めくりめくる 4巻 (ガムコミックスプラス) | |
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ワニブックス |
この作品は、倉敷を舞台に繰り広げられる、とっても可愛らしい女子校生たちの青春群像を描いたものだ。特に大事件が起きるというわけではない。ドラマチックな出来事などもない。描かれているのは、彼女たちの日常風景。友達と遊んだり、男の子のことが気になったり。どこにでもあるありふれた光景だ。
しかし、それこそが青春の1頁。特別なことが無くとも、キラキラと輝いていたあの時代。人はそれをノスタルジーと呼ぶのかもしれない。そう、この作品は、ノスタルジーをいたく刺激するのだ。
例えば、岡咲瑠華という少女の話。気になる日高君と携帯番号を交換して喜んでいたところ、彼が携帯を水没させデータが消えてしまったらしい。番号を登録しなおしているところに、自分の番号を教えようとすると、「岡咲さんのは別に・・・」と言われて落ち込む。実はこれは、彼女の分は別にメモしているので聞かなくてもよかったという意味だったのだ。誤解が解けて、二人の仲はちょっとだけ進んだようだ。納められているどの話も、このようにちょっとした出来事を描いているのだが、とっても微笑ましいものばかりで心がほっこりする。
作者は、倉敷出身だということだ。そのせいだろうか、作品には倉敷の少女たちに対する暖かい眼差しを感じる。
☆☆☆☆☆
※本記事は、書評専門の拙ブログ「風竜胆の書評」に掲載したものです。