大学受験のときの話である。受検場の下見などもあるので、少し早めに京都入りして、宿に逗留していた。
記憶はだいぶ薄れているが、父が国鉄に勤めていたので、京都駅に近い、国鉄関係の保養所のようなとこに泊っていたと思う。隣の部屋とは襖で仕切られているだけで、見知らぬ他の受験生たち4~5人と相部屋だった。今は、みんな贅沢になっており、ホテルに一人泊る受験生も多いだろうが、当時は、それが普通だったのである。
その中に、一人、医学部受験生で、なぜか態度のやたらとでかいのが居た。医学部を受検するのを鼻にかけているというような言動が目立ち、自分が、この中で一番偉いという感じなのである。こんなヤツが医者になっても、絶対に診てもらわないと思ったが、幸いにも、その後、キャンパスで出会ったことは一度もなかった。合格したかどうかも知らない。
一日目の試験が終わったとき、隣の部屋から、試験について話しているのが聞こえてきた。部屋は、襖で仕切られているだけであり、隣の連中の声も大きかったので、聞くつもりはなくともよく聞こえたのだ。確か英語の試験の答えについて、得意そうに自分の書いた答えについて話していたと記憶しているだが、これがまったくのでたらめな答であり、こちらの部屋では何人かが失笑していた。
何しろ、田舎の高校から出てきたので、同じ大学を受ける仲間もおらず、受験生のレベルもよく分からなかった状況だったが、隣の部屋に泊まっていた諸君のおかげで、いっぺんに気分が軽くなった(笑)。
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本記事は、2006年05月01日 で「時空の流離人」に掲載したものに加筆訂正を加えたものです。
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