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文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
執筆依頼、献本等歓迎。

銭形平次捕物控 083 鉄砲汁

2022-01-26 14:01:14 | 書評:小説(ミステリー・ホラー)

 

 鉄砲汁というのはフグ鍋のこと。河豚を鉄砲と言うのは当たれば死ぬというしゃれらしい。この話では河豚鍋を食べた3人のうち一人が当たって死んだという。

 本書はいつものように、ガラッ八が平次の所に飛び込んでくるところから始まる。今回は八がいつもと違い景気がいい。金には縁のないはずの八が大金を持っているので、盗んだんじゃないかと八を詰問する平次だが、話を聞いてみると、八が二分で買った脇差が十両で売れたという。実はおまけにつけた根付の方が本命だったのだが。

 ところが、脇差を買った浜町の吉三郎と言う男が河豚の毒に当たって死んでしまう。いっしょに河豚鍋を食べたのが、唐人お勇という女と御家人喜六という浪人者らしい男。殺人事件で、その背景には抜荷という犯罪があった。

 この話では平次は散々な目にあう。毒殺されそうになったり、家に放火され焼け出されたり。そして最後には景気よく投げ銭をしている。曲がったことが大嫌いで、岡っ引きの余禄には縁がなくビン豪暮らしの平次のこと、あとで恋女房のお静さんに怒られないかな。それが少し心配になった。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

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銭形平次捕物控 005 幽霊にされた女

2022-01-12 10:50:22 | 書評:小説(ミステリー・ホラー)

 

 この物語もいつものように、子分のガラッ八が平次の所に飛び込んでくるところから始まる。花川戸で質両替屋を営んでいる近江屋の小町娘のお雛が行方不明になり、遺体が出てこないが、占い師が、お雛の幽霊が、体の代わりに、300両を棺桶に入れて祖先の墓の傍に埋めてくれと言ったというのだ。

 しかしこれを詐欺だと見抜いた平次は、近江屋に出向きこう言う。

「お聞きでしょうが私は滅多なことで自分から飛出しません。お上の御用は勤めておりますが、人に縄を打つ商売の浅ましさを、つくづく知っているからでございます。ところが、子分の者の話や、世上の噂で、お宅のお嬢様の災難を聞いて、あまりの事にジッとしていられなくなって、ツイ押付けがましくやって来たようなわけでございます」



他の話を読んでも、平次は大分出不精のように書かれている。平次が出るときは、それだけの理由があるときであり、イメージがテレビドラマなどで描かれる平次とは違うのである。

 まあこれは十手を預かる者としてそれでいいのかとも思わないでもないが、ライバル?の三輪の万七親分のように、しょっちゅう誤認逮捕をやっているよりはましだろう。

 もちろん最後には、平次が事件を解決して、見事お雛を助け出すのだが、この作品では、珍しく平次の投げ銭の場面がある。昔は、1事件に1回は投げ銭の場面があると思っていたのだが、このシリーズを読むようになると、意外に投げ銭をしている場面は少ないことに気が付く。平次は貧乏暮らしと言う設定なので、あまり景気よく投げ銭をしているとお静さんに怒られるのかな?

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

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壺霊 下

2022-01-08 20:43:59 | 書評:小説(ミステリー・ホラー)

 

 だいぶ前に上巻のレビューを書いたまま、解決編となる下巻が行方不明になっていたこの作品。調べてみると、2014年の8月にレビューを書いたようだから、本当に久しぶりだ。この作品も内田さんの浅見光彦シリーズの一つである。

 本書は、京都新聞に10ヵ月に渡り連載していたものに大幅に加筆したものだと言う。内田さんの最後の作品となった「孤道」も毎日新聞に連載(未完)されていたものだ。調べてみると、他にも新聞に連載していた作品が結構あるようである。

 光彦は、この作品では、京都に来ている。京都高島屋にある「ダイニングガーデン京回廊」を取材するためだ。調べてみると、実際にあるレストラン街で、京都高島屋の7階にあるようだ。内田さんの作品は、実際にある場所や、実際の事件がよく出てくるので、旅行を考えるうえでいい参考になるだろう。

 光彦は、「ダイニングガーデン京回廊」の取材に来たはずなのに、いつものように事件に巻き込まれる。事件と言うのは7年前の大勝涼矢が死亡したもの。彼は「都とねたい」というダイイングメッセージを残していた。都というのは大勝の妻である。そして上田京子の殺人事件。

 この作品は寂光院放火事件と殺人事件、紫式部と名付けられた高麗青磁の壺などを結び付け、良くミステリーとして纏めていると思う。ただ光彦は珍しく迷探偵よろしく、最初は犯人を間違えていたのだが。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

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半七捕物帳 13 弁天娘

2021-12-25 08:52:20 | 書評:小説(ミステリー・ホラー)

 

 この話も、半七捕物帳の一つだ。他の話と同じ様に半七老人が私に思い出話を語るような体裁になっている。神田明神下に店を構える山城屋と言う質屋の番頭が半七を訪ねてきたことから、話が始まる。

 この山城屋に、今年16になる徳次郎と言う小僧がいた。この徳次郎が急に口中が腫れあがって、口を利けなくなり、とうとう息を引き取ったという。ところが、死に際にお此に殺されたといったいうことで、兄で魚屋を営んでいる徳蔵が300両払えと因縁をつけてきたというのだ。

 口を利けないはずの徳次郎がどうやって、徳蔵に、お此に殺されたといったんだろうか。筆談で伝えたのだろうか。そのあたりは何も書かれていないが気になるところだ。

 ところで、このお此は弁天娘と言われて、親が不忍池の弁天堂に37日の間日参してやっと授かった子だという。そのせいか、弁天様の申し子と同じに独り身でいなければならないといわれていたのだ。おかげで縁遠くなり、二十六七になってもまだ家にいるという。

 この当時は数え年だから、数えの二十六七と言えば、満年齢だったら、二十四から二十六の間か。今だったら普通だが昔は女子は早婚だった。半七も

「番頭さん。一体あのお此さんという子は、なぜいつまでも独りでいるんですね。いい子だけれども、惜しいことにちっと薹が立ってしまいましたね」

と結構酷いことを言っている。

 ところが、今度は徳蔵が殺される。そして犯人は意外な人物。徳次郎の事件の真相は、不運に不運が重なったというところか。しかし、徳次郎16にもなってそんなことやるかな。お此もそんな反応するかなといったところ。そして最後は悲劇で終わった。それにしてもこのお此さん、人騒がせである。

☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

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麻布暗闇坂殺人事件 耳袋秘帖

2021-12-23 11:20:48 | 書評:小説(ミステリー・ホラー)

 

 元祖入れ墨奉行根岸鎮衛が活躍するこのシリーズ、今回は麻布が舞台である。あまり、土地勘はないのだが、麻布は坂の街のようだ。何しろ、この辺りを縄張りとしていた元岡っ引きが「坂の才蔵」と呼ばれていたくらいだ。

 タイトルにある暗闇坂というのは、麻布にたくさんある坂のひとつで、昼なお暗いところからその名がついていた。この暗闇坂で大八車による事故が起こる。大八車を後押していた二人のうちの一人が倒れたため、一人ではその荷重をささえきれなくなり、荷車は、勢いをつけて、後ろに暴走し、たまたま歩いていた娘に激突し、命を奪ったのである。そして、仙台坂というところには石のお化けが出るという。地響きを上げて転がってきた石が、消えてしまうというのだ。実は、この話、色々な裏がある。そして暗躍する闇の者。

 登場人物は、根岸鎮衛のほか、お馴染み、根岸の家来の坂巻弥三郎、南町奉行所同心栗田次郎左衛門。深川芸者の力丸姐さん。油問屋魏山堂の主人孝右衛門、彼が昔手代として働いていた油問屋長七屋の主人の息子の長八、番頭勘助の息子で長八とはいとこになる勘七など。そしてこの話では霊が結構活躍する。

 このお奉行、ものすごくパワフルだ。なにしろ、南町奉行に任じられたのが数えの62歳のとき。そして、深川芸者の力丸姐さんという若い彼女もいる。妻のお鷹には先立たれているが、時々その幽霊が会いに来る。幽霊と言っても別に恨みがあって化けて出てくるわけではない。ただ世間話をしにくるだけのことなのである。

☆☆☆

 

 

 

 

 

 

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紅のアンデッド 法医昆虫学捜査官

2021-12-17 09:03:10 | 書評:小説(ミステリー・ホラー)

 


 法医昆虫学とは、昆虫の生態を犯罪捜査に活かしていくという学問分野である。この「法医昆虫学捜査官」シリーズは、法医昆虫学に取り組む赤堀涼子を主人公とするものだが、この「紅のアンデッド」はシリーズ6巻目にあたる。

 今回の殺害現場には、大量の血液といっしょに、生活反応のある小指(つまり、生きているうちに切られた)が3人分残されていた。だたし被害者の死体は消えている、

 主要な登場人物は、赤堀涼子と、警視庁の岩盾祐也警部補。岩楯は、なんやかんや言いながらも赤堀のいい理解者である。また岩楯は所轄の刑事と組むのが慣例のようになっているが、今回その役を務めるのが鰐川宗吾刑事。このシリーズによく登場しているお馴染みさんだ。プロファイラー志望で、ノートをいつも持ち歩いている。ちなみに、今使っているノートは事件発生後一月で325冊目だそうだ。歳は31歳で、歳の割に気の毒なほど髪が薄いと言う設定だが、なんと今回は新婚さんとして登場している。

 このシリーズ、色々重要な役を果たす昆虫が出てくるが、今回はアオバアリガタハネカクシ。通称は「やけど虫」といい、体液が体につくと、ひどい炎症を起こす。だから、うっかりつぶしたりしてはいけない。もちろん赤堀先生は、しっかりこの虫の洗礼を受けている。

 この巻で、特に言っておきたいことは二つ。一つ目は、浜松町の騒音ビルのワンフロアに捜査分析支援センターが作られ、赤堀先生はそこの所属となっている(ただし大学と兼任)ということだ。所員は、プロファイルの専門家広澤春美(43歳の長身美人と言う設定)と、捜査技術開発担当の波多野光春(還暦間近で、鑑定技術の開発研究に半生を捧げてきたという設定)。いずれも結構クセがある。特に波多野は、苦虫をかみつぶしたような顔をしているのがデフォだ。この二人が、だんだんと赤堀屋法医昆虫学のことを認めていくというのもこのシリーズのテーマのひとつだろう。

 二つ目は、事件に絡んで、赤堀先生の過去が明らかになる。なぜ彼女は法医昆虫学に出逢ったのか。結構重い話だ。

 タイトルについて考察してみた。紅は血の色もしくはコチニールカイガラムシ。それから取れる染料はワームベリーと呼ばれ、天然素材の中で唯一燃えるような紅に染めることができるらしい。アンデッドはは、別にラノベなどによく出てくるモンスターは出てこないので、死んだと思っていたあの人が実は生きていたということかな。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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銭形平次捕物控 062 城の絵図面

2021-12-11 10:08:31 | 書評:小説(ミステリー・ホラー)

 

 ある日、平次の下を石津右門、大垣伊右衛門という二人の侍が訪ねてきた。右門は、奥州にある、さる大藩の国家老で、右衛門は、江戸の留守居役ということである。

 去年の大嵐で、城の石垣や天守などが大破したのでその修理をすることにしたのだが、そのためには絵図面を引いて公儀の許可を受けないと謀反とみなされるかもしれないという。

 この絵図面を引いたのが、江戸は神田末広町に住む柏木藤兵衛という有名な城大工の棟梁。城の修復を公儀に願い出ようとした前の日、藤兵衛が、自分の引いた絵図面の中に気に入らないところがあるからと、この図面を借りだしたという。

 ところがこの絵図面が、違う絵図面と入れ替わっており、おまけに城の修理を籠城の用意だとして、謀反の企てがあると公儀に訴えるとの投げ文があった。

 この事件で、藤兵衛は自害してしまい、困った侍たちは平次に知恵を借りに来たというわけだ。

 もちろん三輪の万七の誤認逮捕もあるし、平次が景気よく銭を投げる場面もある。

 結局は恋に狂ったバカな娘と妾狂いで参勤交代を行おうとしない殿様が悪いのだが、平次の心には寒々としたものが残ったようだ。

☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

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孤道

2021-12-09 08:27:38 | 書評:小説(ミステリー・ホラー)

 

 本書は、内田さんが毎日新聞に連載していたものだが、執筆途中で脳梗塞で倒れて休載を余儀なくされ、執筆継続が困難になったため、解決編を公募したという作品である。残念ながら、内田さんはその後83歳で亡くなられたのは、ファンの一人として残念な限りである。

 さて、本書の内容だが、熊野古道にある牛馬童子が首を切られた事件に端を発する。そして首は行方不明。この事件は2008年に実際に会った事件だ。このように内田さんは、本当にあった事件をストーリーに絡めて展開していく。但し、この作品では、その事件以後の2回目と言う設定である。

 牛馬童子と言うのは、熊野古道の中辺路にある50cmくらいの石像で、花山法皇の旅姿を模したものといわれている。作られたのが明治時代だそうだから、歴史的な価値はあまりない。しかし、姿がかわいらしいので人気スポットになっているという。

 そして、田辺には、浅見の後輩の鳥羽映祐が大毎新聞田辺通信部特派員として赴任していた。その鳥羽が普段世話になっているのが田辺市役所の鈴木真代。その夫の義弘が大阪の八軒家で殺される。八軒家は、熊野古道の起点となるところだった。鈴木家は、昔の大地主だった。しかし、浅見が鳥羽に対して先輩風を付加しているような感じがするのが面白い。

 この鈴木というのも、熊野三山にゆかりのある名字らしい。俗に「佐藤、鈴木はなんとやら」というが、高校までは廻りにどちらの名字の人もいなかった。大学になってやっと、鈴木と言う名字と巡り合えたくらいである。

 それはさておき、解決編を公募した位だから、この巻は問題提起編という性質が強い。この巻で登場した真の継体天皇陵とされる今城塚古墳。京都大学の地震観測所を設置する際に見つかった藤原鎌足の墓とみられる阿武山古墳と、それを巡る地震観測所と考古学研究室との争いなど、色々と種は巻かれているようだけど、解決編でどのように纏められるのか楽しみ。

 

 

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半七捕物帳 61 吉良の脇指

2021-12-05 12:23:58 | 書評:小説(ミステリー・ホラー)

 

 

 江戸時代の煤掃きは12月13日と決まっており、これは江戸城の煤掃きがこの日に行われたことか習慣になったらしい。この次の日の14日が赤穂浪士が吉良邸に押し入った日である。

 その吉良上野介が使っていた脇差。これがかたき打ちに使われたというのが、今回半七老人の語る話だ。半七老人に言わせると、

「それが又おもしろい。吉良の脇指がかたき討ちに使われたんですからね。物事はさかさまになるもので、かたきを討たれた吉良の脇指が、今度はかたき討ちのお役に立つ。どうも不思議の因縁ですね。」


ということらしい。

 今回の話は、五百石取りの旗本福田左京に起こった事件である。笹川という仕出し屋を兼ねた魚屋の娘お関は、ここに妾奉公に出ていたが、本妻が無くなったため、今ではお関が本妻同様になっているという。

 それだけなら特に事件でもなんでもないのだが、この福田家の主で旗本の左京が、お関と共に、中間の伝蔵という男に殺された。それも左京の枕元にあった、吉良の脇差を使ってだ。伝蔵は女中のお熊と密通をしており、本来は両者ともクビになるのだが、伝蔵は小才覚があるということで残されたらしい。

 実は福田左京は養子で、本家は隣にある高木という旗本。呆れたことに伝蔵、子の高木の家にやってきて、主殺しが表向きになれば、福田の家はとり潰されると恐喝しようとしたのだ。この他にも、ずうずうしくも昔馴染みを強請ろうとする。そして、お熊が奉公して道具屋の遠州屋才兵衛が殺される。もちろん伝蔵の犯行だ。

 そして、伝蔵に鉄槌を下すのが、お関の弟の鶴吉で、姉のかたきを討つために使われたのが、曰くのある吉良の脇差というわけである。しかし、伝蔵のクズっぷりもここまでいくと見事なものだ。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

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銭形平次捕物控 060 蝉丸の香爐

2021-11-27 09:32:50 | 書評:小説(ミステリー・ホラー)

 

 蝉丸と言うのは、小倉百人一首にも歌が収録されている琵琶法師の歌人であるが、その実態はよく分かっていない。その蝉丸ゆかりの香炉というのが、今回の事件の中心となる。

 事件は、町人ながらも名字帯刀を許された玉屋金兵衛という商人が、新年の大香合せに使うため、さる大々名から借りた青磁の蝉丸の香爐が紛失したところから始まる。香炉が見つからないと、その大名に迷惑がかかるだけでなく、金兵衛自身も自分の命で償わないといけないという。金兵衛の依頼で解決に乗り出したのが平次というわけだ。

平次がこの事件に乗り出したのは、

大名高家では、青磁の香炉一つと、人間の命と釣替に考えているやうだが、こちとらの眼から見れば、猫の子のお椀と大した違ひがあるものか。そんな事で玉屋の主人が首でも縊るやうな事があつちや悪いと思うから乗出す気になつたのさ。俺は寶物の詮議など、本來なら真平だよ


 このあたり、平次の考え方が分かるだろう。同時に平次が貧乏なわけもなんとなく見当がつく(笑)

 疑いをかけられたのが、金兵衛の娘お幾の友人のお糸。お糸は、本郷で古道具屋をやっている與次郎の娘だ。この與次郎が平次のところにやってきて、金兵衛のところの番頭・甚助がお糸をつれていったというのだ。もし大名に渡されればお糸は殺されてしまうだろう。実はお糸は金兵衛の息子の金五郎と良い仲になっている。與次郎が言うには、同じ町人の番頭風情が、お上でもないのに、他人の娘を誘拐するようにつれていっていいのかということ。

 もちろん平次は、お糸を助け出すのだが、こんどはその甚助が殺される。そして死体の下には、刻印のない小判が落ちていた。調べていくと明らかになる23年前の事件との因縁。

 ところで、平次、テレビとは違って、原作小説では、ほとんど銭を投げる場面がない。これも貧乏暮らしをしているので、銭を投げすぎるとお静さんに叱られるのだろうか(笑)。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

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