曲学阿世:真実を追求し、虚実の世間に迎合するようなことはしたくない。

真実を曲解し不正な情報によって世間の人々にこびへつらい、世間にとり入れられるような、ことはしたくない。

2014年最大の政治イベントとしての沖縄知事選

2014年06月06日 16時19分55秒 | 政治経済、社会・哲学、ビジネス、

鳩山友紀夫元首相が理事長を務める東アジア共同体研究所が5月31日、沖縄
県那覇市の琉球・沖縄センター開設を記念したシンポジウムを那覇市のロワ
ジールホテル那覇で開催した。

シンポジウムには約700人が詰めかけて、盛況裏に執り行われた・

シンポジウムでは鳩山友紀夫元首相が開会あいさつをし、その後、筑波大名誉
教授で国際アジア共同体学会代表の進藤栄一氏、「インサイダー」編集長の高
野孟氏、元外務省国際情報局長の孫崎享氏が講演した。

さらに、稲嶺進名護市長も登壇し、普天間問題に関する訪米行動について報告
した。

沖縄では今年の11月に知事選が実施される。

現職の仲井真弘多氏は、2010年の知事選で、普天間基地の移設先を県外・
国外とすることを公約とした。

ところが、昨年12月末、沖縄県名護市長選を目前にして、突如、辺野古埋め
立て申請を承認する決定を行った。

安倍政権に懐柔され、沖縄県民との約束を踏みにじった。

辺野古の地元自治体である名護市の市民はどう判断したか。

本年1月19日に実施された名護市長選で、名護市民は辺野古基地建設阻止を
公約に掲げる現職の稲嶺進氏の再選を実現させた。

安倍政権は名護市長選で、まさに札束で名護市民の頬を叩くような、卑劣な金
権選挙を実施したが、名護市民はその卑劣な利益誘導策に乗らなかった。

金の力に屈することなく、辺野古基地建設阻止を公約に掲げる稲嶺進氏を見事
に再選させた。

1月7日の稲嶺進氏市長選出馬決起集会での演説内容を私はメルマガに記述し
た。

第769号 沖縄の人々の叡智が光り輝く知られざる理由

http://foomii.com/00050

稲嶺進氏の演説はいまもYOUTUBE映像で視聴できる。

http://www.youtube.com/watch?v=Z-gf_eOnpFo



しかし、沖縄元知事の仲井真弘多氏は安倍政権にすり寄り、県民に示した公約
を踏みにじるかたちで、辺野古基地建設にゴーサインを出した。

名護市は稲嶺進氏を筆頭に、基地建設阻止に向けて、断固とした闘いを演じる
構えを示すが、暴走する安倍政権は名護市で何を始めるか予断を許さない。

5月11日、琉球新報は、安倍政権が辺野古移設で、本体の埋め立て工事を2
015年7月の予定を2014年秋に前倒しする方向で検討していることを伝
えた。

仲井真氏と安倍氏が結託して、沖縄県民の総意を踏みにじる構えを示してい
る。

この意味で、11月の沖縄県知事選は沖縄の命運を分ける、天王山の戦いにな
る。

沖縄県民が総意として、辺野古基地建設を阻止しようとするなら、この知事選
で、明確に辺野古基地建設阻止を公約に掲げる候補者を当選させなければなら
ない。

仲井真弘多氏のように、県民に県外・国外を約束しながら、政治権力から揺さ
ぶられると、すぐに転んでしまうような人物を選択することも許されない。

この知事選に、辺野古基地建設阻止の沖縄県民の総意が明確に示されて、辺野
古基地建設を阻止できる知事を誕生させることが求められている。



民主党沖縄県連は鳩山友紀夫氏に知事選出馬を要請したが、鳩山氏は固辞し
た。

鳩山元首相は5月31日のシンポジウムで次のように述べた。

「「最低でも県外」といった考えは、自分の未熟さゆえに実現できなかった。
あらためて未熟さをおわびし、これから県民の気持ちにできるだけ寄り添いな
がら、自分の行動を高めていきたい。」

そのうえで、こう強調した。

「安倍政権は中国脅威論を日米関係強化や沖縄の米軍基地の必要論に使ってい
るように思えてならない。

武力行使は問題の根本解決にはならない。自分の主張だけでなく、相手の言葉
にも耳を傾け、互いに理解し、助け合う友愛の精神を広げれば、東アジア共同
体という考え方に行き着く。

その考えを歴史的に持っているのは沖縄だ。」



国政では政権与党にどうしても潜り込みたい石原慎太郎氏が日本維新の会を分
党して、極右政党を立ち上げる。

極右の安倍晋三氏は公明党を切り棄てて、石原極右新党と結託して、日本を対
米従属の傭兵国家に転落させる危険を顕在化させ始めている。

この危険な流れに歯止めをかける、最重要の試金石になるのが、本年11月の
沖縄県知事選である。

辺野古基地建設を断固阻止しようとする政治勢力が、いま、候補者選考を加速
させている。

時間は限られているが、この選挙においては、敗北は許されない。

迅速でなければならないが、拙速はより弊害が大きい。

いま、名前があがっていない人物を含めて、最善の候補者を選定して、知事選
必勝の体制を敷かなければならない。



シンポジウムで孫崎亨氏が二つの重要なことがらを示した。

ひとつは、ニューヨークタイムズ紙の論評である。

ニューヨークタイムズ電子版は5月8日、安倍晋三首相が憲法9条の解釈を変
更し、集団的自衛権行使を容認する意向であることに関して社説で論評した。

「日本の平和主義憲法」と題した社説は、憲法9条がノーベル平和賞候補に
なったことを紹介。

「安倍氏がハードルの高い改憲ではなく、解釈変更により9条の無効化を追求
している」

「安倍氏の最大の政治目標は、第2次大戦後に米軍によって書かれ、押し付け
られた憲法を改正することだ」

「安倍氏は憲法が日本の主権に重い制約を課し時代遅れだと強く感じている」

と指摘し、そのうえで、

「安倍氏は憲法の主要機能は政府の権力をチェックすることだと知るべきだ」

と主張。

同紙は結論として、安倍晋三首相が憲法9条の解釈を変更し、集団的自衛権行
使を容認する意向について、

「民主的手続きを損なう」

と批判したのである。

私の主張とも完全に重なるが、まさに正論である。

国会で集中審議を行うなら、国会野党がこの主張を前面に掲げ、安倍政権の妄
動を阻止するべきである。

日本の野党の一部が安倍政権の妄動にすり寄り、海外の新聞からこのような批
評を受けることは、日本国民にとって、誠に恥ずかしいことである。

孫崎氏は、このニューヨークタイムズ紙論評を紹介した。



もうひとつ、孫崎氏が述べたことも重要である。

日本と同じ第二次大戦の敗戦国で米軍基地が置かれたドイツが基地問題にどう
対処してきたかという点だ。

米軍基地があるドイツには地位協定の補足協定があり、基地の返還について、

「共同防衛の任務の重要性とドイツの利益を比較し、ドイツ側の利益が大きい
ときは基地の返還請求ができる」

と書いてあることを紹介した。

そのうえで、孫崎氏は、

「県民が県外移設を求めている沖縄でも、同じ原則でやるべきだ」

と述べた。

私たち日本国民が必ず知っておかなければならない、他の敗戦国の基地問題に
関する基本情報を提供された。



同じくシンポジウムで発言した高野孟氏は次の指摘を示した。

「安倍政権の本質には、ゆがんだ愛国主義がある。

歴史をゆがめて修正しようとする偏狭な愛国心だ。」

いま、安倍晋三氏や石原慎太郎氏が煽り立てているのが、この「偏狭な愛国
心」=「偏狭なナショナリズム」である。

経済停滞が24年間にわたって持続するなか、安倍政権は進行する「弱肉強
食」をさらに加速させる経済政策を全開の状態で推進している。

大多数の国民が下流に押し流され、分厚い下層階級が形成されている。

そのしわ寄せを一手に引き受けているのが若年層であり、安倍氏や石原氏の扇
動は、こうした若年層に偏狭なナショナリズムを植え付けて、日常の不満を、
真の原因である国内政治にではなく、他国に振り向けさせようとするものであ
る。

若年層が、流布される情報の真贋(しんがん)、本当とウソを見分ける能力を
持たないと、日本は戦前のような危険な国家に転落する恐れが高まる。



改めて、1月7日の稲嶺進氏の決起集会での演説内容を掲載しておく。

文字起こし提供はこちら。

http://senkyo.blog.jp/archives/2248566.html

「11月に県選出の国会議員、そして自民党の県連、

ヤマトゥ(大和)の力に首がウサーサッティ(抑えられて)

ムヌゥイワサンアタイ(物をいえないような)

イッターヤ、ウヤヌイイシ、チカンガンブイ

(おまえたちは、親のいうことをきかないのか)

こんな感じで脅かされて恫喝されて、そして屈服をしてしまったんです。

石破幹事長のうしろに座らされていた5名の姿が新聞に出ておりました。

アギジャビヨー(あーあ…)

あんなに恥ずかしい思い、そしてカメラの前に晒されて

あの惨めな姿、あれを見てワジワジー(腹が立つ)

というよりも悲しくなったんです。

そういう状況をこれまで我々は

68年間ずっと煮え湯を飲まされるような形で虐げられてきた。

そして68年後に今、あらためてあの琉球殖民を思い起こさせるような

そういう姿が映し出されます。

アンスカマデ、スンナーサイ(そこまでしますか?)

そこまでやりますか、みなさん。

でもそれが今後の姿なんです。」



「仲井真県知事も予算折衝に行ったんでしょうかね。

東京に行ったら病院に逃げ込んで何もかもみんな外からも

誰も入って来れないように隠れて

しかし入っていたのは貴賓室だったんでしょうかね。

そこで日本政府との裏工作、そんなことをやっていたんですね。

最初ウチナーンチュは入院したというからみんな心配していたんですよ。

大丈夫かねー、と。

しかし、ふたを開けてみたら、あれ本当に病気だったのかね、と。

本当に情けなくなります。

そしてその後、官邸に行って、その帰りに、驚くべき内容を提示した、と。

よい正月を迎えられる、140万県民を代表して感謝申し上げます。

誰がお願いしましたか、そんなこと。

本当に、何が驚くべき内容ですか。

驚いたのは、ワッターウチナーンチュ(私たち沖縄人)です。

3000億円か知りませんけれども

ワッターウチナーンチュ(私たち沖縄人)、そこまで卑屈になる必要がありま
すかね。

ネーランヨーヤーサイ(ないですよね)

本当に悲しい、むなしい、そういう思いがこみ上げる状況でした。

そして沖縄に帰ってきたら、ちゃんと仕事を県庁に出てやるのかと思ったら

帰ってきたら知事公舎に向かいました。

また県民と向き合わない。県民の抗議を恐れて知事公舎に引っ込んで

そこでまた、承認しますという発表をする。

どこまでウチナーンチュの代表としての気概、そして覚悟があるのかな、と。

こんなにこそこそしながら、あんな大事なことをやっちゃったんで

ヌガーラサナイヨヤーサイ(ゆるしませんよ)

記者団の質問にいろいろ、やったやつね、何か少しキレてしまって

そのときに知事は何を言ったかといったら

私も人並みに日本語上手だよ、と。こんなことを言ってるんですよ。

アンシ、イッチョーシェー、ムルワカラングトゥ

(それで、言ってることみんなわからないですよ)

言語明瞭、意味不明ということであります。

こんな風にして不可解な言動を私たち沖縄県民に晒し、

そしてそれをそのまま日本国民のすべてに伝わっていってるんです。」



「先ほどもお話しありましたけれども、結局沖縄はお金か。

反対するのはその金を引き上げるためにやってるんじゃないの。

こんな誤ったメッセージをいちばん低層な、それをやっちゃったということで
すね。

我々がウチナーンチュとしてとても許されるものではない。

私は沖縄の自立経済ということを言っております。

しかしあの瞬間、私は沖縄の自立は遠のいてしまったと思います。」



(琉球新報による29名の世界の識者による辺野古基地建設反対声明について
も触れて)

「みなさん今日の琉球新報をご覧になりました?

オリバーストーンさんをはじめ世界の有識者29名のみなさんが連名で

辺野古移設中止を、との声明を…。

ここには平和と尊厳、人権、環境保護のために闘う県民を支持する、とありま
す。

続けて知事の埋め立て承認は県民の民意を反映したものではない、

県民に対する裏切り、と、ばっさり言い切っております。

我々は今、危機に直面しておりますけれども、このように我々の応援団は

世界中にいるということであります。

こういう動きを見ますと、我々もまた、よしがんばるぞ、という気持ちにもな
りますよね。」

辺野古基地建設を阻止するため、必ず、分裂選挙にならない形で、辺野古基地
建設阻止公約を命懸けで守り抜く候補者をただ一人に絞り込み、その候補者の
必勝を果たさねばならない。

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