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スティーヴ・ハミルトン「氷の闇を超えて」越前敏弥 訳

2011-01-25 | 読書
私立探偵小説コンテスト最優秀作・アメリカ探偵作家クラブ賞・アメリカ私立探偵作家クラブ賞受賞作

と沢山受賞しているが、今まで選択に迷うと、何かの受賞作なら読んでも安心かなと借りてきたが、案外期待はずれのものも多かった。

これも、どうかなぁと思いながら読み始めたが、ハミルトンのデビュー作というのに面白かった。
すぐに終了、シリーズで三冊出ているらしいので、続きを読んでみようかと思っている。

* * *

マクナイトの胸には、かってローズという男に撃たれた弾が残っている。彼が撃たれた時にパートナーが死んだ、それが心の傷になっている。
彼は二年後に警官を辞め、父親から譲られたミシガン湖畔のロッジを管理して暮らしている。

そこに知り合いの弁護士から、私立探偵にならないかと誘われて、話に乗る。

暫くして二人の賭け屋が殺される。そして終身刑で刑務所にいるはずのローズから手紙が来る。

ひょんなことで友人になった男は莫大な資産家の跡継ぎだったが、ギャンブルにおぼれ、その上、掛け屋の殺人現場に居合わせ、マクナイトに助けを求めてきた。
kの友人の妻とマクナイトはかって愛人関係にあり、今でも吹っ切れていない。

一方、刑務所にいるはずのローズの手紙は外部のものは知るはずのない部分まで書き込んであった。


そして、賭け屋は殺され、追われるものがなくなったはずの友人も行方が分からなくなる。

* * *

面白かった。
マクナイトは、若い頃マイナーリーグでキャッチャーだったという前歴があるが、肩を痛めて警官になり、今でも相棒だった同僚の死の記憶に苦しんでいる。

タフガイでもなく銃を向けることにも躊躇するマクナイトという探偵は、少々頼りない、主人公としてはあまりないタイプだが、いざとなれば拳と頭は働く。

作者が主人公に入れ込みすぎてない分それぞれの人物の輪郭が鮮明で、背景もよく動いている。

読者の推測に沿っているかと思えば、はぐらかされる腕も納得できる範囲で、最後のページをまだ残すところで解決の兆しが見えるという型どおりの作品だが、まぁこれもありだろう、と思う。

サブの登場人物も癖があっていい味だし、愛人とはこれからどうなるのかな、などとおせっかいながら読み終えた。
続きを見つけてこよう。

★5 最近苦労する長い作品が多いので抵抗なく読み安い分
   おまけにする。



読書

11 「新宿鮫4 無限人形」 大沢在昌 ★5
   やはり面白かった。5も借りてこよう。

12 「死の蔵書」 ジョン・ダニング ★4.5
   積読がやっと一冊減った。
   昔読んだ本が出てきて懐かしかったが、期待したほど
   緊張感はなかった。

13 「雪のひとひら」ポール・ギャリコ ★2
   感覚的に合わないことが分かった。
   名前につられて借りてきたが、
   気持ちがシンと落ち着いて、抒情歌でも聞こうかというような気分の
   時に読むのがいいかもしれない。

14.「氷の闇を超えて」スティーヴ・ハミルトン★5
   上記ブログ 



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