~ハリーナ・チェルニー=ステファンスカのショパン:24の前奏曲~
ショパン:24の前奏曲op.28
前奏曲変イ長調遺作
前奏曲嬰ハ短調op.45
ピアノ:ハリーナ・チェルニー=ステファンスカ(24の前奏曲op.28)
バルバラ・ヘッセ=ブコウスカ(前奏曲変イ長調遺作)
ボレスワフ・ヴォイトヴィッチ(前奏曲嬰ハ短調op.45)
発売:1975年8月
LP:日本コロムビア OW‐7556‐PM
ショパンは、全部で26曲の前奏曲を作曲した。通常、ショパンの前奏曲と言ったらop.28の1~24の「24の前奏曲」を指すわけだが、ショパンはこの前後に1曲ずつの前奏曲を作曲している。その一つが、ショパンの最初の前奏曲である変イ長調遺作、もう一つが24の前奏曲の後に作曲した嬰ハ短調op.45である。変イ長調遺作の自筆原稿は20世紀になって発見され、1918に出版され翌年初演されている。一方、嬰ハ短調op.45は、24の前奏曲の後の1841年に作曲されたショパンの最後の前奏曲。このLPレコードには、以上の26曲の前奏曲が収録されている。使用されている楽譜は、ポーランドのクラカウで1949年に出版された「ショパン全集第1巻(第9版)」(通称:パデレフスキ版)で、このLPレコードは、これに基づいて演奏されている。ショパンの24の前奏曲は、1836年から1839年の4年間をかけ作曲された。数あるショパンの作品の中において一貫した内容を持った作品で、変化に富むと同時に、深い曲想を持っているのが特徴。中でも第15番の「雨だれの前奏曲」は、特に名高く、この1曲だけが演奏されることも多いが、24曲を全て弾くことにより24の前奏曲の真の姿が浮かび上がる。この24の前奏曲を演奏しているのがポーランドの女性ピアニストとして一世を風靡したハリーナ・チェルニー=ステファンスカ(1922年―2001年)である。ハリーナ・チェルニー=ステファンスカは、ポーランド出身。1949年第4回「ショパン国際ピアノコンクール」で第1位および最優秀マズルカ演奏賞を受賞。その後、パリに留学し、エコールノルマル音楽院でコルトーに師事。ショパン・コンクールでの成功を機に、全世界でショパンを中心とした演奏活動を展開し、ポーランドを代表するショパン弾きとして一世を風靡した。レパートリーはショパン以外にバロック、古典から現代曲まで多岐にわたる。ハリーナ・チェルニー=ステファンスカの演奏内容は、繊細を極めたもので、あたかも宝石をちりばめたような美しさが身上。このLPレコードでも、その特徴が最大限に発揮されており、ショパンの24の前奏曲の持ち味を存分に味わうことができる。変イ長調遺作で演奏するのは、ポーランドの女性ピアニストのバルバラ・ヘッセ=ブコウスカ(1930年―2013年)で、1949年ポーランドから戦後初の「ショパン国際ピアノコンクール」に出場し第2位を受賞した。(LPC)
最新の画像[もっと見る]
-
◇クラシック音楽LP◇グリュミオー&ハスキルの名コンビによるモーツァルト:ヴァイオリンソナタ選集 3ヶ月前
-
◇クラシック音楽LP◇ブルーノ・ワルター晩年の名盤 ブラームス:ドイツ・レクイエム 3ヶ月前
-
◇クラシック音楽LP◇バリリ四重奏団らによるモーツァルト:弦楽五重奏曲第3番 4ヶ月前
-
◇クラシック音楽LP◇ヨゼフ・カイルベルト指揮ベルリン・フィルのブラームス:交響曲第2番/大学祝典序曲 4ヶ月前
-
◇クラシック音楽LP◇ワレーズ&リグットによるシューマン:ヴァイオリンソナタ第1番/第2番 4ヶ月前
-
◇クラシック音楽LP◇名指揮者オイゲン・ヨッフム指揮バイエルン放送交響楽団員のモーツァルト:「13楽器のためのセレナーデ」 4ヶ月前
-
◇クラシック音楽LP◇クリスタ・ルートヴィッヒのマーラー:さすらう若人の歌/亡き子をしのぶ歌 4ヶ月前
-
◇クラシック音楽LP◇バレンボイム指揮イギリス室内管弦楽団のシェーンベルク:浄夜/ワーグナー:ジークフリート牧歌/ヒンデミット:ヴィオラと弦楽合奏のための葬送音楽 4ヶ月前
-
◇クラシック音楽LP◇クララ・ハスキルのドメニコ・スカルラッティ:ソナタ集 4ヶ月前
-
◇クラシック音楽LP◇ワルターの名盤 モーツァルト:交響曲第40番/第41番「ジュピター」 4ヶ月前