稲刈りの次は脱穀。少し離れたところに住んでるとはいえ義兄の弟も息子も手伝うことはないのでボッケ家もしらばっくれたいところ。また義兄の方も明に手伝ってくれとは言えない微妙な立場。とはいえ野菜などを貰ったりしてるので遠くの兄弟より近くに親戚ってことで脱穀を何時やるのか打診。そして昨日脱穀ということになった。 義兄は仕事が早く終れば残った時間は何かしたい性分。いわゆる働き者。このオレサマはというと、早く終ったらその日はおしまい。明日のことは明日という怠け者。そんな2人が一緒に仕事をすると何時おしまいにするかは微妙な駆け引きとなる。 |
今時はこんな脱穀機があるので作業は楽だ。昔は田植えだの稲刈りと言ったら家族どころか親戚も集めてやってたが、今では1人でやってるのも珍しくない。しかしそんな機械が故障するとお手上げだ。今回、1度だけ脱穀が出来なくなって青冷めた。直接の原因は駆動ベルトを張るプーリーが何かの拍子で解除されただけという単純なもので助かった。しかし何故解除されたのかは不明のまま。 脱穀をしてる間、俺は30kgの米袋を軽トラに積むのとハゼかけ棒の後始末。そうすると脱穀が終った時には田んぼは何も残ってないってわけだ。ちなみに重い物を持つ男の仕事に専念ってわけだ。 自分のやる事は済んだので俺はさっさと着替える。次の作業は稲藁を田んぼに撒くんだけど、機械は1つなので人手がいくらあっても作業が早く終るわけでもないのだ。 |
俺がのんびり義兄家の生活風景を写真に撮ってるところを見てヨメは働けと言う。しかし暫くしてから田んぼにハゼ棒だの何だのが何も無いのに気が付き、このオレサマが遊んで無かったことにも気がつく。仕事が速い人が怠け者に見られるのはよくある話。とはいうものの各自移動した稲の重さはほぼ同じ。脱穀する時は何十回何百回とハゼから脱穀機に移動するが、米袋を運ぶ回数はずっと少ないし、しかも茎や葉が付いてない分軽い。ということは俺が一番働いてないってことか。 |
稲刈りが済んだ後、田んぼに稲の新芽が出る。言われてみるまで分らなかったけど、それが畦に沿ってるところだけ出ている。何故そうなるかって話になったが全く分らなかった。 まだ稲穂が若い頃、米が固くなってない頃にスズメがそれを食べてしまうんだけど、食べるのは外側に植えられた稲だけ。食べられた稲は、育てる米が無くなった分だけ体力が余るので刈られた後に芽を出すことが出来るんだそうだ。 芽を多く出すのは人家に近い方だ。その理由はスズメの巣が人家の軒先にあるからだ。なので遠い側は近い側よりは青くない。こんな調子で田んぼとスズメの関係にも中々奥の深いものがあったのだ。 |