今治市は財政破綻状態
今治市というと、愛媛県では松山市(約50万人)を次ぐ、第2の都市です。今治新都市開発とかド派手に公共事業もしてきました。だから加計学園の獣医学部誘致もして大学もある街だ……すごいぞ……にしたかったようです。
でも、市町村の本当の力は財政です。「財政力指数」という数字こそが大事です。これは、自分たちの税収でどれだけ自分たちの町を維持できているか?という指数です。これが1.0を下回ると、その分、国や県からの補助金で食わせてもらっていることになります。1.0を超えると「不交付団体」と呼ばれ「優秀な自治体」となります。でも、なかなかなれないです。愛媛県の市町村のランキングがこれです。
私が線引きしたのは0.7以上。まあ、これで普通ぐらいですね。最高の四国中央市で0.8。これならまあ「いいですね」という感じです。今治市は?0.57……「だめじゃん」「終ってる」になっています。
もちろん、町になると、もう「アウト」「自治体やめろ」レベルまで悪化しています。
通常、原発があると、2.0とかとんでもない高い数字になりますが、それは、国や電力会社から大量の迷惑施設使用料が得られるからです。
この財政力指数が高い場合、私は「住みよい町」と呼んでいます。市民生活へのサービスがよくなる傾向があるからです。図書館や公共施設がきれいで立派になったり、福祉サービスも手厚くなる。
実際、今治市は「公共施設が汚く貧相」「子育てや老人への福祉が最悪」という声が多数聞かれます。
今治市の隣は西条市ですが、財政力指数は政令指定都市の松山市より高い0.71です。
■愛媛県の財政力指数が上位の自治体の理由
企業城下町だということです。
1位の四国中央市は「大王製紙」の城下町
2位の新居浜市は「住友金属鉱山」の城下町
3位の松前町は、町なのですが、愛媛でも大人気の超巨大なショッピングモールを持っているのです。
4位の西条市は「アサヒビール」など上場企業の工場がいくつもあります。
5位の松山市は四国最大の都市です。
でも、今治市は「タオルと造船の町」といいながら、主力なのは今治造船ぐらいです。その今治造船が隣の西条市や丸亀市に拠点を移してしまい「空洞化」しているのです。
■財政力指数0.71で今治市よりはるかに豊かな西条市の図書館の例
夜10時まで市民が自由に使え、駐車場も無料です。
財政力指数が0.75で愛媛県トップ2の新居浜市の美術館
財政力指数0.57の貧しい今治市の市民会館
はっきりいって、今の今治市に獣医学部に96億円も税金「あげる」余裕なんてないです。
加計学園獣医学部、大学設置審議会で保留となりましたが、理由は「教育内容」が不十分だからだそうです。京都産業大学より熟度が高かったはずですが。設置審の改善要求に応えることも難しそうです。
https://ameblo.jp/chikichiki-17/entry-12305066761.html