「植草一秀の『知られざる真実』」
2017/03/20
3.23証人喚問はアベ友事案全貌解明の突破口
第1694号
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権力にすり寄り、権力に媚を売る。
この種の人々がはびこっていることが日本の悲劇である。
田崎史郎氏、山口敬之氏、そしてNHKの島田敏夫氏。
芸人界で重鎮とされる者のなかにも、この手合いがいる。
明石屋さんまやタモリなどは、政治の話題に一切触れない。
賢明である。
しかし、政治問題に言及して、権力にすり寄るスタンスを明示する者もいる。
悲しい性(さが)だ。
権力にすり寄る者が多いことが政治刷新を妨げる大きな要因になっている。
これらの人々の行動の基本が
「今だけ、金だけ、自分だけ」の
「三だけ主義」
である。
強いものにすり寄り、提灯持ちに徹すれば、禄は多いだろう。
しかし、それだけのことだ。
そのために心を売っている。
「武士は食わねど高楊枝」
の気概がない。
一番大事なことは、
「自分の目で見て、自分の頭で考えること」
そして、
長い目で見て、欲得を離れて、すべての人にとって何が最良かを考えること
である。
政治権力に群がる人々が、
カネのことだけ、自分のことだけを考えて行動するから、良い社会が構築されないのだ。
『「国富」喪失』(詩想社、税込み1000円)
https://goo.gl/s3NidA
は、暴走する政治権力と、その政治権力に群がる人々によって、国民の富が喪われている現実を浮かび上がらせる。
そして、この現状を打破するために何が必要であるのかを考察する。
選挙を通じて日本政治を刷新しなければならない。
そのための方策を明示する。
以下は、amazonサイトから内容紹介。
戦後、日本人が蓄えてきた富が、
いま、流出していく! !
国民年金資金の流出、狙われた個人金融資産、
グローバル資本の日本収奪計画とは・・・
国民年金資金の運用で巨額損失が発生、
外貨準備資金では4年半で50兆円の損失・・・
国民のためではなく、グローバル資本のための政治を推進する政府によって
日本国民が戦後、コツコツと蓄えてきた富が、
いま流出している。
日本収奪を狙うハゲタカ外資と、 それに手を貸す政治家、財界人、官僚、メディア。
金融資産のみならず、
日本の農業から医療、雇用、国土と環境、伝統、文化にいたるまで、
あらゆる国民の「富」が危機に瀕している現状に警鐘を鳴らし、
日本刷新への道筋を示す。
第1章 失われる国富
・政界のタブー、外貨準備という米国への巨額上納金
・郵政民営化による国民資金の喪失
・GPIFによる年金資金の巨額損失
・・・など
第2章 日本収奪計画と売国の実態
・対日経済戦略の系譜、最終兵器としてのTPP
・国家の存立を危うくする農業の喪失
・外資や官僚、政治屋が国民の富をかすめ取る「官業払い下げ」
・・・など
第3章 国富を守るためにいま、なすべきこと
・明治維新から連なる日本政治の正体
・日本を支配するための5つの技法
・政策選択選挙と日本版5つ星運動
・・・など
政治権力がマスメディアを完全支配する現況で、真実の情報発信をする場は、
ネット
と
単行本
そして
口コミ
の世界しかない。
この国会では、
「共謀罪」創設
「主要農作物種子法」廃止
「水道法」改定
「家庭教育支援法」制定
などの、超重要議案が提出される。
NHKは国会開会中は、少なくとも2週に1回は、政党討論会を実施するべきだ。
ところが、偏向NHK「日曜討論」は
3月10日に震災、3月17日に北朝鮮で
政治討論を逃げた。
政治討論になれば森友問題が議論の中心になる。
森友問題で逃げの一手の姿勢を示しているのが安倍政権だ。
100万円の寄附の現実を誰よりも知っているのは安倍昭恵氏である。
安倍昭恵氏の参考人招致が必要である。
ところが、NHKは政党討論会を実施しない。
完全に腐っているのだ。
それでも安倍首相は、森友学園の土地取得と学校認可に少しでも関与していたなら首相も議員も辞任すると明言している。
安倍晋三氏の首相辞任、議員辞任が、目前に迫っている。
この問題の核心は、
国有地の激安払い下げ
と
小学校設置認可
である。
大阪府の松井一朗知事は、
「部下がすべて決めた」
と主張している。
しかし松井一朗知事は、森友学園が小学校設置認可を申請した2014年10月から大阪府私学審議会が臨時会まで開いて学校設置認可の方針を答申した2015年1月を含む2015年3月までに、私学課と440分も打ち合わせをしている。
森友学園の小学校設置認可について、松井一朗知事が深く関与している疑いがある。
安倍晋三氏は、森友学園の寄附金集めに全く関与していないと国会で明言しているから、安倍晋三氏夫妻が森友学園に寄附を行っていたなら、虚偽答弁したことになる。
土地取引に関して直接関与が疑われるのは迫田英典前理財局長であり、迫田氏と安倍首相との間で森友学園への土地払い下げ問題で協議があったなら、安倍首相の辞任は避けられない。
3月23日の証人喚問は、
森友-近畿財務局-理財局-安倍首相ルートの真相解明の
突破口
に過ぎない。
これを突破口にして、参考人招致、証人喚問を広げてゆくことが必要不可欠になる。
重要なことは籠池泰典氏が事実をすべて語ることだ。
安倍政権の側が匕首を突き付けてきた以上、籠池氏はためらうものがない。
「証人喚問」は刑事告発を前提にしたものであると受け止められる。
その路線が明確に敷かれた以上、籠池氏はすべての事実を暴露するべきだろう。
そのことによって、事案ん全体像が明確になる。
その結果として、適正な事後処理が可能になる。
天網恢恢疎にして漏らさず
という。
寄附金の原資が持参した現金なのか、講師謝礼金であったのかは重要な問題でない。
寄附行為があったのかどうかが問題である。
寄附行為があったなら、安倍首相の国会答弁は虚偽答弁ということになる。
野党議員は証人喚問の機会を全面的に生かす対応に徹するべきだ。
籠池氏を糾弾するのではなく、籠池氏から、すべての事実を引き出すことが何よりも大事だ。
これを突破口にして、他の関係者からの事情聴取を実現させること。
近畿財務局、財務省理財局、大阪府、大阪航空局、そして工事関係者からの事情聴取がなければ全貌を明らかにすることはできない。
国有財産が「適正な対価」で譲渡されていない疑いが濃厚であり、徹底的な真相解明が必要不可欠である。