曲学阿世:真実を追求し、虚実の世間に迎合するようなことはしたくない。

真実を曲解し不正な情報によって世間の人々にこびへつらい、世間にとり入れられるような、ことはしたくない。

民を切り棄てる成長戦略に未来はない

2016年01月12日 10時31分18秒 | 政治経済、社会・哲学、ビジネス、

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                   「植草一秀の『知られざる真実』」

                             2016/01/10

 民を切り棄てる成長戦略に未来はない

               第1337号

   ウェブで読む:http://foomii.com/00050/2016011013244230807
   EPUBダウンロード:http://foomii.com/00050-31423.epub
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拙著『

『日本経済復活の条件
 -金融大動乱時代を勝ち抜く極意-』

の販売が開始された。

http://goo.gl/BT6iD7

http://books.rakuten.co.jp/rb/13591835/

楽天ブックスでは、発売開始日翌日である1月8日に

経済・財政ジャンル30,081点のなかで、

ベストセラー・ランキング第1位

を頂戴した。

多くのみなさまのご購読に心から感謝を申し上げる。

楽天ブックスでは、なぜか、1月9日には、ベストセラー・ランキングの表示
対象から外された。

「売れてはいけない本」が売れてしまったため、表示対象から外されたのか。

真相は定かでないが外された。本日、1月10日には対象に復帰したようだ
が、拙著の販売については、これまでもさまざまな妨害工作的な動きがあった
ので、今後も警戒してゆかねばならない。



アマゾンサイトには、すでにブックレビューが掲載された。

アマゾン・トップ1000レビュアーである中西良太氏がレビューを掲載下
さった。

http://goo.gl/4cz6Z3

厚く感謝の意を表したい。

その一部を転載させていただく。

「本書は、世界の政治経済社会情勢の動向を精緻に把握し、投資戦略に活用す
る為であると同時に、学者的良心として単純な株価上昇に歓喜する投資家達に
日本経済全体の推移が、如何に株価上昇と乖離しているかを同時に明示してい
ます。

折衷的な記述ではなく、見事に政治経済両面の分析が融合した論旨の展開で、
史上最高の完成度です。」

「単なる巷間に氾濫する安っぽい投資指南本ではありません。

ヘーゲル的な体系知の持ち主である植草さんの批判的分析は、日米中を主軸に
し、金利・為替・株価の国際的な発展推移の比較において展開されています。

ここでは主としてチャイナリスクの正体、アベノミクスの正体(日本経済の実
態)、日本経済復活の条件です。

その論述で本書の導きの糸となるのが、官製相場を念頭に置いた以下の基本的
命題です。

植草さん:株式市場は情報の集積場である。経済統計は人為によって創作され
るバーチャルな変数だが、株価は多数の市場参加者の行動によって形成される
リアルな変数である。

その決定には、無数の情報、奥深い情報が関与する。

著名人も有識者も関係ない。

リアルな現実、リアルな情報が折り重なって株価が決定される。

これは、為替レート、債券価格についても当てはまる。

この意味で、一般の経済指標とは全く異なる属性を有するのである。(p.
254)」



「植草さん:安倍政権の経済政策の根幹をなすのが成長戦略であり、この成長
戦略こそ、日本の主権者をさらに厳しい経済状況に追い込む「真綿」の役割を
担うものである。(p.195)

資本主義社会の不況は、企業の生産能力と最終需要である個人消費のバランス
の崩壊です。安倍の経済政策は、短期的には資本家達の利益を増大させます
が、中長期的には日本の広範な生産活動の担い手である労働者階級の消費能力
を現在よりもさらに減退させ、その存立自体を不安定化させるものです。この
ようなアベノミクスとは何か?

植草さん:アベノミクスは、労働者の処遇を引き下げる事を根幹に置くから、
消費主導の経済成長は実現しようがない。

そこで、打開策として、働く人数を増やす事を考えたのだ。

全ての働ける人間を低賃金の労働に引きずりだす。

そのことによって、GDPのかさ上げを図る。

これが、「新三本の矢」であり、「一億総活躍 」の意味である。

正確に表現するなら、「一億総動員 」だ。

そして、生産年齢を過ぎた国民には、できるだけ早くに死んでもらう。

これが、医療自由化の狙いでもある。

低所得者には十分な医療を提供しない制度に移行する。

この人々が早く死んでくれれば国の社会保障支出を節約できる。

「一億総動員 」と「一億総棄民 」が「新三本の矢」の正体だ。(pp.197-
198)」

ぜひ、ご一読賜れれば誠に嬉しく思う。



さらに、レビューから紹介させていただく。

「最後に日本経済復活の条件です。

資本家=企業の収益が上がれば、労働のリターンがそれだけ減るというのが、
トリクルダウンが隠蔽する虚構の真実です。

それと同様に、株価上昇=景気向上ではないのは、アベノミクス不況下の労働
者の境遇悪化、非正規化の推移が急上昇しているグラフ、実質賃金の過去から
の下落傾向からも明らかです。

株価上昇と労働者/家計の経済状況が劣化している傾向が同時進行している現
状を無視した金儲けは危険であることを、本書は啓示しています。」



「では、どのような政策方針が日本経済復活の条件なのか?

その重要命題が以下です。

植草さん:自立的な経済成長軌道を実現する為に必要不可欠な事は、生産・所
得・支出の拡大循環を成立させる事だ。

持続可能な拡大循環が成立しない限り、日本経済は復活しない。

何よりも重要な事は、生産の果実を適正に労働者に分配することだ。

生産の果実の分配に際して、高所得者への分配を多くして、低所得者への分配
を減らすと、消費が全体として停滞する。

2012年11月以降の「アベノミクス」の時代に家計消費が低迷しているの
は当然のことなのだ。(p.210)

税制改革で、高所得者への累進課税強化と、消費税廃止、法人税の強化は必須
です。

中低所得層への所得分配を強化することです。

一言で言うと、日本経済復活策はネオリベを否定する格差是正策でもありま
す。

結論から言うと、本書はこのように巷に氾濫するチープな投資指南本ではな
く、科学的に精度の極めて高い政治経済社会動向の批判的分析の書であり、そ
れは官製相場の株価上昇に嬉々とし、投資で儲かればいいという安易な傾向に
警鐘を鳴らし、株価上昇と対極にある日本経済全体のアベノミクス不況の現在
と未来の危機を体系的に論述した名著です!

本書が証明するように、アベノミクスは際限のない格差拡大策であり、日本経
済復活の鍵は格差是正策による労働者階級への分配を通した家計の消費能力の
再生拡大です。」



1月8日、名古屋税理士会熱田支部の研修会で講演させていただいた。

講演後の懇親会で、研修会に参加された税理士の方がしみじみと語っていた。

「メディアはアベノミクスをはやし立てるが、自分の身の回りでは、その実感
がまったくないし、そのような話も聞かない。

今日の説明で、その背景が本当によく分かりました。」

これが真実なのだ。

アベノミクスで潤ったのは、一握りの大企業だけである。

たしかに大企業の利益は激増した。

これが株価上昇の背景である。

以前、私は、「株価変動は経済変動を映し出す鏡の存在だ」と言ってきた。

しかし、これには前提があった。

それは、生産の果実の分配が不変であるということだ。

生産の果実を資本と労働とに、公平に、そして適正に分配するなら、経済全体
が拡大するときには、企業の収益も拡大し、労働者の所得も拡大する。

株価上昇は経済全体の浮上を意味する。

しかし、アベノミクスの下では、この前提条件が成り立たない。



つまり、経済全体は浮上していないのに、大企業の企業収益だけが拡大したの
である。

これは、裏を返すと、労働者の所得が減少したことを意味する。

大多数の労働者は下流に押し流される一方、一握りの大資本、資本家=富裕層
だけが潤う構造がくっきりと浮かび上がっているのである。

株価が上昇することは経済の空気を向上させる面で悪いことではない。

しかし、大多数の労働者が下流に押し流され、一握りの資本家だけが浮上する
図式には、長期の安定性がないのである。



「資本栄えて民亡ぶ」

というのは、長期的衰退の源泉なのだ。

いま必要なことは、

「民を栄えさせる」

ことである。

下流に押し流された人々を、すべて中流に押し上げることだ。



消費税を引き上げることについて、

「欧州諸国の付加価値税率は高いから、日本の消費税率など低すぎる」

などの言葉が聞かれる。

しかし、この議論は、財政論議の一番大事な部分を欠いている。

財政とは、

国民から税を調達して

その資金を支出すること

である。

どのように税を調達するのかは重要だが、

同時に重要なのは、

どのように税金を使うのか

なのである。



日本財政の最大の特徴は、財政支出のなかのプログラム支出を切ろうとし、裁
量支出を増やそうとしていることにある。

プログラム支出とは、制度によって支出が自動的に決まるもので、その代表が
社会保障支出だ。

財務省はプログラム支出を切り、裁量支出を増やす。

プログラム支出は利権にならず、裁量支出は利権になるからだ。

税金の調達のところでは、例えば、イギリス、カナダ、オーストラリアなどで
は食料品は非課税である。

所得の少ない人に対する生活支援が充実している。

このような、経済的弱者への対応、配慮を十分に実施したうえで、高い付加価
値税率を設定している。



日本では、所得の少ない人々に対する対応、配慮をほとんど取らず、財政支出
では、裁量支出、利権支出、バラマキ支出だけを拡大し、所得のない人からも
税金をむしり取る政策が強行されている。

非正規労働の拡大を推進するなら、最低賃金の大幅引上げが必要不可欠だ。

困窮者に対する生活支援も大幅に拡充するべきだろう。

日本政府は2007年の段階で、法人税減税は必要なしとの結論に到達してい
る。

それにもかかわらず、2012年度から、狂ったような勢いで法人税減税を推
進している目的は、ただひとつ。

消費税増税を狂ったように強行するためである。

財界=大企業を味方に引き入れ、自民党は企業からの献金を増大させ、官僚は
天下りを維持し、そして、財界を通じて民間メディアを支配する。

この目的のために、政府が必要なしと判断した法人税減税が強行されている。

他方で、所得がない人から消費税をむしり取る政策が強行されている。

この意味で、日本は世界で最も貧困な政治を実行している国であるのかも知れ
ない。

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