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辺野古基地建設支援の埋立承認撤回しない翁長知事

2017年05月31日 21時00分08秒 | 政治経済、社会・哲学、ビジネス、

                 

 

              「植草一秀の『知られざる真実』」

                             2017/05/31

 

 辺野古基地建設支援の埋立承認撤回しない翁長知事

               第1755号

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安倍晋三氏の御用記者としての評価が定着している元TBS記者の山口敬之氏
の準強姦疑惑に関して警視庁が逮捕を取りやめにした事案について、徹底的な
真相解明が求められる。

オリンピック柔道男子金メダリストの内柴正人氏の事件では準強姦罪で懲役5
年の実刑が確定している。

逮捕状が発令されながら逮捕が取りやめになり、検察が不起訴を決定した経緯
は極めて異例であり、徹底的な事実解明が求められる。

日本の警察・検察の歪んだ体質を如実に示す事例であると考えられることか
ら、今後の検察審査会の厳正な監視が必要になる。

小沢一郎氏が巻き込まれた冤罪ねつ造事件でも、検察審査会の不透明性が重大
な問題として浮上した。

検察審査会がいつどのように開かれ、またそのメンバーがどのように選定され
るのか。

さらに、検察審査会に提出される関係資料等について、情報が公開されなけれ
ば、検察審査会が適正に機能を発揮しているのかどうかを確認できない。

今回検察審査会に審査が申し立てられた事案については、検察審査会の全容が
明らかにされる必要がある。

法の適正な運用を図られなければならない警察・検察行政が腐敗し切っている
「日本の暗部」と言える問題にしっかりと光を当てる必要がある。



さて、沖縄では辺野古米軍基地建設が進行している。

沖縄県の翁長雄志知事は

「辺野古に基地を造らせない」

ことを公約に掲げて2014年11月の知事選で知事に選出された。

来年秋には次の知事選が実施される。

翁長氏は

「あらゆる手法を駆使して辺野古に基地を造らせない」

と繰り返してきたが、現実には辺野古米軍基地建設が着々と進行している。

2014年11月の選挙戦の前から焦点となってきたのは、知事による埋立承
認の取り消しと撤回である。

「辺野古に基地をつくらせない」県民勢力は知事選候補者擁立に際し、仲井眞
知事による埋め立て承認の撤回または取り消しを知事選公約に明記することを
求めた。

辺野古米軍基地建設阻止を求める県政野党5会派は統一候補選定に際して

「埋め立て承認を撤回し、政府に事業中止を求める」

ことを条件に掲げてきたが、これが知事選候補者一本化の最終段階で

「新しい知事は承認撤回を求める県民の声を尊重し辺野古基地をつくらせな
い」

に変化した。

最重要の変化は、

「埋め立て承認撤回あるいは取り消しの公約への明記」

が排除されたことである。

結局、翁長雄志氏は知事選出馬に際して埋立承認の取り消しおよび撤回を公約
に明記しなかった。

このことが現在の辺野古米軍基地建設進行の基本背景になっている。



翁長氏が埋立承認の取り消しに動いたのは2015年10月のことだ。

何よりも重要なことは沖縄県が辺野古米軍基地建設に必要不可欠な国と沖縄県
との

「事前協議書」

を2015年7月に受理したことである。

国は事前協議書を沖縄県に受理してもらわなければ辺野古米軍基地建設の本体
工事に着手できなかった。

この「事前協議書」を受理する前に沖縄県が埋立承認を取り消し、さらに裁判
所が仮にこの取り消しを違法とした場合に、埋立承認を撤回して法廷闘争に持
ち込んでいれば、国は辺野古米軍基地建設に着手できない状況が続いたはずで
ある。

国が辺野古米軍基地建設を強行する考えを有している限り、この流れを完全に
止めることは難しい。

日本の裁判所は国家権力の番人であり、国家権力の意向に反する判断を示さな
い。

したがって、「辺野古に基地を造らせない」ための方策とは、辺野古米軍基地
建設を一秒でも先送りすることである。

時間を稼ぐことこそ、最優先の課題である。

時間を稼ぎ、その上で、政権自体を変える。

そして、新政権が辺野古米軍基地建設を最終的に中止する。

このプロセスを通じなければ「辺野古に基地を造らせない」公約を実現するこ
とはできない。

結論から言えば、これまでの翁長雄志知事の行動は、

「辺野古に基地を造らせない」

行動にはなっていない。

「辺野古に基地を造らせない」

と言いながら、辺野古に基地を造ることを容認するものになっている。

この事実をオール沖縄の人々は直視するべきだ。

「辺野古に基地を造らせない」

ために必要な行動は翁長知事による「埋立承認の即時撤回」でしかない。

これを実行しない翁長知事に対して、オール沖縄は全面的な抗議の姿勢を示す
べきである。



私はこの問題を2014年の知事選の段階から訴え続けてきた。

本当に「辺野古に基地を造らせない」ことを求めるなら、知事選公約に

「埋立承認の取り消し・撤回」

を明記させ、新知事が、知事就任後、直ちに埋立承認取り消し・撤回に動くこ
とを確実にすることが必要であることを訴えた。

私は2014年10月7日に沖縄県那覇市で開かれたシンポジウムで基調講演
をしている。

【2014.10.07】基調講演 植草一秀

https://www.youtube.com/watch?v=NP67c8WyGPg

ブログ記事「詰め甘の あいまい公約 怪我のもと」

http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2014/09/post-eb74.html

知事選公約に埋立承認の取り消しと撤回を明記し、新知事が知事就任後、直ち
に埋立承認の取り消し、撤回に進むことが

「辺野古に基地を造らせない」

ために必要不可欠な行動であることを訴え続けてきた。



しかし、翁長氏の行動はあまりにも遅い。

その「遅さ」は、「辺野古に基地を造らせる」ことを確実に側面支援している
「遅さ」である。

翁長雄志氏は本年3月25日の「辺野古県民集会」に初めて参加して

「あらゆる手法をもって(埋め立て承認の)撤回を、力強く、必ずやる」

と述べた。

このことを琉球新報は、

「屈しない決意の表明」



「高く評価」

したが、噴飯ものと言うしかない。

この県民集会から、早くも2か月以上の時間が流れている。

沖縄防衛局は4月25日、辺野古米軍基地建設に向け米軍キャンプ・シュワブ
沿岸部を埋め立てる護岸建設工事に着手した。

埋め立て工事が本格的に始動し、大量の石材や土砂などが投下され、原状回復
は困難となり始めている。

もはや一刻の猶予も許されない状況だ。

それにもかかわらず、翁長知事は動かない。



翁長雄志氏は知事選の過程で、

「撤回は、法的な瑕疵がなくても、その後の新たな事象で撤回するということ
ですが、知事の埋め立て承認に対して、県民がノーという意思を強く示すこと
が、新たな事象になる」
(2014年10月21日の知事選政策発表記者会見)

と述べている。

また、知事当選後の県議会でも、

「知事選で示された民意は埋め立て承認を撤回する事由になる」(2014年
12月17日の県議会答弁)

と明言している。

つまり、県知事選で「辺野古に基地を造らせない」という県民の意思が確認さ
れたこと自体が、埋立承認撤回の正当な理由になることを、翁長雄志知事が明
言してきているのである。

その埋立承認撤回を翁長氏が実行しない。

辺野古米軍基地建設が進捗して、原状回復が困難となり、訴訟に持ち込んで
も、裁判所が工事進捗を理由に「訴えに利益なし」の判断を示すための環境が
整うのを待っているかのような行動なのである。

この疑念が正鵠を射ているのかも知れない。



『アジア太平洋ジャーナル ジャパンフォーカス』編集者でカナダ在住の乗松
聡子(のりまつ さとこ)氏が

【辺野古 ただちに埋立承認撤回を】(下)
県民投票にメリットなし 新基地阻止は知事権限で
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/87608

のなかで、

「運動の中には、翁長知事のやり方に疑問を呈したり批判したりしてはいけな
いという雰囲気があるらしい。

私はシンポで、「意見の対立は民主主義の実践につきものであり、分断を恐れ
て建設的批判もしなくなってしまったら権力側の思うつぼになる」とも伝え
た。」

と述べているが、オール沖縄に翁長氏の行動に対して意見を述べてはならない
とする「空気」があるとすれば、これこそ「民主主義」に反するものであると
言わざるを得ない。

翁長知事が「取り消し・撤回」を先送りするなかで開催していた「第三者委員
会」に並行するかたちで提言をまとめた専門家集団「撤回問題法的検討会」
は、2015年5月の時点で

「委員会の結果を待つまでもなく先行して撤回は可能」

との判断を示して知事に埋立承認の撤回を要請した。

この要請から2年が経過するなかで、翁長知事はいまだに「撤回」に進まな
い。

3月25日には、県民集会で「撤回」を宣言したものの、いまだに「宣言」か
ら一歩も前に踏み出していない。

恐らく、法廷闘争に持ち込んでも完全に勝ち目がなくなるタイミングで、「ア
リバイ作り」のための「撤回」に踏み切るのだろうが、このような行動では

「辺野古に基地を造らせない」

という公約を実現することは不可能である。

沖縄で「辺野古に基地を造らせない」ために体を張ってきた人々は、直ちに、
いま何が必要であるのかを見つめて、翁長知事に対して

「言うべきを言う」

行動を示すべきである。

 


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