曲学阿世:真実を追求し、虚実の世間に迎合するようなことはしたくない。

真実を曲解し不正な情報によって世間の人々にこびへつらい、世間にとり入れられるような、ことはしたくない。

アベノミクスが悪魔の経済政策である理由

2019年02月01日 11時38分49秒 | 政治経済、社会・哲学、ビジネス、

                                

                        「植草一秀の『知られざる真実』」

                                    2019/01/31

     アベノミクスが悪魔の経済政策である理由

             第2249号

   ウェブで読む:https://foomii.com/00050/2019013110202351696
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あっという間に1月が終わり2月を迎える。

風邪対策はしていたが、不覚にも感冒に罹患してしまった。

症状が厳しいのでインフルエンザの疑いについても明確にしておかねばならな
い。

外すことの出来ない予定があるため、予定はこなさなければならないが、二次
感染が生じないように万全の対応を取らねばならない。

人間の活動において健康は極めて重要だ。

健康管理には万全の対応を取る必要がある。

日本の年齢別人口構成において高齢化が急速に進行しており、社会保障支出に
占める医療費支出の金額は趨勢的に拡大する。

これ以外に、年金、介護の政府支出も増大せざるを得ない。

こうした社会保障支出の増加が消費税増税の根拠とされているが、現実の税収
推移は消費税が社会保障支出には充当されてこなかったことを示している。

繰り返し紹介する数値だが、日本の国税収入の推移の現実を正確に把握して欲
しい。

消費税が導入された1989年度の税収が54.9兆円、2016年度の税収
実績が55.5兆円でほぼ同額である。

しかし、税収の構成は激変した。



所得税 21.4兆円 → 17.6兆円
法人税 19.0兆円 → 10.3兆円
消費税  3.3兆円 → 17.2兆円

すなわち、

法人税=9兆円減少、
所得税=4兆円減少、
消費税=14兆円増加

が1989年度から2016年度の国税収入推移の現実なのだ。

消費税増税で社会保障支出を賄うというなら、消費税増税金額が、そのまま税
収全体の増加に反映されていなければおかしい。

その事実が確認されるなら、社会保障支出増加に対応して消費税増税を実行し
てきたとの説明もなり立ち得る。

しかし、現実には、消費税増税の金額とほぼ同額の、法人税減税、所得税減税
が実行されてきたのだ。

消費税増税で庶民の暮らしは圧迫されるばかりである。

しかし、その消費税増税の税収は法人税減税と所得税減税で消えてしまったの
だ。

したがって、消費税増税で社会保障支出を拡充するという政府の説明は「真っ
赤な嘘」なのだ。

拙著『国家はいつも嘘をつく
――日本国民を欺く9のペテン』(祥伝社新書)
https://bit.ly/2TPxt0f

を多くの方がご高覧下さり、第3刷増刷が決定された。

深く感謝申し上げたい。



この書では、「日本国民を欺く9のペテン」を紹介しているが、その9番目が

「消費税で社会保障の嘘」

である。

政府は消費税の税収を社会保障支出に充当するとしているが、この説明は「ト
リック」である。

2017年度の社会保障支出に対する国庫負担は32.7兆円になっている。

このことから、消費税収がこの金額を超えるまでは、消費税で徴収したお金は
すべて社会保障支出に充当すると

「言うことができる」

だけなのだ。

消費税の税収増のすべてを必ず、社会保障の追加支出増加に充てるということ
ではないのだ。

2012年度の社会保障と税の一体改革で、両者がリンクするような「言い回
し」が取られているが、現実には、消費税を完全な目的税としたわけではな
い。

実際には、消費税増税による税収増とほぼ同額の法人税と所得税の減税が行わ
れており、庶民からむしり取った消費税は富裕層の税負担減に充てられてき
た。

この現実を知り、消費税増税を黙認するのをやめよう。

選挙の最大争点に消費税問題を掲げるべきであると思う。



政府は日本財政が危機的状況にあると主張しているが、これも「真っ赤な嘘」
である。

政府の財務状況は政府のバランスシートによって判定することが出来る。

2016年末の一般政府の貸借対照表を見ると、

債務が1285兆円あることが分かる。

日本の名目GDPは約500兆円であるから、政府債務はGDP200%を超
えている。

財政危機に陥ったギリシャでも政府債務の対GDP比は180%程度であった
から、この数値だけが示されると、日本もいつ財政危機に陥るか分からないと
の不安が広がることになる。

しかし、財務状況を判定する際に、負債だけを見て判定することはない。

資産と負債のバランスで財務状況を判定する。

2016年末の一般政府の資産残高は1302兆円である。

負債を上回る資産を保有しているのだ。

両者の差し引きはプラス18兆円。

日本政府は18兆円の資産超過の状態にある。



資産超過の財務内容を持つ政府が破綻することはあり得ない。

財務省、そして、政府は、意図的に負債の金額だけを取り出して、日本財政は
危機に直面しているとの「嘘」を流布しているのである。

極めて悪質な嘘と言わざるを得ない。

私がこの点を強く指摘するようになって、財務省も対応を修正した。

財務省がHPで公表している、「わが国の財政状況」→「財政関係パンフレッ
ト」→「日本の財政関係資料(平成30年10月)」→「会計情報とPDCAサイ
クル」

https://bit.ly/2GAZK9i

に「国の貸借対照表」を掲載するようになった。

しかし、その統計数値がおかしい。

このデータでは、

負債が1221.6兆円

資産が672.7兆円

となっており、差し引き548.9兆円の債務超過になっている。



この資料を見ただけでは、どこに問題があるのかが判然としない。

実は、このデータでは、政府資産から実物資産を取り除いているのである。

政府は広大な土地や各種建造物を保持している。

これらもれっきとした政府資産である。

電力会社のバランスシートを表示する際に、資産から実物資産を除去すること
はあり得ない。

実物資産を含めて資産規模を評価し、その上で財務状況を判定することにな
る。

財務省はバランスシートを掲載したように見せかけて、政府資産から実物資産
を取り除き、政府の財務状況が極めて悪化しているように見せかけているので
ある。

極めて悪質な対応であると言わざるを得ない。



毎年度の予算編成において借金に依存する部分が過大になることは健全でな
い。

新たな借金の金額を政府の利払い以下に抑制するプライマリ-バランスの黒字
化を目指すことは一般論として間違った対応ではない。

また、政府債務の野放図な拡大を容認するべきでないとの主張も正論ではあ
る。

しかし、だからと言って、主権者である国民に虚偽の情報を流布することは間
違っている。

主権者である国民には真実の情報を正確に伝えることが政府の責務である。

日本が財政危機に陥ると不安感を煽り、その情報工作に乗じて消費税を大増税
して、その財源を法人税減税と所得税減税に充当するのは重大な財政詐欺と言
うべきものだ。

労働者の一人当たり実質賃金が大幅に引き下げられ、所得の少ない国民に過酷
な消費税だけを大増税する政策は、まさに弱肉強食推進、弱者切り捨ての「悪
魔の経済政策」であるとしか言えない。


 
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