『灼熱の魂』

カナダ/フランスの映画です。

亡くなった母の遺言に従い、父と兄を探す旅に出た双子の姉弟が、
やがて激しい宗教対立に翻弄され続けた母の数奇にして壮絶な運命と
向き合っていく姿を力強い筆致で描いた衝撃のヒューマン・ミステリー。

主演は「愛より強い旅」のルブナ・アザバル。監督は「渦」のドゥニ・ヴィルヌーヴ。
2010年度のアカデミー賞外国語映画賞ノミネート作品。

中東系カナダ人女性ナワル・マルワンが亡くなり、公証人から遺された双子の姉弟ジャンヌとシモンに
遺言が伝えられた。
それは、父親と兄を見つけ出し、それぞれに宛てた母からの手紙を渡してほしいというもの。
死んだと思い込んでいた父ばかりか、存在すら知らなかった兄がいることに当惑する姉弟だったが…。

双子の姉弟は、母親の生い立ち、生き様を知ることになります。
自分たちが生まれる前に、異教徒と愛し合って子供ができたこと、
とりあげられてしまって、いつか会いたいと思っていたこと、
暗殺事件の犯人になって投獄されたこと、そしてそこで起こった恐ろしい出来事。

たぶん、観ないでしょうからネタバレします。

投獄されている間に、激しい拷問を受けて、妊娠して出産して、それがこの双子の姉弟でした。
そして、激しい拷問をしたのは、かつて自分が産んだ息子でした。

2人が探して、手紙を渡す相手は、父であり、兄でもあったということです。
「１＋１＝２じゃなかった、１＋１＝１　だったんだ」と
話す場面が悲しいです。

２人が手渡した手紙は、愛する息子に対する愛の手紙、もう１通は、拷問したことを恨む手紙でした。


昔から、ロミオとジュリエットのように許されない愛は悲劇を生むということでしょうか。
キリスト教と、イスラム教です。
今でも、そのお母さんは村人に恨まれていました。

宗教というのは、幸福になるためのものではないのかしら？
憎しみをうみ、戦争をうみ、多くの命を奪うものだったような気がしました。
それにしても、俳優さんたちは凄い。