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TPPを容認する羊の姿のオオカミに騙されるな

2015年06月30日 21時34分58秒 | 政治経済、社会・哲学、ビジネス、

                   

              「植草一秀の『知られざる真実』」

                          2015/06/30

TPPを容認する羊の姿のオオカミに騙されるな

          第1181号

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たんぽぽ舎主催の学習会

「今の情勢にどう立ち向かうか」

で講演させていただいた。

http://goo.gl/h2dG51

安倍政権の暴走を阻止し、主権者の意思を政治に反映させるために、私たちは
どう行動するべきであるのか、について私見を提示させていただいた。

論点は三つある。

安倍政権の何が問題であるのかを明確にすること

安倍政権に対峙する政策方針をどのように定めるのか。

安倍政権に対峙する勢力が政権を奪取するためにどのような方策が必要である
のか。

この三つを明確にして行動することが重要である。

安倍政権の政策路線のどこが問題であるのか。

私は、この政権が

「戦争と弱肉強食」

を基本に据えていることが問題であると判断する。

安保法制は「戦争法案」と呼ばれている。

集団的自衛権の行使を容認するということは、すなわち、米国が創作する戦争
に日本が全面的に加担させられることを意味することになるだろう。

この政策を是とするのか、否とするのか。

判断するのは日本の主権者である。



安倍政権の政策の基本は「戦争」だけではない。

もうひとつの基本は

「弱肉強食」

である。

「弱肉強食」

を推進する方向が明確に示されている。

そして、この「弱肉強食」の政策路線を日本のすべての面に強制適用させる枠
組みがTPPである。

TPPは分かりにくい部分があるために、重要な政策イシューにされにくい
が、実は、もっとも根源的で重大な問題である。

この

「戦争と弱肉強食」

を基軸とする安倍政権の政策路線に対して、明確な対立路線を明示することが
何よりも重要である。

それを具体的に表現すれば、

「平和と共生」

ということになる。

「戦争」推進に反対する。

集団的自衛権の行使は容認しない。

この基本を堅持しなければならない。

日本政府は憲法解釈として、

「集団的自衛権の行使は憲法上許されない」

と明記してきた。

その集団的自衛権の行使を、憲法改定の手続きを経ずに実行することは絶対に
許されない。

そして、

「共生」

とは

「弱肉強食推進」を容認せず、

「格差是正」に取り組むことである。

「格差是正」=「共生重視」

で進むということは、具体的には

TPPに参加しないということである。

そして、原発は、安全性を確保することができないから、稼働を認めない。

1.集団的自衛権行使を容認しない

2.原発を再稼働させない

3.TPPに参加しない

この方針を明確に定め、この方針を公約として確約する議員が国会過半数を占
有する状況を生み出すのである。

そのための取組みが

【オールジャパン:平和と共生】

http://www.alljapan25.com/

である。

主権者がオールジャパンで連帯し、

原発・憲法・TPP

で公約を共有して、国会過半数確保を目指す。

この運動の輪を広げてゆかねばならないと考えている。



このなかで、TPPをどのように位置付けるのかが重要になる。

原発に反対し、安保法制に反対しているが、TPPには賛成している勢力があ
る。

この勢力と手を組むことが必要であるとの意見も存在する。

しかし、中期的に判断すれば、

「戦争と弱肉強食」

に対するアンチテーゼである

「平和と共生」

における核心が、

「安保法制とTPP」

である点を正確に理解することが何よりも重要である。



TPPを

「関税撤廃=自由貿易の枠組み」

で説明する向きがあるが、これは大きな誤りである。

TPPは一国の諸制度、諸規制に対する「強制力」を持つ制度強要の枠組みな
のである。

そして、その「強制性」、「強要性」が、誰の意思に基づくことになるのかを
考えることが極めて重要である。

TPPを特徴づける最大の制度は

「ISD条項」

である。

世銀傘下のICISD(国際投資紛争解決センター)が、投資紛争について裁
定を下すと、この決定が強制力を持つことになる。

各国の裁判所の決定よりも上位に裁定機関の決定が位置付けられるのである。

まさに「主権の喪失」が生じる。

問題は、このICISDが、どのような裁定を行うのかであるが、グローバル
巨大資本の意向が強く反映される可能性が極めて高い。

そうなると、日本の諸規制、諸制度は、グローバル強欲巨大資本の意向に沿う
形で改変される可能性が高いのである。

その方向こそ、紛れもない

「弱肉強食」の方向になる。



したがって、グローバル強欲巨大資本の意思によって行動する米国が狙ってい
ることは、何としても、日本をTPPに引き込むことなのである。

原発についても、日本をTPPに引き込むことにさえ成功すれば、日本の原発
離脱を阻止することができると、彼らは判断していると考えられる。

日本の原発離脱政策が投資に対して損害を与えたと認定し、日本の原発離脱を
認めない決定を示す可能性は極めて高いからだ。

米国が日本を支配し、日本の自衛隊を米国軍の下部組織としてフル活用し、日
本政府に巨大な軍事支出を強要するために、米国は、安倍政権に集団的自衛権
行使容認の解釈改憲を指令している。

同時に、米国が安倍政権に命じていることが、日本のTPP参画なのである。

日本をTPPに引き込むことに成功しさえすれば、日本は完全に

「まな板の上の鯉」

になるのだ。

日本の諸制度、諸規制を、時間をかけて、グローバル強欲巨大資本に最適のも
のに改変することができる。

日本の公的医療保険制度を破壊し、日本の食の安心・安全基準を破壊する。

労働者を守る諸制度、諸規制を破壊する。

日本をTPPに引き入れてしまえば、これらがすべて可能になるのだ。

だから、突き詰めて言えば、

安保法制とTPP

これが、米国の究極のターゲットなのである。



安倍首相が4月29日に米国議会でスピーチをした。

安倍首相はスピーチさせてもらったことを自慢しているが、安倍氏はスピーチ
をさせてもらう代わりに、二つの確約を迫られた。

その二つの確約とは、

「安保法制とTPP」

なのだ。

安倍氏のスピーチの実質的内容はこの二つしかなかった。

あとは、美辞麗句、社交辞令だけだった。

わざわざ米国に行って、米国が日本に指令する二つのミッション

安保法制とTPP

について、制約してきたのが安倍氏の訪米だったのだ。



これからの野党再編で、メディアが誘導するのは、

民主と維新を軸とする自公対抗勢力の創設である。

この対抗勢力の特徴は、

安保法制とTPP

に反対しないことである。

つまり、第二自公を創設する試みなのだ。

この点が最重要のポイントだ。



つまり、

安保法制阻止

TPP阻止

の勢力が固まって、

【安保法制推進=TPP推進】勢力

に立ち向かわねばならないのだ。

米国の策略は、打倒安倍政権を主張する主権者を

「TPP容認のけもの道」

に引き入れることである。

したがって、これからの政界再編、野党再編を考える上で、

絶対に見誤ってはならない点は、

「TPP容認勢力」

と手を組まないことである。

これは、グローバル強欲巨大資本側の

罠=策略=トラップ=トリック=謀略

であると言って、まず間違いないと確信する。





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