日本のTPP先走り批准は国民への背信行為
第1537号
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臨時国会は9月26日に召集され、11月末までの会期が設定される見込みで
ある。
この臨時国会での最大の争点がTPPになる。
11月末までの批准を実現するために安倍政権は10月末までの衆院通過を目
指すことになるが、事はそう簡単には進まない。
安倍政権与党は衆院の3分の2勢力を有し、参議院でも多数議席を占有してい
る。
しかし、自民党は2012年12月総選挙で
「TPP断固反対!」
「TPP交渉への参加に反対!」
のポスターを貼り巡らせて選挙戦を展開した。
主権者の多数が自民党が「TPP反対」であることを前提に投票している。
ところが、安倍晋三首相は選挙から3ヵ月も経たない2013年3月15日に
TPP交渉への参加を発表した。
「ペテン政治」の本領をここでも発揮したのである。
しかも、自民党は2012年12月の選挙に際して、
「6項目の公約」
を明示した。
この公約を遵守してのTPP交渉参加であるなら、主権者の理解もある程度は
得られるかも知れないが、安倍政権がいま推進しているTPPは、この6項目
の公約をことごとく踏みにじるものである。
これを「暴走」、「狂走」と言わずして何と言えるだろうか。
TPPについては、二人の代表的識者が必読の書を公刊されている。
山田正彦元農林水産大臣と鈴木宣弘東京大学教授である。
山田正彦氏の新著
『アメリカも批准できないTPP協定の内容は、こうだった!』
(山田正彦著、株式会社サイゾー、税込1620円)
http://goo.gl/55q17O
は、安倍政権が臨時国会で強硬批准しようとしているTPP最終合意文書につ
いて、その問題点を具体的事例をふんだんに盛り込みつつ、分かりやすく解説
した書である。
日本の主権者すべてにとって必読の書になっている。
東京大学の鈴木宣弘教授は農水省官僚を経て東大教授に就任した行政の表裏を
知り尽くしたこの分野の第一人者である。
TPPの問題点を当初から的確に指摘し、日本がTPPに参加すべきでないこ
とを的確に指摘し続けてきた。
その鈴木宣弘氏が
『悪魔の食卓』(角川書店、1404円)
http://goo.gl/LY3Pn2
を刊行された。
副題には
「TPP批准・農協解体がもたらす未来」
とつけられている。
堤未果氏が著された
『政府はもう嘘をつけない』(角川新書)
https://goo.gl/u7rBXl
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2016/08/post-c2f5.html
と合わせてTPPを正確に理解するための三部作となっている。
さらに、山田正彦氏や弁護士の和田聖仁氏、PARCの内田聖子氏、食健連事
務局長の坂口正明氏などによるTPP分析チームが取りまとめたブックレット
『このまま批准していいの?
続・そうだったのか!TPP 24のギモン』
http://notppaction.blogspot.jp/2016/08/tppq.html
が広くTPPの問題点を理解してもらうための決定版である。
ネットから無料でダウンロードすることができ、1部100円で取り寄せるこ
ともできる。
申込フォームは
http://notppaction.blogspot.jp/2016/08/tppq.html
素晴らしい資料であるので、この資料を日本全国に拡散することがまずは必要
だ。
臨時国会でのTPP批准を阻止するために、10月5日から毎週水曜日夕刻に
「国会前水曜行動」
を実行する予定である。
衆議院議員会館内で「情勢共有集会」を開き、国会議員からの情勢報告を受け
たうえで、国会前街頭で「国会前水曜行動」が実行される。
主権者が行動し、この主権者を不幸にするTPP批准を阻止しなければならな
い。
また、10月15日(土)正午から、東京都港区「芝公園23号地」において
「TPPを批准させない!10.15一万人行動」
http://nothankstpp.jimdo.com/スケジュール/
が実施される予定である。
臨時国会最大の争点になるTPP批准を力を合わせて阻止しなければならな
い。
山田正彦氏の新著
『アメリカも批准できないTPP協定の内容は、こうだった!』
http://goo.gl/55q17O
の内容をアマゾンサイトから紹介させていただく。
「このままでは日本は破滅する!
国民は本当のことを知らされていない!!
このままでは日本は破滅する!
国民は本当のことを知らされていない!!
TPP反対派の急先鋒である元農水大臣の山田正彦氏が、専門家たちによる分析
チームを結成して、6300ページにわたるTPP協定文書を精査。
政府の説明や既存の報道とは大きく異なる、TPPの恐怖や問題点を「農業」
「漁業」「医療」「食の安全」「公共事業」など、分野別に解説。
2人の米大統領候補までもが揃って反対し、秋の国会では大きな争点になるで
あろうTPP批准論争を前に、国民が知るべき情報をまとめた一冊。」
まさに国民必読の書である。
アマゾンブックレビューから、一部を紹介させていただく。
「「内容はこうだった!」というタイトルの通り、まず第一に「日本国内、日
本国民にTPP協定の内容が知らされていない」ことが大きな問題点であると
指摘している。
何しろ膨大である上に日本語版がないっ!!!
保険契約の約款などのように「長すぎて難し過ぎて読む気を無くさせて、さっ
さと判を押させる」という手法まんまであるが、ここで判を押すのは内国の法
律上の決め事でもなく、ましてや最高法規たる日本国憲法をも凌駕する「国際
条約」であるという点だ。
ウォール街の巨大資本がバックに見え隠れする、米国多国籍企業の利益を代弁
するロビイスト・弁護士・会計士達が巧妙に作り上げた長大な文章群。
わが国日本の自国語としてすら咀嚼されていない、こんな代物に易々と調印し
たらどうなるか・・・。
本書の最重要キーワードととて頻出する「ISD条項」なるもの。
どのような不条理な因果をもたらそうと、「投資家対国家の紛争解決」に関す
るこれがある限り、きわめてクールかつドライに金銭的賠償を求められる。
さてそんな、反対はともかく、仮に賛同するにしても何をどう賛同するのかと
いうことを考えるとしても、この協定文書の全てを(作成者がこっそり忍ばせ
た意図も含め)完全精査する必要があるというのは当然の事である。
「国益」という言葉が三度の飯よりも大好きな人も当然である。
本書はTPP協定書の分析を通じて、文書内容から読み取れる事実に迫るもので
ある。
言い換えれば、「情報の非対称性の解消に肉薄」するためのものである。
関税撤廃により安く輸入農産物が手に入るという話であるが、安全性がまった
く担保されていない輸入品が押し寄せるという結末である。
食品添加物基準の緩和、遺伝子組み換え食品、クスリ漬けの農産物海産物・・
・。
こりゃあかん、もしこうなったら自衛策でなんとかしなきゃと思いきや、自由
貿易上不利な表記や逆に有利な表記が違反となりISDで訴えらえるって・・
・。
つまり産地はおろか遺伝子組み換え・非組み換え等の判別表記すらできなくな
ると。
それも国家対国家ではなく、1民間企業に国家が訴えられるのだ。
私は食生活に関して生協に加入しているが、このような組織もTPPの論理で
いくと強制解体させられるというのか・・・?
選択の自由が消える。」
鈴木宣弘教授の新著の商品説明には次のように記述されている。
『悪魔の食卓』(角川書店、1404円)
http://goo.gl/LY3Pn2
「安全性も経済発展も嘘で塗り固められたTPP、アメリカの要求に応え続ける
「底なし沼」、農家所得倍増計画の欺瞞、待つのは地域創生ではなく地域壊滅
――わたしたちの未来はどうなってしまうのか」
「今ならまだ間に合う!
「安全保障の要は食料」という認識の欠如が農業問題の根本。
活路は競争ではなく中庸にある。
増大する遺伝子組み換え・成長促進剤・食品添加物、伸び悩むGDP、滅び行く
地方都市・自然・国富…」
著書には、
TPPの真実-隠された11の嘘(第1章)
高まる健康リスク(第4章)
「3だけ主義」から「三方よし」へ~消費者の選択」(第5章)
が書かれている。
鈴木氏は
「国家安全保障の要は食料にある」
とした上で、農業と食糧自給、食の安全・安心の問題に焦点を当てて、TPP
問題を分かりやすく解説されている。
「3だけ主義」
とは、
「いまだけ、金だけ、自分だけ」
のことで、2001年の小泉竹中政権の発足以降、急激に推し進められてきた
「新自由主義経済政策」の根本原理のことである。
安倍政権がTPPを強引に推進しているのは、米国を支配する、そして、当然
の帰結として安倍政権を支配する
強欲巨大資本=ハゲタカ資本
が安倍政権に日本の先行批准を命令しているからだ。
米国ではオバマ政権下でのTPP批准が絶望的な情勢だ。
オバマ大統領が任期中の批准を目指すと強弁しているのは、これを言わない
と、日本の批准が困難になるからだ。
何としても日本に先行批准させて、米国での批准につなげたいと考えているわ
けだ。
内外主要メディアは、米大統領選に関して、圧倒的にクリントン応援の態勢を
示している。
その理由はトランプ候補が明確にTPP反対を示しているからだと考えられ
る。
この点が堤未果氏の
『政府はもう嘘をつけない』(角川新書)
https://goo.gl/u7rBXl
が明解に謎解きしてくれている。
トランプ氏はハゲタカに支配されていない稀有な大統領候補なのである。
だからこそ、米国を支配する強欲資本はトランプ氏の大統領就任阻止に力を注
いでいるのである。
万が一、米国がTPPを批准する場合、内容が修正されることは間違いない。
この点を踏まえれば、最終内容が明かでない現時点で日本が先行批准する正統
性は皆無である。
臨時国会でのTPP批准を阻止することが日本の主権者の利益を守ることであ
る。
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