上京するとたまにCDを買う。行く場所は色々なジャンルのが揃ってる秋葉原の石丸電気。5月に上京した時にこの店で変った音が流れていた。鼓の音だ。雑踏を歩いた後なのでそれが妙に心地よかった。もし雑踏の中でこの音を流してもそれなりに耳に届くんじゃなかろうか。そんな音だった。
店内でたまたま流れてたCDを聞いて買うことはたまにある。この時は既に他に目当てのCDを何枚か買って店を出る時だった。これも買ったら買い過ぎかなとちょっと迷った。CDを手にしたが値段が書いて無い。なんとなく高そうな気がしたけど3千円を越えることはないだろうと思ってレジに行った。
値段と理由には今一つ納得しかねたがコンサートに行ったつもりでと思って買った。佐久に戻れば売れ筋のものしか無いってのもある。「4千円です」
「随分と高いねぇ」
「音質が・・・」
電子音ばかりのこのご時世、何度も聴くなら昔からある楽器の方が飽きない。シンセサイザーで作った音楽も良いが、ふとアニメのような気がしたことがある。生楽器が写真ならシンセサイザーはアニメっぽい。どんなに精細に書いてもアニメはアニメ。逆に精細に書けば書くほどあざとい感じがするし、やはり複雑さに欠けて単調。このオレサマの脳の一部しか響かないって感じだ。和楽器は滅多に聞くことはないので余計にその逆な感じがした。普段響かない部分が響くような、そんな感じだ。
このCD、写真にある演奏者の風貌という先入観もあるだろうけど、打楽器の原点はゴリラにあるのかな、なんてことを感じさせる部分もあった。その後何回か聞いたけどこういう音楽は聴く時の気分を選ぶ。何時でも聞きたい音ではないが、無性にってほどでもないけど聴いてみたいと時がある。もしコンサートに行ったら聴きたい気分の日と合ってるかどうかで評価が分かれるかもしれない。