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文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
執筆依頼、献本等歓迎。

空虚成分

2020-12-24 09:04:15 | 書評:小説(SF/ファンタジー)

 

 本書は、全部で7編の短編集だ。この作家は、私には初めての作家さんなので、調べてみると、三田文学を中心に書いているらしい。

 どの作品も不思議なことを味付けとしている。表題作の「空虚成分」では、父親の幽霊が出てくるし、「ヒエログリフの鳥」と言う作品では、ミニロトの当選番号をしゃべるセキセイインコが出てくる。しかし、別にホラーという訳ではない。全体を通すと、大きなヤマのようなものはない。

 本書を読んでまず思ったのが、プロローグ集のようだということ。どの作品を読んでも、そこから発展しそうな感じなのだが、そこで終わっている。

 例えば、「空虚成分」とは、ドーナツの穴から発見された成分という設定である。成長期の子供に悪影響を与え、多くのドーナツ店が閉店に追い詰められたという。主人公はこのことを新聞で読んだ記憶があるのだが、叔父からそれエイプリルフール新聞だと言われた。しかし、このことをはっきりとはさせていない。普通はそこから物語が発展していくのだが、この作品では、叔父とボウリング勝負をして終わっている。 

☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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