![]() | 鉄人28号 (続1) (光文社文庫COMIC SERIES) |
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光文社 |
・横山光輝
実家近くの図書館でなんとも懐かしい漫画を見つけた。それがこの作品である。もちろんオリジナルではないが、文庫本として復刻されたものである。時間がなかったので5巻までしか読む暇がなかった。
作者は2004年に鬼籍に入ってしまわれたが、この文庫が刊行されたのが1997年なので、このときはまだご存命中だった。しかし、著者の手元に原稿が保存されていなかったため、すべて雑誌から直接複写して復刻したとのこと。また本誌から別冊付録に続いたり、次号への続きで重複する部分、当時の広告スペースでの不適切表現等、多少の加除修正を行ったという。
こういった事情によるためか、巻から巻にうまく話が繋がっていない。例えば1巻では不乱拳博士の作った人造人間が出てくる(要するにフランケンシュタインの怪物ですな)。この話で、不乱拳博士は、ギャングのボスであるスリル・サスペンス(ネーミングセンスもすごい)に脅かされているのだが、2巻ではこのスリル・サスペンスはいなくなり、不乱拳博士は謎の黒装束の一団と、ブラックオックスというロボットを作っている。どうも巻の間で、不乱拳博士は一度死んで生き返ったようだが、話が飛んでいるのでそのあたりの事情がよく分からない。3巻目ではいきなりギルバートという巨大ロボットが出てくるし。
懐かしさはあるものの、正直現代の漫画と比べれば、絵柄はよく言えば牧歌的、悪く言えば・・いやいや止めておこう。
鉄人を操るのは、ショタコンの語源ともなった金田正太郎。要するに子供だ。しかし昔の漫画には多いのだが、ツッコミどころ満載である。なにしろ子供のくせに車は運転するわ、拳銃はぶっ放すわ・・。いつ警察に逮捕されてもおかしくないレベルだと思うのだが、なぜか警察の大塚所長とは友達付き合い。
4巻では巨大アリが出てくるが、そのアリの目が、複眼ではなく瞳のある普通の動物の目。ちょっとかわいい。また、武器の蟻酸を尻から出なく、口から出す。
また、1巻で出てきたとき鉄人は確かに大きいが巨大ロボットというほどではない。それが、いつの間にか巨大ロボットになってしまっている。そういえば、子供の頃実写版の鉄人28号をテレビで視た覚えがあるが、あれは鉄人が人間大でいかにも着ぐるみという感じであり、本当にショボかった。でも子供の頃は夢中になっていたんだよなあ。あの頃の素朴で純粋な時代が懐かしい(笑)。
☆☆☆
※初出は「風竜胆の書評」です。