本書は、新谷かおるさんのクリスティ・ハイテンションの続編であるクリスティ・ロンドンマッシブの3巻目となる。ペンネームや絵柄から新谷さんを女性漫画家と思っている人もいるかもしれないが、男性漫画家である。本名は新谷薫で、ペンネームは名前を平仮名表記にしたものようだ。
この作品は、2011年から2017年にかけてコミックフラッパーに連載されたもので、ビクトリア女王の孫で公爵令嬢かつあのシャーロック・ホームズの姪であるクリスティ(フルネーム;クリスティ・クリスタル・マーガレット・ホープ)が、ロンドンで起きる事件に挑むというもの。
なお、クリスティの理想の人は伯父のホームズだが、メイド長のノーラから、「ハードル高過ぎ」と思われている。それでも、この巻には、未来の夫となるジョージ・グラハム・ハートが結構出てくる。
もちろんホームズの宿敵であるモリアーティ教授も出てくる。この作品で描かれているモリアーティは、悪党の面といい人の面を両方見せている。人には二面性があるということだろう。クリスティのことはなんだかんだ言っても、結構気にいっているようだ。もちろんホームズも姪を溺愛しており、モリアーティに「もし悪の世界に引き込んだら、非合法な手を使っても葬る」と釘を刺している。
今回のクリスティが挑むのは、レイトン男爵殺人事件。彼とポーカーでボルネオの銅鉱山を手に入れたアップウッド大佐が犯人だと推理して、彼を追い詰めていく。その証拠を得るためにロンドン警視庁の署長を含めて、みんなでゴミあさりをしている場面がなんとも面白い。
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