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ロバート・B・パーカー 「約束の地」

2011-01-17 | 読書

菊池光訳 ハヤカワ文庫
ペンサーシリーズの4作目。1976年MWA長編賞受賞


スペンサーシリーズも読もうと思っていたがこれが初めて。
発刊が古い、でも話は今でも新しい。

読みやすくて面白くすぐに終わった。スペンサーという探偵は、自分で認めているように、ハンサムで頭がよく、弁舌爽やか、鍛えているので喧嘩にも強い。ボクサーだった過去もある。主人公が格好がいいのは普通で(中には変った人も居るが)、頭が悪いと使い物にならないし。
恋人のステキなスーザン・シルヴァマンともうまくいっている。

* * *

仕事の依頼が来た。ハーヴィ・シェパードという男で、家出した妻を捜して欲しいと言う。
妻はすぐに見つかったが、家出の理由は愛されすぎて鬱陶しくなったからだそうだ。
家に戻りたがらないので、無理に連れて帰らないことにした。
夫は妻にもスペンサーにも隠していたが、高利貸しに莫大な借りがあって追い詰められていた。
そんなことを探り出すのはわけも無いことだった。
大物になりたい一心で土地開発に手を出し資金繰りに詰まったのだ。妻に誇示したいからだと思っていた。

妻が駆け込んだのは女性運動家のぼろアパートだった。
そこで、運動のために資金を作ろうとした運動家たちが銀行強盗をする話になっていた。
妻はそれに巻き込まれた。
仲間の一人が邪魔をした老人を射殺してしまう。

スペンサーはひそかに妻を連れ出して匿い、強盗が成功して10万ドルの資金ができた運動家の女たちが、銃を買うというので手伝いをする。
そして3%の手数料をとり、同額の夫の借金返済に充てることを思いついた。
金融会社のボスは裏では銃器ブローカーだった。

「約束の地」を決めてそこで取引をする。警察に裏で伝え、殺人を犯した銀行強盗の女たちを捕まえ、いっぽうで銃器の密売人も逮捕することにした。

* * *

というストーリーなのだが、気の利いた会話がてんこ盛りで面白い。
妻を愛しすぎて逃げられた夫は原因がそれだけなのか考える。
愛された妻はなぜ三人の子供まで捨てて逃げようとしたのか考える。

スペンサーと恋人は
愛し合っているのになぜ結婚しないのか考える。

気の利いたラブストーリーともいえる。だから
こ難しい展開は無く、ちょっと話に出てくるユダヤ人のこともかけて、「約束に地」でスペンサーが夫婦を解放する、モーゼもイエスさまもビックリの気の効いた題名になっている。


11作目 ロバート・パーカー「約束の地」 ★4





12作目 有川浩「ラブコメ今昔」

    陸・海・空に勤める自衛官のちょっとハートウォーミングな短編集。
    一作目は中年夫婦の馴れ初めを広報委員が取材する、あたたか~~い話でうまい。
    後はどたばたもあるがライトで読みやすい愛の話。
    面白いと貸してくれたがすぐ読み終わっていい気分になった(^^)
    ★3.5かな。
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