種は巻かれているようだけど、解決編でどのように纏められるのか楽しみ。

 

 

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何度、時をくりかえしても本能寺が燃えるんじゃが!?(1)

2021-12-07 10:37:22 | 書評:その他

 

 本能寺と言えば、織田信長だろう。破天荒な戦国大名信長は、結構なファンも多いと思う。ただ、こういう人が上司になるのは遠慮したい(笑)

 信長は、明智光秀に裏切られ、本能寺でその最後を迎えた。もっとも今京都に現存する本能寺は、信長の時代の本能寺とは場所が変わっているらしい。この漫画は、信長が死に戻りをして、なんとか本能寺のバッドエンドを回避しようというものだ。

 信長は考える。光秀の裏切りを防ぐには、その前に亡き者にすればいい。ということで本能寺の変の7年まえに手打ちにした。しかし、光秀の代わりに、他の部下が裏切る。今度はその部下を殺すと別の部下がと何度繰り返しても、燃えている本能寺に戻り、結局バッドエンドになってしまう。

 何度かこれを繰り返して、どうして光秀が反乱を起こすのか、その訳を知った信長は、今度は光秀に自分の力で状況を変えろと言う。

 要するに一種の信長のパロディものだが、パロディはとにかく笑えることに価値がある。その点これはそこかしこで吹き出しそうになる。

 最後に、本能寺が燃えてない代わりに、光秀が信長より迫力のある武将になって攻めてきている。この巻はここで終わっているが、この後どう展開していくのだろう。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

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半七捕物帳 61 吉良の脇指

2021-12-05 12:23:58 | 書評:小説(ミステリー・ホラー)

 

 

 江戸時代の煤掃きは12月13日と決まっており、これは江戸城の煤掃きがこの日に行われたことか習慣になったらしい。この次の日の14日が赤穂浪士が吉良邸に押し入った日である。

 その吉良上野介が使っていた脇差。これがかたき打ちに使われたというのが、今回半七老人の語る話だ。半七老人に言わせると、

「それが又おもしろい。吉良の脇指がかたき討ちに使われたんですからね。物事はさかさまになるもので、かたきを討たれた吉良の脇指が、今度はかたき討ちのお役に立つ。どうも不思議の因縁ですね。」


ということらしい。

 今回の話は、五百石取りの旗本福田左京に起こった事件である。笹川という仕出し屋を兼ねた魚屋の娘お関は、ここに妾奉公に出ていたが、本妻が無くなったため、今ではお関が本妻同様になっているという。

 それだけなら特に事件でもなんでもないのだが、この福田家の主で旗本の左京が、お関と共に、中間の伝蔵という男に殺された。それも左京の枕元にあった、吉良の脇差を使ってだ。伝蔵は女中のお熊と密通をしており、本来は両者ともクビになるのだが、伝蔵は小才覚があるということで残されたらしい。

 実は福田左京は養子で、本家は隣にある高木という旗本。呆れたことに伝蔵、子の高木の家にやってきて、主殺しが表向きになれば、福田の家はとり潰されると恐喝しようとしたのだ。この他にも、ずうずうしくも昔馴染みを強請ろうとする。そして、お熊が奉公して道具屋の遠州屋才兵衛が殺される。もちろん伝蔵の犯行だ。

 そして、伝蔵に鉄槌を下すのが、お関の弟の鶴吉で、姉のかたきを討つために使われたのが、曰くのある吉良の脇差というわけである。しかし、伝蔵のクズっぷりもここまでいくと見事なものだ。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

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どうしても破滅したくない悪役令嬢が現代兵器を手にした結果がこれです1

2021-12-03 08:21:27 | 書評:その他

 

 この作品を一言で言えば、なろう系異世界悪役令嬢ものとでも言おうか。主人公が乙女ゲームの悪役令嬢として、生まれ変わって、バッドエンドを回避するために色々とやらかしちゃうというもの。悪役令嬢にはバッドエンドがつきものなのだが、そうなってしまうと、自分は追放、家は潰されてしまう。

 主人公は公爵家令嬢のアストリッド・ゾフィー・フォン・オルデンブルグ(通称アストリッド)。前世ではミリオタ女子大生だが、気が付けば乙女ゲームの世界で、4歳の養女になっていた。持ち前の魔力とミリオタ知識で、なんとかバッドエンドになる未来をぶっ壊そうと、アストリッドの快進撃が始まる。いざとなったら、国ともケンカできるような力をつける。そう4歳の幼女でも、中身は大人なのだ。

 タイトルにある現代兵器というのは、彼女がミリオタの知識と魔法を組み合わせて、それに近いものをつくるというわけだ。いくらミリオタでも、銃の細かい構造などは知らない。そこで登場するのが地の精霊ノームというわけだ。見た感じは小さいおじさんなのだが、アストリッドの考えたものを完璧に仕上げてくれる。要するに細かいところは丸投げというわけだ。

 これまで、色々な悪役令嬢ものを読んだが、これだけ主人公がはちゃめちゃに暴れるのはそうないだろう。今後の展開がなんとも楽しみ。

☆☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

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のろいまんじゅう

2021-12-01 09:47:45 | 書評:小説(その他)

 

 本書は、「けんか餅」に続く、「お江戸豆吉」シリーズ第二弾である。もちろん主人公は若旦那と豆吉。この若旦那、菓子職人としての腕はいいのだが、なにしろケンカ早く、体も大きく顔も怖い。実家は菓子屋の大店なのだが、客とケンカして、修行のために今やっている小さな店を任されている。そのお目付け役が豆吉というわけだ。実はこの若旦那、見かけによらず、優しいところもあり面倒見もいい。豆吉も最初は怖がっていたが、最近は慣れてしまったようである。

 今回は、なんと若旦那のつくるまんじゅうが「のろいまんじゅう」だというのだ。もちろん風評被害なのだが、江戸時代は、今よりずっと迷信がはびこっていた時代だ。おまけに、江戸時代は「流行り神」といってご利益があればみんなぱっと飛びいて大盛況になるが、熱狂が覚めたら引き潮が引いていくようにさっと人が去っていく。そういうことが珍しくない時代だ。

 若旦那のつくるまんじゅうも、そんな例にもれず、噂の発生元は分かっているものの、その手を離れても風評被害は続く。果ては読売(瓦版)にも載る始末。さて豆吉たちは、どのような手で風評被害を鎮めるのか。

 「のろいまんじゅう」の風評は、本当にしょうもないことから始まっているのだが、こんなことに飛びつくのが人の性。しかし、なにが風評の引き金になるか分からないものだ。最後は、若旦那と豆吉の店の名前も決まってめでたしめでたし。おまけに所々に「豆吉のお江戸豆ちしき」というページが挿入されており、読めばいっぱしのお江戸通になれるかも。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

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