・(原案)武論尊・原哲夫、(シナリオ)河田雄志、(作画)行徒妹、(協力)行徒
「イチゴ味」と後ろについていることから想像できるように、この作品は「北斗の拳」のパロディだ。元々は「北斗の拳」30周年記念の企画から始まったらしい。
もっとも主人公はケンシロウではない。原作では、北斗神拳と双璧をなす南斗聖拳最強の男だったはずの聖帝サウザー君なのだ。いや、「君」をつけたくなるような愛されキャラなのだ。
これが二頭身キャラだったりしたら分からないこともないのだが、この作品では原作通りの濃いキャラたちが、おバカを繰り広げている。しかしケンシロウは完全にモブキャラになって、この作品を一言で表せば「サウザーと愉快な仲間たち」といったようなところか。
とりわけ濃いのがアインと羅将ハーン。後者に至っては強者=非童貞、弱者=童貞という判断基準しかないらしい。 アインも、なんだかよく分からないキャラのまま南斗五車星に入れられてしまった。その名も星のアインだって。
描かれているのは、サウザーのケンシロウに対するツンデレ、どんな怪我でもバンソコーを貼れば大丈夫というやせ我慢ぶり、カレー好きでおちゃめでお調子者、ホント、アホなサウザー君の姿である。もう本編の面影はどこにもない(笑)。
ところで、原作で、サウザーの足をナイフで刺した、ターバンの小僧。この作品では、屈強なはずの漢たちを誰かれ構わずにいきなりナイフで刺しているが、もしかして、こいつが作品のキーマンだったのか?
それにしても、南斗五車星の扱いがひどい。特に「風のヒューイ」(笑)。
☆☆☆☆
※初出は、
「風竜胆の書評」です。