★クラシック音楽LPレコードファン倶楽部(LPC)★ クラシック音楽研究者 蔵 志津久

嘗てのクラシック音楽の名演奏家達の貴重な演奏がぎっしりと収録されたLPレコードから私の愛聴盤を紹介します。

◇クラシック音楽LP◇ユージン・オーマンディ指揮フィアデルフィア管弦楽団の“ヨハン・シュトラウス2世 ワルツ・コンサート”

2022-12-01 09:40:44 | 管弦楽曲


ヨハン・シュトラウス2世:ウィーンの森の物語
             美しく青きドナウ
             南国のバラ
             春の声
             皇帝円舞曲
             ウィーンかたぎ
             酒・女・唄

指揮:ユージン・オーマンディ

管弦楽:フィラデルフィア管弦楽団

LP:CBS/SONY SOCL 1067

 これは、ヨハン・シュトラウス2世の作曲したワルツの名曲を選りすぐったもので、かつて一世を風靡したユージン・オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団が演奏しているLPレコードである。ヨハン・シュトラウス2世の父、ヨハン・シュトラウス1世は、ランナーとともに独力でワルツを普及させた先駆者の一人として、今にその名を遺している。父親は苦労して音楽家として生計を営んでいたためか、息子が音楽家になることを快く思っていなかったようだ。そんな中、母親はヨハン・シュトラウス2世の音楽的才能を見抜き、こっそりと息子に期待を掛けていた。最後は、父親も息子が音楽家として人気を得ている姿を見て、息子と一緒に積極的に音楽活動を行うようになっていった。そして、最後は、父親を凌いで“ワルツ王”と言えばヨハン・シュトラウス2世のことを指すようにまでなっていったのだ。指揮のユージン・オーマンディ(1899年―1985年)は、ハンガリー出身の指揮者。フィラデルフィア管弦楽団首席指揮者・音楽監督(1938年―1980年)を長らく務め、同楽団を米国の一流オーケストラにまで高めたことで知られる。ここでのユージン・オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団の名コンビは、ヨハン・シュトラウス2世のワルツのを、演奏会風の詩情豊かな名曲として演奏しており、実に堂々としていると同時に、ウィーンの小粋な雰囲気も併せ持っている、類稀な名演奏を聴かせてくれている。何と気品に富んで、ゆったりと奥行きの深い演奏であることよ。また、録音がLPレコード特有の暖かみがこもったものに仕上がっており、良い雰囲気に心も踊る思いがする。ユージン・オーマンディは、ハンガリー、ブタペスト出身。ブダペスト王立音楽院で学ぶ。1921年ニューヨーク・キャピトル劇場オーケストラのヴァイオリン奏者となり、コンサートマスターに就任。1924年指揮者デビュー。以後、指揮者に転向し、1926年キャピトル劇場準指揮者となり、1927年にはアメリカ国籍を取得。1931年フィラデルフィア管弦楽団定期公演を指揮。同年、ミネアポリス交響楽団(現・ミネソタ管弦楽団)の常任指揮者に就任。そして1936年レオポルド・ストコフスキーと共にフィラデルフィア管弦楽団の共同指揮者となり、1938年ストコフスキーの辞任により後任としてフィラデルフィア管弦楽団音楽監督に就任。以後、1980年に勇退するまで42年の長期にわたって音楽監督として務めたのであった。(LPC)

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