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財界の既得権益こそ打破すべきではないか;同友会「提言」
朝日新聞(4・24)によれば、経済同友会は税制改革提言を発表し、消費税を16%にすると主張しています。これは、今後の税制論議を財界としてリードしていこうということなのでしょう。
とはいえ、政府与党も、参院選前に消費税増税を打ち出すことを考えているわけではありません。ここが姑息なところでもありますが、今秋から増税論議が活発化することを、いまの時期に頭に描いて私たちは参院選にのぞまなければならないということです。
提言では、16%の消費税率のうち9%は新設する年金目的税とし、年金保険料はなくす。残りの配分先は国税分が2%、地方税分が5%。法人事業税を廃止し、税源を地方消費税に置き換えることで、「地方自治体はより安定的な財源を確保できる」としている 。(上記、朝日新聞)
政治と財界の癒着というのは、いうまでもなく小泉政権時代の「構造改革」を進めるために、政治を直接支配する司令塔に財界代表が座る新しい仕組みができあがって、露骨になったと思います。新しい仕組みとは、経済財政諮問会議と規制改革・民間開放推進会議。この2つの機関をとおして、財界はある意味で意のままに政治を動かす地点に立ってきました。
今回の同友会の提言は、消費税率を現行の5%から16%にするということだけでなく、現在約40%の法人実効税率については、法人事業税の廃止により35%程度に引き下げるよう求めています。ここにこそ、財界の提言の核心があると思います。ようするに財界の負担を軽くし、その分を国民に負担させるというしくみです。
当ブログでは、たとえば「金持ち減税」をつづけてよいのか、などのように税金のつかいみちとあわせて、税金をどこからとるのかについて言及してきました。
この間の税制改革は、企業や所得の高い人を対象にした減税と同時に、相対的に所得の低い人びとの税負担が高くなるようなものでした。これ以上に、税制度をゆがめてよいのか。そこに当ブログの問題意識があります。そして、累進課税を70年代に、元に戻せと主張してきました。
けれども、政治の世界では、財界の横暴に反対できるかといえば、率直にいって困難だというほかないでしょう。国民一人あたり250円で計算される政党助成金にしがみつく政党が、財界から企業献金をちらつかせられて、はたしてなびかないといえるでしょうか。企業献金と政党助成金が政党を堕落、腐食させている面を私は強調したいのです。
既得権益の打破が機会あるごとにさけばれますが、最大の既得権益とは、財界のそれでしょう。企業献金、財界献金でまるごと買収されている政党に、国民のための政治ができるのか。それは否といわなければなりません。
所得の再分配を機能させるのかどうかという税制の柱の一つの問題を、今、問い直さなければならない。この立場からみるならば、今回の提言には反対せざるをえないのです。
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「金持ち減税」をつづけてよいのか

所得再分配とは、分かりやすくいえば、所得の多い人から所得の低い人に富を配分する機能のことです。この間の「税制改革」で、74年当時75%だった所得税最高税率が段階的に下げられ、89年には50%、99年の定率減税実施では37%にと、74年当時の半分以下にまで下げられています。金持ち減税ということができるのではないでしょうか。一方で、消費税のウエイトは右図にみるように経年的にあがってきたのです。消費税は、消費にかけられる税金ですから、金持ちも貧乏な人も同じように消費するわけで、差があったとしても所得の差みたいに何千倍、何百倍の開きにはなりません。つまり、所得の低い人の負担率が高くなるものです。これが格差をいっそう助長する結果となっているのです。
朝日新聞「私の視点」(4・3)をみると、合田寛氏(政治経済研究所)がこの点に言及していました(以下に引用)。当ブログでも、「税制改革」のゆがみについて何度かふれてきました。だから、合田氏の主張は、まさに我が意を得たりと実感させるものでした。
氏の主張の核心は、税制改革は、所得分配への影響を配慮して行われなければならない、ということに尽きるでしょう。合田氏のこの主張は、左派であれ、右派であれ、格差が広がることを懸念する人であれば、共通の認識にできる重要な論点だと思います。
合田氏がいうように、所得分配を本来の姿にすることができるかどうか、ようするに所得の高い人からはその分税金を払ってもらい、所得の低い人に富を配分する必要があるのです。
この間の新自由主義路線の「税制改革」は、端的にいえば、金持ち減税と庶民増税からなるものでした。これをあらため、また元に戻す必要がある。こう私は考えるのです。累進課税によって富の分配をおこなうこと、これが新自由主義のもとでもたらされた貧困と格差を解消する重要な政策だと思うのです。
政府与党は参院選後の消費税増税を課題の一つとして隠そうともしていません。一にぎりの金持ち優遇をこのままつづけるのか、それとも、所得分配を重視し、これまでのゆがんだ「税制改革」をストップするのか、この点もまた参議院選挙の争点の一つとなるでしょう。
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== 以下、引用 ==
注目すべきは、この4年間で基礎的収支の赤字がGDP比で5ポイント以上低下したという事実だ。消費税換算で10ポイントの税率引き上げに相当する。赤字が大幅に低下した原因は、自然増収もなくはないが、もっぱら政策の結果だ。多くはこの間の主として低所得者をターゲットにした増税と福祉予算の削減など、国民の負担増を通して生み出されたものである。またこの「見えざる増税」こそ、近年の格差拡大の大きな要因として説明できるのではなかろうか。
格差拡大と貧困化が広がっている下で、今最も優先されるべき政策課題は、これ以上の格差拡大をくいとめ、貧困者っを救済することである。そしてそのためのもっとも有効な政策手段は、財政政策であり、なかんずく所得再分配機能を有する税制政策であろう。
== 引用終了 ==
閑話休題 -15 減税になったのか? 税源移譲という「からくり」
1月度の給与明細をみて、おう、税金の天引きが少なくなった、減税か? などと思われた方がおられるかもしれない。私はまったく気づかなかった(恥)。というより、余りみないのだ。
たしかに税金が減っている。
定率減税が廃止されるというのに、これはなぜか。 その「からくり」は税源移譲にある。税源移譲とは、約3兆円の税源を国から地方へ移譲することを指している。
いうまでもないが、これは「三位一体改革」の一つの柱。「国から地方への税源移譲」は、「国庫負担金の削減」「地方交付税の削減」とともに改革をすすめるというのが「三位一体改革」だった。
2003年からの4年間、政府は、地方にたいする補助金や負担金を5兆円以上を削減してきた。その代わりに約3兆円の税源を国から地方に移譲することになった。今年、所得税が3兆円減税になり、住民税は逆に3兆円増税になるという仕掛けだ。
ただ、今年は定率減税が廃止されることにより、所得税は1.3兆円、住民税は0.4兆円の増税になる。税源移譲と定率減税を差し引きすると、所得税は1.7兆円減り、住民税は3.4兆円増える結果となる。所得税だけをみていては見誤るのだ。所得税は減るが、それ以上に住民税が増えるのである。(右図を参照してください。図をクリックすると拡大されます)
私たちの給与明細では、1月分の給与から所得税は減るが、6月からは天引きされる住民税が今度は増え、年間通してみると定率減税分だけ増税されるというわけだ。
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年収500万円以下は破産する?
年収500万円以下は「破産の危機」という刺激的な見出しの記事を、『週間朝日』(1・5/12)が掲載している。大げさでも何でもなく、この見出しが現実のものになる可能性は高い。そう実感する。
その資格を問われ辞任した本間正明が会長を務めてきた政府税制調査会は、基本的方向を、大企業優遇とその一方での庶民への増税において検討してきた。また、すでに小泉政権時代に度重なる増税によって「痛み」が押しつけられてきた。この方向でいけば、税制の面からも格差が拡大する。
近著『サラリーマンは2度破産する』で藤川太氏(家計の見直し相談センター)は、「中の上」に位置する会社員が高価な家や車を背伸びして買うなどの無理を重ね、子供の教育費がかさむ時期と退職後の2回、家計が「破産」する危険があると指摘していた。そんな事態が訪れることは、これからの庶民に押し寄せる負担増を考えると、たちまち推測がつく。07年以降、税や年金保険料などの負担がさらに重くなることがすでに決まっている。事情はいっそう厳しくなるのだ。
「ムダ造いしなくても、『中流』から『貧乏スパイラル』に転落する人が多くなる恐れが出てきました」と藤川氏は指摘している。
私たちにおおいかぶさる負担増は以下のとおりだ。
①所得税の定率減税(10%)を07年1月に廃止
②住民税の定率減税(7.5%)を07年6月に廃止
③厚生年金の保険料を07年10月に0.354%幅引き上げ(労使で折半)
④国民年金の保険料を07年も月額280円引き上げ
⑤一般的な収入の70-74歳の医療費自己負担割合を08年4月に1割から2割に引き上げ
では、これらの負担増はいったいどの程度、家計に影響するのか、それを『週間朝日』は試算している。 (図はクリックすると拡大します)
ニッセイ基礎研究所の篠原哲研究員のまとめによると、07年度の家計全体に及ぼす負担増は①と②を合わせて1兆5000億円、③で2500億円、④で400億円という。
== 以下、引用 ==
「会社員世帯」では、年収に占める負担増の割合でみると「夫婦のみ」で0.51~1.14%、「子供2人」で0.19~0.98%となる。月額に直すと、「子供2人・年収300万円」を除いて、1千円を超える計算だ。
それを上回るペースで給料が高くなれば、苦痛も少しは和らぐが、「物価上昇を勘案すると、収入の伸びは実質的に止まっているイメージです」と、ニッセイ基礎研の篠原氏はクギを刺す。厚生労働省の統計によると、規模5人以上の企業では現金給与総額の伸びが06年に入ったころから鈍り始めた。このうちサービス業では06年8~10月、3カ月連続で前年を割り込んだ。
そうなると、支出を抑えるしかなくなる。冒頭で紹介した相談者のように、「年収500万円以下の層では、もう削れる出費は削ってしまっています。『子供2人・年収300万円』では負担増分が月460円余りとなる計算ですが、これを捻出するのすら楽ではない。『中流』層で何か突発的な出費があれば、『破産』の危機に直面しかねません」(藤川氏)
お父さんは、すでに晩酌を割安な「第3のビール」にして、小遣いも大幅カット。そのうえ07年になったら、家族旅行をあきらめ、子供の習い事も減らさなけ札ばといった苦境に追い込まれるというのだ。
「そうなれば、何の楽しみもない人生ですよ」
と、藤川氏はため息をつく。
楽しみが薄れるのは「年金世帯」でも同じだ。== 引用終わり ==
自民党税制調査会の津島雄二会長が消費税率の引き上げ法案を早ければ08年の通常国会に提出するとの見通しを示した。政府・与党は09年度に消費税率を7~8%に上げるシナリオを練っているようだ。
仮に消費税率が3%幅上がり、8%になったとしたら、家計はどうなるか。『週間朝日』は以下のように試算している。
それが下図(図はクリックすると拡大します)で、所得税と住民税の定率減税廃止の影響なども含めると、「中流」の年収500万円では年11万4千円、年収700万円では年16万5千円の負担増になるという。消費税分だけでも、年間でそれ6万3千円、8万4千円が新たに財布から消えることになる。負担全体が年収に占める割合では、どの区分でも2%幅を超えるほど増える。
消費税率が3%幅も上昇すれば心理的な抑制が働く、同誌は「高価な製品から買い控えることになるでしょう」という。早大教授・宮島洋(財政学)は、「少子高齢化は経済成長を妨げ、社会保障費もふくらます『怪物』なのに、国の対策の方向性が見えてこない。消費税ばかりに焦点が・当たっているようですが、海外に資産を移しつつあるような富裕層への課税強化なども含めた制度の検討が必要では」と指摘している(同誌)。
当ブログでは、夫婦+子ども2人の標準世帯の生活保護費300万円と比較して、これを下回る働いても、働いても生活が苦しいワーキングプアに言及してきたが、まさに『週間朝日』が指摘するように500万円以下の世帯は「破産」に追い込まれかねない事態にあるといえるだろう。税制改正の面でみていくと、このように庶民いじめの実態が浮き彫りになる。
注;2つの図のうち上の図はつぎの条件で試算。1円未満は切り捨て、金額の表示は千円未満を切り捨て。どの世帯も東京23区に住むと想定。「会社員世帯」では、会社員の夫(45歳)、専業主婦の妻(43歳)、子供(16歳と14歳)で、「年金世帯」では「70~74歳」「75歳以上」ともに、夫婦いずれもその年齢範囲に属し、2人で年金を半額ずつもらっていると仮定。負担は世帯あたりで、「会社員世帯」では所得税、住民税、社会保険料(政府管掌健康保険、介護保険、厚生年金、雇用保険)の合計。「年金世帯」では、「70~74歳」で医療費の自己負担分を加えた(1年のうち9カ月は外来のみ、3カ月は入院と外来を想定)。ただし、国民健康保険の保険料は今後、算出方法が変わるとみられる。
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野口悠紀雄 -税制改革で庶民は潤わない
大企業へのバラマキではないか -庶民の増税で大企業減税3兆円
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この上に増税か-消費税増税たくらむ07年税制改革
納税者よ、反乱を起こせ! -新自由主義考
消費税2ケタ増税は既定の路線 ― 政府税調会長

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野口悠紀雄 -税制改革で庶民は潤わない

野口の主張の特徴は、政府がいま考えている法人税減税に反対していることだ。政府税制調査会(税調)は1日答申したが、その税調の改革の柱が法人税減税にあるのだから、野口の主張はほぼ税調答申の否定といって差し支えないだろう。
「法人税を下げるだけで経済は活性化しない」「業績好調の業種では最近、過去の欠損金を使い尽くし、法人税を支払う段階に入った。企業にとっては、その納税額を減らしたい、というのが本音」「企業所得が伸びても賃金が上がらない。それは世界的な傾向」「法人減税して、所得税や消費税を増税しようというのだ」、これらは私がいっているのではなく、野口が説いているものだ。野口の説くところは庶民の思いを代弁するものになっていないだろうか。以下、朝日から引用する。
安倍政権になって、法人税を減税して日本経済を活性化しようという路線が強まっている。これには強い違和感を感じる。 法人税率の引き下げは企業の設備投資を増やさない。税引き後の投資収益は増えるが、支払利子のうち損金算入できる額が減るので資本コストが上昇し、両者が打ち消しあうからだ。これは経済の教科書として世界中で使われているドーンプッシュ、フィッシャーの『マクロ経済学』にも記されている経済学の常識だ。つまり法人税を下げるだけで経済は活性化しない。 日本の法人実効税率は40.87%。米国(ロサンゼルス、40.75%)も同じぐらい高いが、経済の調子はいい。スウェーデンだって所得税や間接税を含めた租税負担率で考えると、非常に負担率が高いが、経済は好調だ。現実の世界では「税負担が重いと経済が悪化する」という議論とは全く逆のことが起きている。 それにもかかわらず、法人減税の圧力が強まっているのは、景気回復で企業利益が増加したためだ。長期不況で、法人税を負担していない欠損法人の比率は03年に68%にのぼった。税制上、欠損は最大7年繰り越しできる。しかし、業績好調の業種では最近、過去の欠損金を使い尽くし、法人税を支払う段階に入った。企業にとっては、その納税額を減らしたい、というのが本音だろう。 安倍政権は来年度の税制改正で減価償却制度を見直し、企業負担を軽減する意向のようだ。その恩恵を最も受けるのは、巨額投資した設傭を持つ重厚長大産業、とりわけ鉄鋼業だ。 法人税を下げれば、税引き後の法人所得が増えるので、分配が企業の側に多くなるのは間違いない。それは、企業の役員所得や配当など比較的豊かな人の所得になる。・ 高度成長期には、企業所得が伸びれば、賃金に還元されて国民が全体として豊かになった。しかしグローバリゼーションが進んで、社会主義圏の30億人もの労働力が市場経済に組み入れられ、賃金の下げ圧力が強まった。企業所得が伸びても賃金が上がらない。それは世界的な傾向だ。 だからこそ、公的な施策を通じて、所得の再分配機能を強めないといけないのに、現実には全く逆方向の税制改革が行われようとしている。法人減税して、所得税や消費税を増税しようというのだ。これは重大間題で、政治的に大きな対立が起こって当然だ。本来は民主党がこの問題を提起して、来夏の参院選の最大の争点にする必要がある。 |
政府や財界はこれまで、「社会保障の財源を補うために消費税の増税が必要」などといって、消費税の導入・増税をすすめてきた。消費税は以下の図であきらかなとおり、所得の低い人ほど負担割合は高い(図;消費税をなくす会パンフから)。だとすると、野口もいうように、所得の再分配を強めようという立場とこれ、つまり税調などの消費税増税の立場はまったく逆の方向になる。再分配とは、所得の低い人の底上げを図ろうというものだから。
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久間防衛庁長官が違反入居? -税金のつかいみちはこれでよいのか

こんな大企業への大盤振る舞いの一方で、閣僚たちの議員宿舎の違反利用という「税金のむだづかい」を『週刊ポスト』がとりあげている。
分かりやすくいえば、大企業への減税分を庶民からの増税分でまかなう方向に税制をいっそうかえていこうとする裏側で、こんな税金のつかいみちがあっていいのか、そのことを同誌は問うているのだ。
ポスト誌によれば、俎上にのせられているのは衆議院高輪宿舎。地上11階、地下1階。なんでもトレーニングルームを完備し、3LDK・83平米で家賃は月額約6万円という。同じ広さで近辺では家賃相場が25万円というから4分の1になる。この議員宿舎が来年、統合されて完成する赤坂宿舎に議員は移ることになる。その新宿舎は地上28階、地下2階で、82平米、3LDK。ラウンジが最上階にあり、無料駐車場、談話室、保健室、トレーニングルームを完備、こちらも家賃は6~7万円という。
同誌が問題にしているのは、つぎの疑惑である。
歳出カットが求められる中、こうした超豪華宿舎への批判がなされているが、さらに新たな“疑惑”が浮上した。永田町関係者が声をひそめて明かした。 「実は議員宿舎には議運(議員運営委員会)が今年6月に定めた『入居基準』がある。ところが、基準に違反して入居している議員がゴロゴロいるのです」 今年6月14日、衆議院議員運営委員会庶務小委員会が決定した「議院宿舎の入居基準」には、こうある。 <東京都23区内に住居を所有する議員は、議員宿舎に入居できない> <議員宿舎に入居後、東京都23区内に住居を所有し、居住するようになった場合には、直ちに議員宿舎を退去しなければならない> にもかかわらず、近くに自宅マンションがありながら、豪華・格安の議員宿舎を利用する不届きな議員がいるというのである。 今月2日に発表された大臣らの資産公開をもとに調査すると、確かに違反利用者がいた。 その筆頭が久間章生・防衛庁長官だ。 |
久間は同誌の質問に以下のように答えている。
「6月14日に決定された入居基準については承知しています。ただ、マンションは家族用の部屋であり、実態として自分は住んでいない。マンションに行くことはあるが、宿舎に寝泊りしている。 マンションは04年に取得したもので、これまでの資産公開でも報告している。そのことは衆院も承知している。(議員宿舎を利用することは)問題はないと思っている」 |
さらに金融・再チャレンジ担当大臣・山本有二(新宿区内に妻名義で162.4平米のマンション所有)、国土交通省副大臣・渡辺具能、同大臣政務菅・吉田六左エ門の名前を同誌はあげている。
回答の中には「議員はマンションで生活しているわけではなく、親族も住んでいません。高輪のマンションは奥さんが将来を考えで購入しました。しかし地元での活動が多く、今、誰か借り手がいないかと不動産業者に頼んでいることろです」(渡辺副大臣秘書)というものさえある。自分が住んでなければいいという解釈だ。
資産公開は、以前は議員名義のものだけだったが、89年から妻名義の資産も公開しなければならなくなった。当たり前だが、議員と妻は一体ということだ。その流れや、議員宿舎の入居基準を定めた目的・精神を考えると、議員名義はもちろん、妻名義で23区内に住居を所有している場合でも基準に違反しているといえるでしょう。 さらに解釈の問題については、議員の都合のよいようにするのではなく、「有権者の目にどう映るか」を基準にするべきです。 議会は法律を作るところです。入居基準には罰則はないが、自ら決めた最低基準のルールを守る姿勢がないのであれば、立法に関わるべきではない(岩井奉信・日大教授) |
今年6月「入居基準」決定以前にも、各派協議会では選挙後毎回、「23区に居住する議員は宿舎への入居を遠慮する」という合意があったという。岩井の指摘する「自ら決めた最低基準のルールを守る姿勢がないのであれば、立法に関わるべきではない」というところが問われている。
ましてや、その一方で冒頭にふれたように庶民負担増をより求める方向へ税制を変えようとする立場にたつとはどういうことか。税金のつかいみちに有権者の目が集まるのは当然のことである。
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大企業へのバラマキではないか -庶民の増税で大企業減税3兆円
今月、景気拡大期間が戦後最大の58か月を迎え、東証1部上場企業は4年連続で市場最高益を更新する見通しだ。が、そんな中で増税を強いられるばかりで、好景気の恩恵に全く与(あずか)れていないのが一般庶民である。「庶民いじめ税制」を操ってわれわれの血税を貪っている安倍政権、これはまさに詐術である。
こんな書き出しで『週刊ポスト』が、政府のねらう「税制改正」のからくりを追及している。しばらく同誌の主張を引用してみよう。
《庶民には大増税、大企業にはバラマキを》という安倍政権の経済政策の“正体”がはっきりみえてきた。 政府はこの間、財政危機を理由にサラリーマンや高齢者増税を重ねてきたが、鳴り物入りで政府税制調査会の新会長に就任した本間正明・大阪大学大学院教授が就任早々、《大企業減税》をぶちあげて財政再建路線の転換をいい出した。 「主要先進国でも、法人税率が日本よりも高かったところが根本的な見直しをしている。ヨーロッパ並みを目指すのは一つの考えだ」 現在、約40%の法人税率を欧州並みの30%台半ばに引き下げれば企業には2兆円超の減税になる。本間氏はさらに、今回の税制改正でg減価償却制度を見直し、企業に設備投資減税を実施する方針も言及しており、その分の減税額が6000億円。あわせて3兆円規模の「大盤振る舞い」をしようというのである。 |
同誌のこのくだりが新会長のもとで動き出した政府税調の今後の「仕事」を端的にいい当てている。私は別エントリーで本間氏が法人税優遇は必要だとのべたことを紹介したが、本間氏の発言は一言でいうと、「庶民には大増税、大企業にはバラマキを」というポスト誌の表現に尽きると思う。政府税調のやろうとすることは、したがって、税制の面から日本の社会的格差をいっそう広げようとするものだ。
同誌が指摘するように、「財政再建」から「企業バラマキ」への路線転換は安倍首相と財界ががっちり手を握って進めているものだ。
日本経団連は自民党総裁選さなかの今年9月に『税制改正に関する提言』を発表し、法人税率引き下げと設備投資減税を主張した。ここに今後の財政のあり方をめぐっての与党のなかの不一致がからむ。
安倍は首相就任後、財政再建を指向する勢力の封じ込めに動いた。具体的には、企業へのいっそうの優遇を主張する経団連会長・御手洗富士夫をあの経済財政諮問会議委員に起用、政府税調事務局を財務省から内閣府に移転させている。ここでも官邸主導なのだ。
そして前政府税調会長・石弘光を更迭した。石弘光は、消費税増税論者だが、一方で財政再建を主張し企業減税に強く反対していた。安倍は財務省の抵抗を抑え、石とは反対の本間を税調会長に起用した。
なぜ安倍がこのように財界の機嫌をとるのかをポスト誌はつぎのように指摘している。
背景にあるのが経団連の企業献金だ。自民党経理局関係者の話は興味深い。 「経団連は04年から企業献金の斡旋を再開し、年間40億円を目標にすると約束したものの、昨年は約24億円でぜんぜん足りない。問うとの協議の際、経団連側は政治献金の外資規制を撤廃してもらえばもっと献金できるといってきた。そこで法改正を行うことになった」 |
政治資金規制法には外国企業からの企業献金を禁止し、外国人株主の持ち株比率が5割を超えた企業は政党に寄付できないことになっている。御手洗のキヤノンもこれに抵触する。だから今、自民党は外貨規制を撤廃する政治資金規正法改正案を今国会に提出している。成立後はおそらく自民党への献金は一気に増えるだろう。
別エントリーで指摘したように、本間は、経済成長のための法人税減税が必要だという。しかし、この間、大企業が膨大な利益をあげる一方で、庶民への負担増で格差はひろがった。「腹立たしいのは大企業への《安倍減税》の原資が庶民の「サラリーマン増税」でまかなわれること」(ポスト誌)だ。
読者のみなさんも記憶に新しいだろうし、その痛みを実感されていることだろう。
06年に所得税と住民税の定率減税が半減され、07年には定率減税が全廃される。このことによって、国と地方の税収は3兆円を大きく超える増収となる。一方で企業への減税分3兆円はこれでまかなわれるわけだ。
財界は日本のz法人税率が諸外国より高いという。だが、日本の大企業は税金の減免措置をさまざま受けており、それを加えると税率は25%程度。アメリカやドイツ、フランスなどに比べるとはるかに低いのだ。
この事実をふくめて、安倍と政府税調の主張をよく確認しておく必要がある。
【参考エントリー】
法人税優遇は必要 -政府税制調査会新会長が語る
この上に増税か-消費税増税たくらむ07年税制改革
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法人税優遇は必要 -政府税制調査会新会長が語る

周知のとおり本間は、さまざまな諮問機関委員などを歴任している、私にいわせれば御用学者の一人である。財政制度等審議会委員のほかいくつかの委員を務め、さらにあの経済財政諮問会議の民間委員として、小泉のもとで「構造改革」の旗をふってきた人物の一人だ。
その本間が語っている。「東京新聞」(11・11)のインタビュー記事を転載する。なお文中の問:記者、本:本間は管理人が追加した。
問;法人税減税で企業が元気になるのは分かる。だが、それが本当にサラリーマンの給料アップにつながり、個人にも「恩恵」が及ぶのか。
本;税調の議論が『法人対個人』という形で取り上げられる危険性は、われわれの『説得』で食い止めたい。法人税を減税すると企業の可処分利益が大きくなる。そして、それが個人の給与所得にどれくらい跳ね返り、どれくらい株主への配当に回るか、という話の中で説得していく。 問;日本経済の成長にとって、法人税減税はそれほど重要か。 本;企業は経済社会のエンジン役であると同時に(個人にも)利益を分配する装置。『働いて税金を納めろ』というだけでは、国際競争の中で国内企業が海外に出ていく危険性を助長する。海外の企業も国内に入りやすい環境を整備すべきで、法人税の改革は避けて通れない。 問;だが、大手銀行は年間三兆円の利益を上げながら、過去の損失を繰り越せる制度のおかげで法人税を納めていない。大手行が法人税を払えば、国の税収は約一兆円増える。「不公平感」の解消も重要ではないか。 本;銀行は不良債権処理などの構造改革を一生懸命やり、成果を挙げた。『預金金利はゼロに近いのに税金も納めず、なぜそんなにもうけるのか』という庶民感覚は理解できるが、銀行が体力をつけ(景気が良くなり金利が上がれば)庶民には預金金利の上昇という形で(利益が)反映される。 問;法人税の減税が最優先。所得税など個人所得課税の改革は後回しということか。 本;ファンドマネジャーが納税者番付のトップになったりしている。そうした状況で税調の各委員も格差問題の議論の必要性を主張。税の再分配機能をどう考えるか、所得税に手を付けないなんて委員が許さない。これまで所得税の最高税率を下げ続けてきたが、所得税や相続税の在り方も議論したい。今の時代の流れには敏感でありたい。 問;政府税調ではかつて、石弘光前会長が「高齢化で増加する社会保障費の財源を確保する意味でも、将来の消費税率は二けたが避けられない」と主張した。消費税率アップについてどう考える。 本;(所得税の改正など)最適な組み合わせを考える中で、各論として消費税を盛り込みたい。ただ今の段階で『消費税を何%』などと言うのは拙速。景気の減速懸念がささやかれる中で消費税の議論がなされると、消費者のマインドがトーンダウンする危険性がある。そうなれば元も子もない。 問;消費税率引き上げに積極的だった石前会長は竹中平蔵・前総務相らから「形を変えた抵抗勢力」と批判され、政府・与党との関係が悪化した。新政府税調をどう運営していくのか。 本;政府税調は首相の諮問機関。政権との調整は当然だ。税調は国民に(増税という)“苦い薬”を飲んでもらうことに対応せねばならない。政府とのコミュニケーションを密にし、言うべきことは言う税調を目指す。これまでは税調委員になることに意義を感じる有識者もいたが、(政府に)使われて、看板だけにとどまる時代は終わった。『汗をかく税調』に変える。 |
以上でまったく明らかで、本間は、経済成長のための法人税減税が必要だという。企業が栄えれば、その好影響が個人に及ぶ可能性を説いている。だが、これはこの間の実績をみてみるがよい。「企業は経済社会のエンジン役であると同時に(個人にも)利益を分配する装置」と本間は説明するが、記者の指摘するように、大企業が膨大な利益をあげる一方で、庶民への負担増で格差はひろがった。分かりやすくいえば、企業の減税分を庶民の増税でまかなったわけだ。
インタビュー記事のリードにはつぎの表現があった。
消費税率の引き上げ論議については「今、議論するのは拙速」と述べ、来年夏の参院選後に先送りする考えを示唆した。 |
昨日エントリーの自民党税調会長・津島の言葉も同様であり、消費税増税がほんとうに必要なら参院選でそのことを国民に問えばよいと思うのだが、そうしないところに、狡猾さを感じざるをえない。
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この上に増税か-消費税増税たくらむ07年税制改革
経団連会長の御手洗富士夫(キヤノン会長)は13日、税制改革の焦点になる法人税の実効税率(現行約40%)について、「欧州など各国の状況をみても30%をめどにして考えるべきだ」と強調し、政府・与党が年末にまとめる07年度税制改正大綱に引き下げの方針を明記するよう牽制している。(日経新聞、11・14)
御手洗会長は、「欧州・アジア諸国は法人税を一斉に引き下げており、日本経済の牽引車である企業が国際競争力を失っては困る」と法人税減税の意義を強調した。実施時期は08年度以降に段階的に引き下げるべきだという考え。
一方で、自民党税制調査会会長・津島雄二は来年度の税制改正論議に関して発言している。日経新聞によれば、消費税引き上げは「来年の秋以降に議論するのが一番ふさわしいだろうというのは十分理解している」とのべ、安倍首相に歩調をあわせる姿勢を明らかにした。来年の秋以降というのは、いうまでもなく夏の参院選が控えているためで、そのあとに増税の方針が国民につきつけられることになる。この点でも、来年の参院選で自民党に明確な審判をくだしておくことが必要になる。
弊ブログでも再三、のべてきているが、庶民の負担増で大企業の負担を減らす方向が、税制の面でも社会保障の面でもつづいている。本来、税制や社会保障は所得再分配の機能を担うはずだが、この間の税制改悪や社会保障改悪によって、その機能は壊れている。先の御手洗経団連会長の発言は、消費税増税を担保に法人税を10%引き下げよと要求しているもので、減税額は4兆円以上にのぼるといわれている。
いま、いざなぎ景気と比較した上で景気回復との論調がめだってきている。内閣府のデータでは、GDP(国内総生産・7-9月期)は実質0.5%増となり、四半期ごとにみると7期連続の増加という。このデータの裏側には先にあげた現実があることをみておく必要があるだろう。つまり、徹底した大企業優遇政策の一方で庶民いじめがおこなわれているという現実である。格差はいっそう拡大しているのだ。だから、われわれ庶民はいっこうに景気回復感など抱けないのである。
家計消費は年率で3%減だという。景気回復局面で最大の落ち込みだそうだ(しんぶん赤旗)。設備投資と輸出を指標にとれば、一方でそれぞれ年12%、11.2%と伸びているのだ。今回の消費落ち込みについて、経済財政相・大田弘子は「背景として一人当たりの賃金が伸びていないことがある」と所得低迷の影響を認めている。
いざなぎ景気の時は労働者の賃金が伸びていたが、今回の「景気回復」では賃金が抑えられた結果であることがはっきりしているのだ。
しかし、2日の経済財政諮問会議では相変わらず、企業の成長と収益確保が従業員の所得アップにつながる旨の発言(伊藤忠会長)が出ている。まさに家計を温めてはじめて景気の回復といえるだろう。「構造改革」がもたらしたものは、非正規雇用、派遣、偽装請負であって、それが雇用・賃金の貧しい環境をつくってきた。大企業の収益は労働者の犠牲の上に成り立ってきたといえる。この上に増税を求めるのか、これが問われなければならない。賃金・雇用環境の是正、社会保障・税制の本来の所得再分配機能の回復など抜本的にあらためる必要がある。
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納税者よ、反乱を起こせ! -新自由主義考

ある方からコメントをいただいた。ある面では、日本のいまの社会を象徴し、映し出すような内容のお尋ねのコメントだと思う。
以下、私が答えたコメントからはじめたい。
――――――――――――――――――
ご両親の負担額はたいへんなものですね。
この10月からはエントリーに書いているようにさまざまな形で国民へのしわ寄せが実施されたことに国民はもっと目をむけてもよいのでは、と私は率直に思っています。
医療費や介護利用料はそれぞれ異なる要素があると思いますので、高齢者への税金の負担がどのようにふえているのか、○○さんがあげられているケースで少しみてみました。
■70歳・一人世帯で300万円の場合
・定率減税の全廃、公的年金等控除の縮小、老年者控除の廃止、介護保険料値上げなどで負担増は、103,000円。
・これに消費税が10%になれば、さらに103,000円増えることになります。
■70歳・二人世帯で500万円の場合
・定率減税の全廃、公的年金等控除の縮小、老年者控除の廃止、介護保険料値上げなどで172,000円。
・「サラリーマン増税」になったらさらに71,000円、消費税額が10%になったらさらに 151,000円増え、合計394,000円の負担増となります。
いずれも、概算値で、「負担増」は2005年と2008年の比較です。
「サラリーマン増税」として、(1)給与所得控除を半減(最低額は65万円)、(2)配偶者控除、扶養控除、特定扶養控除を廃止――を仮定しています。
以上は、日本共産党の負担増シミュレーションにもとづいています。同党のホームページでシミュレーションが可能です。
私は、片方で大企業への減税を実施しながら、これらの負担増がおこなわれることに目をむけることが必要だと思うのです。たしかに、世帯構成や所得の多寡によって違いは生まれますが、高齢者全体、国民全体への負担増が大企業への優遇の裏返しであることが最も重要だと考えています。
――――――――――――――――――
上にかかげたやりとりの発端は、10月1日から実施された「現役並み高齢者」への負担強化である。
この方からのコメントは、50代後半といわれるご自分の両親が300万円弱の世帯年収から毎月10万円程度の医療費介護費を負担していること、一方で、一人世帯で300万円以上、二人世帯で500万円以上の年収がありながら3割の医療費が負担できない高齢者がいるが、負担できないなんて(自分の両親と比較すれば)よほど贅沢な生活をしているのではないか、という主旨だと理解した。
本来であれば、私自身が試算してみて返答すべきところだが、例によって時間がないため、上記のとおり日本共産党のホームページによって算出した、というより解答してもらったというわけだ。
私が伝えたかったのは、上記に尽きている。繰り返すと、医療や介護は健康の問題をはじめそれぞれの世帯の実情が異なり、ちがいも大きいため、税をとって庶民にとってはいちようにしわ寄せがかかっていることであった。しかも、その裏側にー私は法外と考えるが-大企業減税があることである。
安倍晋三は「階級史観」という言葉をもちいたが、この問題では、安倍のいう「階級史観」にあえて立たなければならないと考えている。ここには、どの階級のための政策かが明確に貫かれているからだ。要するに、一連の「税制改革」でおこなわれ、おこなわれようとしているものは、いっそうの大企業優遇といっそうの庶民いじめである。
小泉が政権についていたここ5年半ばかりで新自由主義という言葉も知られるようになった。今日、格差社会という単語は、まさに熟した言葉になった。新自由主義とは、誤解をおそれずにいえば、富める者はより富み、貧しき者はより貧しくするものだといえる。先の「税制改革」はこれを端的に示している。
私は庶民の側の収入の多寡によるちがいが現に存在することを認めるけれど、しかし、大事なことは以上に記したような基本点をおさえておくことではないかと思う。そうしないと新自由主義に立ち向かうことはおそらくできない。
これまた流行語にもなった「勝ち組・負け組」とは、つまるところ分断に乗せられることにほかならない。「勝ち組」になろうと煽りながら、その実、ほとんど「負け組」に追い込まれていくのが落ちだ。分断を乗り越えるには、税金のつかいみちについて国民がもっと目をむける必要がある。そして税制がどのように変化しているのかに関心をより寄せていかなければ分断は乗り越えられないと考えている。
アメリカでは1978年、カリフォルニア州で「納税者の反乱」(Tax War)といわれる、高い税金にたいする有権者の運動が起きたが、この日本で起きても少しもおかしくはない現状にある。現に端緒的だけれども、全国のいくつかの自治体の窓口では、住民税が高くなり、おまけに国民健康保険料があがったことに怒りの収まらない高齢者の抗議が相次いだそうである。
納税者よ怒れ!
(写真;石弘光・政府税制調査会会長)
【参考エントリー】
消費税論議の落とし穴
すでに日本は「小さな政府」
安倍晋三の「格差社会論」 -安倍の出方3
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消費税2ケタ増税は既定の路線 ― 政府税調会長
http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200607050024a.nwc
長年、政府税調会長を務める石弘光。自分の発言がどんな意味をもつものか、よくわきまえている。3年前には、すでに「将来は2ケタの税率」という見解を示し、世論を誘導してきた。今回はそれを引き継ぐものだとすぐに分かる。
ただ、来年は、いっせい地方選、参議院選もあって、2ケタ税率の明確な導入時期は示さなかった。「手控えた」というのが率直なところだと思う。
すでに自民党税制調査会(柳沢伯夫会長)は6月28日、税体系の抜本改革に向けた検討課題をまとめている。そこでは、中長期的には消費税率を10%以上に引き上げる必要があるとの認識を示した。自民税調は、2010年代半ばに政府債務の対国内総生産(GDP)比を引き下げることを視野に、財政再建に必要な増税の規模や時期を議論することを明記、3月から続けてきた各税目ごとの論点整理はほぼ一巡し、秋から具体的な税制改正論議を本格化させる。
重要なことは、こういう広く国民に課税する消費税増税論議の一方で、石会長が(法人税は)「長い目で見て引き上げる方向ではない」と発言し、現状の維持か引き下げの方向であるとの見解をあらためて示していることだ。
内閣府の公表した数字でいっても、04年度の家計貯蓄率は2・8%と、1980年度以来最低の水準を更新し続けている。また、金融広報中央委員会の調査では、貯蓄ゼロの世帯が全体で23・8%と04年に比べて増加。約4世帯に1世帯が貯蓄ゼロという結果だ。とりわけ単身世帯の場合、貯蓄ゼロ世帯が41・1%と、半数に迫る。
これは、日銀が5日発表した6月の「生活意識に関するアンケート調査」にも表れている。それによると、1年前と比べ景気が「良くなっている」と答えた割合から「悪くなっている」と答えた割合を引いた景況感DIが前回調査(3月)比4.3ポイント減の1.8と、04年12月以来6期ぶりに前期実績を割り込んだ。
暮らし向きに「ゆとりが出てきた」との回答から「苦しくなってきた」との回答を引いたDIも同6.6ポイント減のマイナス43.8に悪化している。
こんな数字は、分かりやすくいえば「法人税減税の一方で国民の税負担増」という構図を示している。二極分化は、税負担の構造にも表れている。
石会長の発言は、2ケタ増税は既定の路線、高所得者の税負担はより軽く、低所得者の負担はより重く、と読み替えないといけないのだろう。
――――――――――――――――――――――――――――
*DIは、質問に対して「プラス(上昇、増加等)」、「中立(不変)」、「マイナス(下降、減少等)」3つの選択肢を用意、「プラス」に回答した企業割合から「マイナス」に回答した企業割合を差し引いた数値
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