空耳 soramimi

あの日どんな日 日記風時間旅行で misako

ジョン・ハットン「偶然の犯罪」 ハヤカワ文庫 秋津和子訳

2010-10-06 | 読書


この本は、もう読むのが辛かった。
英国推理作家協会賞ゴールドダガー賞受賞というので、105円ならまぁいいかとつい買ってしまった。

* * *

師範学校の教師、コンラッドは、派遣先に行って研修生の様子を見て、指導する仕事についている。

生徒がいる学校に行っては帰るという日常である。

途中でヒッチハイクをしている女子学生をのせるが、あまりの態度の悪さに、途中で降ろして腹立ち紛れに彼女のバッグをドアから外にぶちまけて走り去った。

その頃ヒッチハイカーの連続殺人事件が起き、彼は参考人になって尋問を受けてしまう。

おりしも彼の学校は統合されるという噂で、職を失うかもしれない不安がある、気に入らない同僚が他校の校長に抜擢され、それは我慢するとして空いた椅子がどうしても欲しい、そんな折も折、変な言いがかりは迷惑千万だった。

そこでちょっとした嘘をつく。女子学生は乗せてない。時間があったので映画を見た、上映していた二本のうちポルノでない方を見たという。

それで捜査は大混乱、前々から不満を抱えていた妻は家出。警察の家宅捜査や、呼び出しで昇進の面接もフイになる。

* * *

というような、小さな嘘が大事になってしまうのだが、まぁこのコンラッドという人物が姑息でいやらしい。

その上話が進まない。スピーディなミステリに慣れると付いて行くのが辛かった。

やめるのもどうかと思うし、シルバーでなくてゴールド受賞作だというと、そのうち面白くなるのかと欲張ってしまう。

最後まで我慢して読んだが、私にはどうも合わなかった。
イギリスでは面白い本なのだろうか。教育制度に不案内だからだろうか。

最後の場面で少し溜飲を下げた。これでよしとしよう。
読んでしまったからメモしておくけど(また忘れて買わないように)、でも本棚には入れないでおこう。


★★★

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