ゼロ・グラビティのアカデミー賞7冠を祝ってNASAが提供した実際の宇宙映像
監督 アルフォンソ・キュアロン
製作総指揮 クリス・デファリア 、ニッキー・ペニー 、スティーヴン・ジョーンズ
音楽 スティーヴン・プライス
脚本 アルフォンソ・キュアロン 、ホナス・キュアロン
出演 サンドラ・ブロック ジョージ・クルーニー エド・ハリス
我が家の小画面(笑)でも宇宙は美しく、無重力の中で作業をする様子は息が詰まりそうだった。
アカデミー賞では多くの部門で受賞し、莫大な興行成績を上げて、レンタルビデオでもダントツの一位だという。
(好きなので、宇宙に関わる作品は随分見た。「アポロ13」や不思議な「惑星ソラリス」、名作「2001年宇宙の旅」そのほか宇宙ものと一括していいのか「スターウォーズ」「スタートレック」などなど、忘れている作品が多すぎるけれど)
ロシアが破壊した宇宙船のかけらが散らばって次々に破壊の連鎖が起き、襲ってくる。「エクスプローラー号」で船外の修理作業をしていた三人は 一人が直撃を受け死亡。船内の乗組員も死亡した、外にいたライアン(サンドラ・ブロック)とマット(クルーニー)は逃げおくれたが助かった。
ゴミが当たって破壊された部分を修理しているが、無線も途絶え、宇宙服内の酸素もつきかける。
ふたりはマットの指示で 宇宙センターに向かうが、これも破壊されていた。残った帰還用の船にはパラシュートが開いたままでつながっていた。外そうとしたパラシュートに絡まったマットは、辛うじてライアンと綱でつながっていたが、ライアンを救うためフックをはずして宇宙に消えて行く。
ライアンは帰還用「ソユーズ」で逆噴射し、中国の宇宙センター「天宮」に着く、やっと起動した宇宙船「神船」で大気圏まで帰還して湖に落下し、波打際で重力を感じながらゆっくり立あがる。
宇宙船の内外も画像では見慣れたが、この映画についてはいろいろ専門家による指摘があるようだが私には難しい。ただ息が詰るような酸素切れ間近の宇宙服を着て、操作手順を模索するシーンはスリルがある。
マットの自己犠牲、仲間の死、のなかでライアンが思い出す地上の生活や、ときどきつながる電波から聞こえてくるどこかの生活の一部、犬や話し声や子どもの声が効果的で、硬質な宇宙での作業にやわらかさを与えている。
数年前にいった、つくばのJAXAで宇宙船の模型に入ってみたが狭く息苦しかった。膨らんだぶかぶかの宇宙服も別世界のものに見え、宇宙に行った人たちは、やはり選ばれたスーパー人類のように思える。
映像は美しく、まだ広がり続けているという大きな宇宙の中で、人間は微小な点に過ぎないことを思った。
ローレンス・クラウスン著「宇宙が始まる前には何があったのか?」読んでみたいと思う。