曲学阿世:真実を追求し、虚実の世間に迎合するようなことはしたくない。

真実を曲解し不正な情報によって世間の人々にこびへつらい、世間にとり入れられるような、ことはしたくない。

「いつかやる」でなく「いまやる」反自公大同団結

2018年04月18日 14時46分14秒 | 政治経済、社会・哲学、ビジネス、

                                               

             「植草一秀の『知られざる真実』」
 
                                          2018/04/17

  「いつかやる」でなく「いまやる」反自公大同団結

                  第2019号

   ウェブで読む:http://foomii.com/00050/2018041722492745420
   EPUBダウンロード:http://foomii.com/00050-45943.epub
────────────────────────────────────
内外に重大問題が山積するなかで国政の停滞が著しい。

国会で森友事案が取り上げられたのは昨年2月のことである。

爾来、1年2ヵ月の時間が経過しているが問題は収束するどころか、さらに拡
大する様相を示している。

このような問題で貴重な国会審議時間が占有されてしまうことは、主権者国民
にとって望ましいことでない。

このことから、問題を追及する側を批判する声が聞かれるが筋違いも甚だし
い。

国政が歪められている、しかも、その問題に一国の首相が深く関与していると
なれば、問題の全容を解明しなければならないことは当然のことである。

問題が収束せずに、1年2ヵ月もの間、取り沙汰されているのは、真相を明ら
かにする責務を負っている政府、政権の側が、問題を隠蔽する、公文書を改ざ
んする、説明責任を果たさない対応を続けているからである。

そもそも、この問題が政権の進退を左右する問題にまで拡大した主因は、安倍
首相の国会答弁にある。

昨年2月17日の衆院予算委員会で、安倍首相は「私や妻が関わっていたら、
総理大臣も国会議員も辞める」と繰り返した。

この問題を安倍内閣総辞職問題に直結させた張本人が安倍首相自身であること
を忘れることはできない。

問題の解明が進むなかで明らかになったことは、安倍昭恵氏の深い関与であ
る。

安倍首相が「私や妻が関わっていたら、総理大臣も国会議員も辞める」と国会
答弁で繰り返した以上、安倍昭恵氏の関与の疑いが濃厚になった以上、安倍昭
恵氏による説明が必要であることは、理の当然である。



安倍昭恵氏に対して、いきなり証人喚問を行うのはどうかとの意見もある。

しかし、籠池泰典氏に対して、「いきなり証人喚問というのはどうなのか」と
いう意見があるなかで、籠池泰典氏の証人喚問を強く指揮したのは安倍首相自
身である。

この経緯を踏まえれば、安倍昭恵氏の証人喚問を実施するべきだとの声に正当
性があるということになる。

籠池泰典氏夫妻は安倍首相夫妻と昵懇の関係にあった。

安倍昭恵氏は森友学園が経営する塚本幼稚園の教育方針に感涙し、「ここで
培った芯が公立小学校に進学してはなくなってしまう」と憂い、森友学園によ
る小学校新設を歓迎していたのである。

ところが、森友学園が国有地を不正廉売された疑惑が浮上すると、安倍首相は
手の平を返して、籠池泰典氏のことを「しつこい人」と言い始め、裁判で罪が
確定していないにもかかわらず「詐欺を働くような人」と公然と言い放ち、籠
池氏の不当な長期勾留を黙認しているのである。

補助金の不正受給は補助金適正化法に抵触する疑いがあるが、専門家である郷
原信郎氏などは、基礎猶予処分か罰金での略式起訴が妥当だと指摘する事案
で、8か月超の長期勾留が強行されている。

極めて深刻な人権侵害が発生していると言えるが、その人権侵害行為は安倍内
閣の指揮の下で行われているものだと理解されている。

こうした経緯を踏まえると、安倍昭恵氏に対する証人喚問を実施することが必
要不可欠であるとの見解には強い正当性があると言わざるを得ない。

安倍首相にとっても、疑いを晴らすには、安倍昭恵氏の証人喚問を受け入れる
のがもっとも適正で、早道であると考えられるのである。

各種世論調査も、主権者の大半が安倍昭恵氏の証人喚問実施が適正であると判
断していることを示している。



加計学園事案では、2015年4月2日に、今治市と愛媛県の職員が首相官邸
で柳瀬唯夫首相秘書官と面会した事実があるのかどうかが焦点になっている。

客観的な証拠構造から、面会は行われた可能性が極めて高い。

ところが、柳瀬唯夫氏は、「記憶に基づく限りお会いした事実はない」と言い
張っている。

柳瀬氏の記憶力がそこまで劣化しているとはだれも考えない。

面会した事実はあるが、そう証言できないから「記憶に基く限りお会いした事
実はない」と言い続けているのだと考えられる。

事実を事実として認めない。

真相を隠す。

ウソをつく。

こうしたことを繰り返しているから、問題がいつまでたっても解決しないので
はないのか。

その責任は安倍内閣の側にあるとしか言いようがない。

北朝鮮の問題、通商交渉の問題、中国、ロシア、米国との外交、そして、国内
の経済政策など、重要問題が山積している。

そのなかで、森友、加計、日報などの問題で貴重な国会審議時間が費消される
現実は、国民に対して大きな損失を与えている。

こうした惨状を打破するために、安倍首相は速やかに安倍昭恵氏の証人喚問実
施を快諾するべきだ。

また、柳瀬唯夫氏は、国会の証人喚問の場で真実を話すべきである。



安倍首相は加計学園が今治市に獣医学部を新設する意向を有していることを初
めて知ったのは2017年1月のことだと主張している。

しかし、2015年4月の段階で、首相秘書官はこの事案を「首相案件」だと
発言していたとされる。

メモが残っていても音源データがないと、決定的な証拠にはならないが、安倍
首相は早い段階から加計学園の意向を知っていたのだろうと、圧倒的多数の主
権者が判断している。

その安倍首相が議長を務める国家戦略特区諮問会議が加計学園による獣医学部
新設を認可した。

安倍首相は諮問会議メンバーの八田達夫氏の「一点の曇りもない」との発言を
多用して、意思決定の正当性を主張しているが、客観的に諮問会議の議事録を
検証すると、2016年夏から秋にかけて、極めて強引に決定が行われたこと
が分かる。

獣医学部新設は京都産業大学も求めており、客観的には京都産業大学への認可
に正当性があるとも考えられ、前川喜平前文部科学事務次官が指摘するように
「加計ありきで、公平・公正であるべき行政プロセスが歪められた」というの
が実態であると判断できる。

安倍首相は加計学園理事長の加計孝太郎氏から飲食等の接待を受けており、2
015年4月時点で、加計学園の獣医学部新設申請意向を知っていると問題に
なることから、初めて知ったのを2017年1月だと主張しているのだと考え
られる。



森友事案も加計事案も安倍首相個人に関わる問題であり、これらの問題につい
て、安倍首相自身が十分な説明責任を果たすことができずに、問題が長期化し
て、自公政治に対する主権者の不信が急激に高まっていることに対して、ここ
へきて、ようやく自公の与党内部からも批判の声が強まり始めている。

また、安倍政治を全面擁護してきたメディアの一部に重要な変化も観察されて
いる。

世論調査は一種の操作された数値であると考えられ、日本テレビ系列の内閣支
持率20%台には大きな意味が込められていると考えられる。



このまま安倍内閣が長期化する場合、2019年の統一地方選および参院選
で、与党が大幅議席減に陥ることを想定して、政権刷新に舵を切ったのだと考
えられる。

読売・日本テレビ系列は米国CIAとの強いつながりを指摘されている報道機
関である。

日本テレビ系列が安倍内閣赤信号点滅に舵を切ったのは、CIAが政権刷新を
決断した表れであるとも考えられる。

また、財政当局は現時点でも、まだ2019年10月の消費税率10%の方針
を捨て切っていないと考えられる。

安倍内閣が存続する場合には、2019年10月の消費税率10%を再延期す
る可能性が極めて高い。

このことを踏まえて、この機会に安倍内閣を総辞職させる方針が固められつつ
あると考えられるのである。



たしかに、日本政治を根本から刷新し、「戦争と弱肉強食の政治」を「平和と
共生も政治」に転換する上では、安倍内閣に存続してもらい、安倍内閣と闘う
かたちで総選挙を迎えた方が得策であるとの見方も成り立つだろう。

日本を支配する支配者は、その点をも見越して、政権刷新によるイメージチェ
ンジと、イメージチェンジによる次の国政選挙乗り切りを検討し始めた可能性
がある。

政治には、権力をめぐる争奪戦という側面があり、理念や思想、哲学だけでな
く、選挙を勝ち抜く「戦術」も極めて重要である。

安倍政治を刷新して、主権者の利益を追求する新しい政権を樹立しようとする
勢力は、これまで、この「戦術的な発想・対応」で十分に適切な対応を示して
こなかったと言える。

反自公勢力の候補者一本化の必要性が明白でありながら、結局は選挙の投票日
までに、盤石の対応策を実現し得ないできた。



この実績を直視して、この失敗の教訓を、次の選挙に向けての「戦術」構築
に、確実に生かさなければならない。

「いつかやる」ではだめだ。

「いつかやる」は結局のところ、「いつまでもやらない」につながってしま
う。

だから、「いまやる」ことが何よりも大事なのだ。

衆院総選挙を終えた直後の2018年こそ、勝負の年である。

反自公勢力の候補者一本化に向けて、具体的な行動を加速させなければならな
い。

 


https://news.blogmura.com/ ←にほんブログ村 政治ブログに
クリックお願いします。(*_*)??Σ(・□・;)