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実質賃金偽装データ公表強行安倍内閣の凋落

2019年02月08日 12時59分29秒 | 政治経済、社会・哲学、ビジネス、

                                

                         「植草一秀の『知られざる真実』」

                                     2019/02/08

   実質賃金偽装データ公表強行安倍内閣の凋落

              第2255号

   ウェブで読む:https://foomii.com/00050/2019020812151951927
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アベノミクス偽装が国会で審議されるなか、厚生労働省が2018年の実質賃
金伸び率を公表した。

厚生労働省が2月8日に発表した2018年12月の毎月勤労統計調査速報値
によると、物価変動の影響を除いた実質賃金が前年を0.2%上回ったとのこ
とである。

実質賃金指数が前年比プラスになるのは、第2次安倍内閣発足後2度目で1度
目は2016年の前年比+0.3%である。

アベノミクスの下で労働者一人当たりの実質賃金指数は約5%も減少してき
た。

2018年もこの流れが変わらず、実質賃金が前年比プラスになったのは20
16年の1年だけだった。

2016年はインフレ率が前年比マイナスの「デフレ」に回帰したため、名目
賃金が増えていないが実質賃金が辛うじてプラスになったのである。

実体上は2018年の実質賃金は前年比減少であったと見られるが、厚生労働
省は前年比プラスの統計数値発表を強行した。

前年比プラスになったのは、2017年の統計数値が、異なる手法で計測され
た低い数値になっているからだ。

厚生労働省は全数調査でなければならない調査について、東京都についてのみ
3分の1のサンプルを用いる抽出調査を行っていた。

このこと自体が法律違反であるが、これを全数調査の数字に引き戻すために
「復元」と呼ばれる作業が必要になる。

厚生労働省は2018年の数値のみ「復元」作業で数値修正を行いながら、2
017年以前のデータは「復元」を行わずに数値を公表している。

このため、2018年の数値は高い数値になり、2017年以前の数値は低い
数値になっている。



今回政府が発表した前年比伸び率は、「復元」した高い水準の2018年数値
と「復元」しない低い水準の2017年数値を比較したものである。

その結果、プラス0.2%という数値が発表されているが、この数値は「間
違ったデータ」ということになる。

統計処理方法を同一にして前年比数値を算出することができながら、安倍内閣
は正しい統計数値を発表せず、「虚偽の」プラス数値を発表したということに
なる。

恐るべき事態である。

統計不正が発覚し、問題が明らかになるなかで、虚偽のデータを発表する安倍
内閣の存続は一刻たりとも許されない。

一人当たり実質賃金伸び率は、実質GDP成長率と並ぶ、主権者にとって最重
要の二大経済データである。

安倍内閣はこの二大経済データで「不可」の成績しか取れていない。

「アベノミクス失敗」を明白にする二つの経済データなのだが、この現実を踏
まえて政策を修正するのではなく、不都合なこのデータそのものを「改ざ
ん」、「ねつ造」するという驚異の行動に踏み出している。

さすがは、森友疑惑で14の公文書の300箇所を改ざんした実績を誇る内閣
である。

安倍偽装隠蔽改ざんねつ造内閣と表現するのが妥当である。

国会は国政調査権を活用して、適正な経済統計の開示を政府に強制する必要が
ある。

間違ったデータを修正するなら理解されても、間違ったデータを強引に押し通
す内閣は、主権者国民から内閣失格の烙印を押されることになるだろう。



拙著『国家はいつも嘘をつく--日本国民を欺く9のペテン』
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に多くの方がレビューを掲載くださっている。

深く感謝申し上げる。

アマゾンに「カスタマーHaaa」さまが掲載くださったレビューを以下に転載さ
せていただく。

自民党・安倍政権のウソを、これほど集めて、コンパクトな新書にしたこと
で、改めて、この政権の空恐ろしさに驚愕した(2019年2月2日)

「前言撤回、言い換え、隠蔽、ねつ造、データ改ざん、犯罪のなすりつけ
最近では、毎月勤労統計のデータ改ざんもあったな。

「国家は、いつも嘘をつく」。じゃあ、どうすればいいの、一般庶民は。どう
しようもないよね、だから、選挙に行く人も、少なくなってるの?国政選挙で
も投票率は、6割いってないし、地方選挙はもっと少ないらしい。

本書を読むと、特に、安倍政権の幼稚な嘘がひどすぎる。しかも、犯罪級の嘘
もこの間の自民党政権の中であったらしい。古くは日航機墜落。

本書の指摘通り、圧力隔壁の損傷での墜落ではないのであれば、恐ろしすぎる
(ネタバレになるので詳細は本書を読んでください)。

郵政民営化、国民の年金保険料で作られたかんぽの宿の乗っ取りも、財界・ア
メリカの言うなりに行われた。

りそな銀行の乗っ取りなど、犯罪級の重大な嘘が野放しなのは、司法も警察も
権力のいいなりだからと指摘される。

そもそも自民党はTPP反対だったのに、手のひら返しでTPP参加を打ち出し、グ
ローバル企業のいいなりに日本の富を売りわたそうとしている。自民党の選挙
公約なんて信じちゃいけない。

安倍政権発足直後にオリンピック招致で「福島の汚染水の完全ブロック」を世
界に発信したときは度肝を抜かれたし。

アベノミクスの成果も、強調されているが、庶民に実感はない。実感がないの
も当然ということで、本書はそのからくりを暴く。

消費税の増税も社会保障のためと言われているが、結局、大企業大金持ち減税
に消費税増税分は相殺されているという。

政権が、国民のためではなく、グローバル大企業、しかも、日本の企業だけで
はなく、アメリカの企業優遇で政策を動かしているのだという・・・

これまで、様々な他の著作でも指摘された自民党・安倍政権のウソを、これほ
ど集めて、コンパクトな新書にしたことで、改めて、この政権の空恐ろしさに
驚愕した。

先の世論調査では国民の半分が支持してると報道されていたが?今はそのこと
の不思議を誰か解説してほしいよ。と思っていると、著者は3つの原因を挙げ
る。

刑事司法の不正支配。森友・加計疑惑の追及の甘さは記憶に新しい。メディア
の不正支配。これも納得。そして、主権者の緩さ。最後だけは自分たちでどう
にか出来る、どうにかしなきゃいけない課題だ。日本の政治、刷新しなく
ちゃ。誰に投票するかわからない、投票にいかないなんてだめだ。」



安倍内閣の下で日本政治の崩壊が進んでいる。

森友疑惑は時価10億円相当の国有地が実質200万円という破格値で内閣総
理大臣の近親者に払い下げられた事案だ。

安倍首相は「自分や妻が関わっていれば総理大臣も国会議員もやめる」と国会
で明言し、その後に妻が関わっていたことを認めたにもかかわらず、総理大臣
の椅子にも国会議員の椅子にも居座っている。

そして、この内閣の下で14の公文書の300箇所が改ざんされた。

刑法の虚偽公文書作成罪に抵触する行為であることは明らかだが、日本の腐敗
した刑事司法部局はこの重大犯罪を無罪放免にした。

メディアが健全に機能していれば、メディアが社会の木鐸として問題を厳しく
追及するはずだが、メディアも政治権力の支配下に置かれて、本来の機能を発
揮できない状況にある。

残る最後の砦が主権者による審判である。

選挙を通じて政治を刷新する道筋が消滅しているわけではない。

実際、2009年には主権者が主権者の判断と行動で政権刷新という偉業を成
し遂げた。

2009年に樹立された鳩山由紀夫内閣は画期的な意義を持つ内閣だった。



日本の既得権勢力にとって鳩山内閣の誕生は本当の意味での脅威だった。

だからこそ、既得権勢力は総力を挙げてこの内閣を攻撃し続けた。

鳩山内閣は普天間の県外移設に失敗したが、その主因は外務省がねつ造した公
文書を鳩山首相に提示したことにある。

官僚機構は米国に支配されて、ときの内閣に対して謀略工作を行ったのであ
る。

鳩山首相は県外移設を断念してしまったことを判断の誤りだと認めているが、
そのことによってこの内閣の価値が失われることはない。

日本の既得権勢力にとって、この鳩山内閣はいまなお重大な脅威なのである。

だからこそ、政権崩壊から10年の時間が経過しようというのに、この内閣に
対する攻撃がいまなお続けられているのだ。



安倍内閣の最大の欠陥は、この内閣が日本の主権者国民の利益拡大を目指して
いないことにある。

その象徴がアベノミクスなのだ。

アベノミクスは

1.インフレ誘導

2.財政出動

3.成長戦略

を三本の矢としたが、インフレ誘導は企業に利益を与え、一般庶民に不利益だ
けを与える施策である。

幸い、インフレ誘導は失敗して実現しなかったが、そもそもインフレ誘導とい
う旗を掲げたところから、この内閣の本質が透けて見えていたのだ。

私はこのことを2013年に上梓した

『アベノリスク』(講談社)
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に詳述した。現在は電子書籍が発行されているのでご高覧賜れれば嬉しく思
う。

インフレは実質賃金を減少させる効果を持つ。

大資本に利益を与え,庶民に不利益を与える施策なのだ。

だから、安倍内閣はインフレ誘導を経済政策の目標に掲げたのである。



安倍内閣の下で企業収益は倍増した。

法人企業統計の税引前当期純利益の推移を見ると、2012年度から2017
年度の5年間にこの当期純利益がほぼ倍増した。

その一方で、労働者一人当たりの実質賃金が約5%も減少したのだ。

安倍内閣の下で実質賃金がプラスになったのは2016年だけだ。

2016年はインフレ率がマイナスに転落した。

インフレ誘導に失敗してデフレに回帰したから、初めて実質賃金がプラスに転
じたのだ。

その安倍内閣が2019年に政治決戦を迎える。

実質賃金のマイナスはこの内閣の経済政策の失敗を端的に物語る証左になる。

安倍内閣にとって最大の「不都合な真実」なのだ。

そこで、安倍内閣は「統計不正」によって2018年の実質賃金を前年比プラ
スに「偽装」した。

しかし、「天網恢々疎にして漏らさず」である。

データ偽装が発覚した。

その事実関係が明らかになっているのに、安倍内閣は偽装データの公表を強行
した。

最大の判断ミスである。

安倍内閣の凋落が一気に加速することになるだろう。

 
 
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